“2016年初”、日経平均6日続伸の今だから注目の「高値株」<株探トップ特集>
―波乱相場に抵抗力発揮、上昇期待の個別株にスポットライト―
週明け4日の東京株式市場は、朝方こそ反落して始まったものの次第に買い気優勢となりジリ高歩調の展開となった。日経平均株価終値は、前週末比93円32銭高の1万5775円80銭と今年初めての6日続伸を達成。そこできょうは、6月24日の全般急落地合いにもかかわらず、強い抵抗力を発揮している年初来高値更新銘柄のなかから、今後の上昇に期待が持てそうな個別株に照準を当てた。
●コムチュアは新規ユーザー層の開拓で売上高増加図る
独立系のSI(システムインテグレータ)であるコムチュア <3844> の17年3月期通期の連結業績予想は、売上高130億円(前期比14.5%増)、経常利益15億円(15.8%増)を見込む。既存顧客との取引拡大や新規ユーザー層の開拓で、受注および売上高の増加につなげるほか、高付加価値化による1人当たりの売上高増加などを図るとしている。また、3カ年の中期経営計画も公表しており、クラウドやビッグデータ関連事業を軸に、新しい成長エンジンと他社との連携ビジネスの創出などに取り組むことで、19年3月期に売上高172億円、営業利益20億2000万円を目指す。
●ノジマはデジタル家電専門店を積極出店
ノジマ <7419> は首都圏を中心に店舗展開する家電量販店で、17年3月期連結業績は、売上高4585億円(前期比0.8%増)、経常利益165億円(同10.8%増)を見込む。総務省の「スマートフォンの端末購入補助の適正化に関するガイドライン」などにより、携帯電話端末の実質販売価格の上昇が想定されることから、販売台数は減少するものと見込まれる。一方で、固定回線、保険、電気およびその他サービスなどの新たな需要が商品として加わることが期待される。こうしたなかで、デジタル家電専門店を年間15店舗出店、および店舗の最適化を進める。6月17日付で東証ジャスダックから東証1部市場へ市場変更した。
●西松屋チェーンは1Qで早くも通期経常利益を上方修正
西松屋チェーン <7545> は6月16日に決算を発表。17年2月期第1四半期(3-5月)の単体経常利益が、29億9200万円(前年同期比30.6%増)に拡大した。春物衣料などの販売好調で既存店売上高が堅調に推移するなか、正価販売の増加で客単価が上昇したことが寄与。また、プライベートブランド商品の販売が好調で、売上高総利益が計画を上回った。さらに、業務効率化による販管費の抑制も大幅増益に貢献した。17年2月期第1四半期業績の好調に伴い、通期の単独経常利益を従来予想の70億円から77億円(前期比26.1%増)に早くも増額修正した。
●日本エスコンは分譲事業好調で業績上方修正
日本エスコン <8892> は6月30日の取引終了後、16年12月期の第2四半期累計(1-6月)連結業績予想の修正を発表した。売上高は従来予想の売上高130億円は125億4000万円(前年同期比34.9%増)へ下方修正したものの、経常利益は12億円を13億5000万円(同53.8%増)へ上方修正した。不動産販売事業で第2四半期に計画していた販売物件について、一部下期に計上がずれたことにより売上高はやや下振れるものの、分譲事業における確実な利益の確保に加え、その他販売物件による利益が計画よりも上振れることが寄与する。なお、16年12月期通期業績は据え置かれた。
●エフピコは4期ぶりに過去経常最高益を更新へ
エフピコ <7947> は、17年3月期の連結業績を売上高1760億円(前期比3.4%増)、経常利益155億円(同10.5%増)と予想し、経常利益は4期ぶりに過去最高益を更新する見通しとなっている。今年3月から稼働を開始した中部エコペット工場では、回収したPETボトル・PET透明容器をエコAPET容器の原料として再利用するボトルtoトレーのエフピコ方式リサイクルを推進する。これに伴い同社グループで生産するAPET透明容器のうち、エコAPETの販売比率を今年3月時点の74%から1年間で87%まで引き上げる計画。また、関東エリアで、リサイクル製品の生産能力拡大を図るために、新たなPETリサイクル工場建設を検討している。
●タカラレーベンは新築マンションを積極販売
タカラレーベン <8897> は、積極的に太陽光発電マンションを手掛けるマンションデベロッパー。不動産販売事業では、自社企画ブランド新築マンション「レーベン」シリーズおよび一戸建新築分譲住宅の企画・開発・販売を「一貫体制」で行い、用地取得から販売、入居後の管理サービス、リノベーションや住み替え時の仲介までを手掛けている。同社の17年3月期の連結業績予想は、売上高1050億円(前期比37.7%増)、営業利益150億円(同98.3%増)と大幅な増収増益を見込む。地方の中心市街地を主力に、新築マンション事業で前期の1448戸を上回る1600戸の引き渡しを予定するほか、戸建分譲事業では288戸(前期194戸)の引き渡しを計画しており、これらにより業績拡大が見込まれる。
◆主な年初来高値更新銘柄◆
経常
銘柄(コード) 増益率 株価 PER
日成ビルド工業 <1916> 24.7 578 11.3
ワールドHD <2429> 19.9 1837 8.0
ワッツ <2735> 8.5 1118 17.4
ケンコーマヨネーズ <2915> 2.2 3160 21.1
ディーブイエックス <3079> 5.2 1217 13.4
ソトー <3571> 34.7 1227 23.0
コムチュア <3844> 15.8 3720 18.2
理研ビタミン <4526> 14.2 5020 18.4
富士製薬工業 <4554> 10.7 2382 16.0
クレスコ <4674> 5.0 2404 13.6
エスクロAJ <6093> 31.5 2023 22.9
ワイエイシ <6298> 2.5倍 1337 13.4
TOWA <6315> 2.1 996 13.1
ノジマ <7419> 10.8 1884 8.9
西松屋チェーン <7545> 26.1 1521 20.6
レック <7874> 58.7 1892 25.6
エフピコ <7947> 10.5 5280 21.0
日本エスコン <8892> 5.6 336 7.0
タカラレーベン <8897> 2.1倍 823 10.0
※株価は4日終値(単位:%、円、倍)
株探ニュース