スリー・ディー・マトリックス <
7777> [東証G] が2月22日大引け後(15:30)に業績修正を発表。23年4月期の連結最終損益を従来予想の20億円の赤字→27億円の赤字(前期は18.9億円の赤字)に下方修正し、赤字幅が拡大する見通しとなった。
会社側が発表した下方修正後の通期計画に基づいて、当社が試算した11-4月期(下期)の連結最終損益も従来予想の16.2億円の赤字→23.2億円の赤字(前年同期は6.5億円の赤字)に下方修正し、赤字幅が拡大する計算になる。
株探ニュース
会社側からの【修正の理由】
当社グループの2023年4月期の業績予想について、下記を主要因として業績予想を修正することといたしました。製品販売3,652百万円(欧州:1,950百万円、オーストラリア:728百万円、日本:509百万円、米国:449百万円、その他地域:16百万円)の事業収益を予想しておりましたが、製品販売は2,321百万円(欧州:1,110百万円、オーストラリア:427
»続く
百万円、日本:455百万円、米国:306百万円、その他地域:23百万円)となる見込みとなりました。前期比では54.1%増と成長は維持しているものの、計画比では36.4%の減少となります。加えまして、費用の修正も見込んでおり、売上減の影響と合わせまして営業利益も1,389百万円の減少を見込んでおります。主な修正理由は下記1.~2.の項目に記載しております。 1.事業収益成長率の下振れ製品販売に関して、欧州では、主要製品である消化器内視鏡領域の止血材は、既に顧客となっているKOL(Key Opinion Leader)と同じ病院に属する新規ユーザーをターゲットとすることで、販売スピードを飛躍的に拡大させる計画としておりましたが、第3四半期以降の成長が低下する見込みの結果、大きく計画を下回る見込みとなりました。特に欧州で最大規模の売上計画としていたドイツにおいて、今期の5月頃に想定していた既存代理店からのFUJIFILM EUROPE B.V.(以下、「FUJIFILM」)への販売代理店切替手続きに想定以上時間がかかり、今期11月に遅れました。協議中においては既存代理店のコミットメントが大幅に下がったため、売上計画を大きく割り込むこととなり、欧州の計画未達の最大の原因事象となりました。ドイツでのFUJIFILM体制は今期3月から本格稼働する予定でありますが、第4四半期での業績挽回は難しいと判断し今回業績修正いたしました。来期に向けて挽回を狙って参ります。イギリスにおいては、既に顧客となっているKOLと同じ病院に属する新規ユーザーをターゲットとする打ち手が奏功し、第2四半期時点の前年同期比で成長率が大幅に増加しておりました。しかし、下期に入りかかる打ち手についての二次代理店との協働が十分に浸透しきれず、徐々に計画との乖離が拡大し、直近1年間での計画との差をみると、およそ半年程度の遅れとなっております。今後は、原因を究明し、代理店との情報共有および進捗管理の粒度をさらに上げ、より精緻な協力関係を構築することで挽回して参ります。心臓血管外科領域および耳鼻咽喉科領域における直販体制については、今期立ち上げの計画で若干の予算を見込んでおりましたが、採用した人員が期待した営業力を発揮できなかったため、早期に利益貢献できる体制を構築できず、全面的な人員の入れ替えを行っております。 日本では、COVID-19第7波および第8波の影響を若干受けたものの、高い成長率を維持し、計画達成率約90%の見込みです。販売開始1年でオーストラリアの売上高を超え、地域別第2位の規模まで成長いたしました。 オーストラリアでは、前期からの政府による選択的手術の規制の緩和が大幅に遅れ、規制の影響による一時的な病院のスタッフ不足により手術件数の回復も遅れました。更に、2022年7月に実施された民間保険価格の見直しによる製品販売価格の低下の影響を受け、前年同期比も下回る見込みです。それでも主要病院を中心に需要を取り込み、下期には月次で過去最高の販売本数を達成しております。また、オーストラリア単体では黒字化を維持しており、来期以降は回復しつつある需要を更に取り込み、収益の最大化を狙ってまいります。 米国では、2022年7月から販売を開始した消化器内視鏡領域において順調な成長を達成しており、計画をほぼ達成できる見込みです。耳鼻咽喉領域においては、ターゲット施設の戦略変更の結果、アカウント獲得はでき始めているものの、変更後のターゲット施設の購入行動の特性が想定と異なり、獲得に至るまでに想定以上の時間がかかっているため、期初に計画していた大きな売上増にはまだ時間を要する見込みです。これらを受けて下期以降は、営業リソースを消化器内視鏡領域に振り分け、同領域での成長を極大化する方針です。 以上より、今期は前年同期比54.1%増の成長は達成するものの、期初に計画した142.5%増の成長には達しない見通しとなり、業績予想を修正することと致しました。2.赤字縮小の遅れ売上総利益については、原価率はほぼ計画通りの見込みであるものの、上述の通り事業収益成長率が下振れしたことにより計画対比約7億円マイナスとなっております。 販売費及び一般管理費については、外貨ベースのコストに対し、計画時には対米ドル112円、対ユーロ130円で想定しておりましたが、営業体制の刷新に伴う費用増に加え、期中は一貫して円安傾向で為替相場が推移したことにより、円ベースでのコストが相当程度膨らんでおります。加えて、上述の事業収益成長率の下振れにより、今期は大幅な赤字縮小は達成できない見通しとなりました。 しかしながら、上期に比較して下期は営業赤字額が縮小傾向にあり、営業赤字トレンドの転換点を迎えていると考えております。大きな先行投資はほぼ終了しており、今後増加させる計画はないため、今後の利益水準は改善傾向がより顕著になってくると見込んでおります。地域別では、オーストラリアは事業全体で黒字を維持する見通しであり、欧州は売上総利益から営業コスト(営業人件費および販促費等)をマイナスした貢献利益が消化器内視鏡領域においては損益分岐に到達しております。日本においては、貢献利益がマイナスから今期プラスに転じており、米国においても貢献利益が急速に損益分岐に近づいております。貢献利益がプラスになりつつあるため、営業活動の拡大により更なる利益貢献が見込めます。上記の結果として、特に売上計画の大部分を占めていた欧州において、下期は上期より成長率を更に増加させるとしていた計画に対し、欧州の第3四半期末時点において、営業活動が想定通りに進まないことにより事業収益成長率が想定通り増加しなかったことに加え、円安等の影響により赤字縮小も遅れ、営業利益は△3,083百万円と当初予想を下回る見込みとなります。また、約458百万円の為替差益を見込んでおり、連動して経常利益は△2,649百万円、純利益は△2,708百万円となる見込みで予想の修正を行っております。3.今後の見通し現段階におきましては「中期経営計画」への影響について精査中であります。来期の売上計画に関しましては、欧州においては、営業活動の遅れが顕在化したものの、今後はドイツのFUJIFILM含め、代理店とのより緊密な協働関係を構築することで遅れを挽回し、今期遅れのために実現できなかったことを来期にやり切ることを目指して参ります。日本については今期441.7%増の成長、また、米国は488.5%増の成長となる見通しであり、成長トレンドの急な変化が想定されるような事象はいまのところないことから、来期以降も高い成長を維持した計画を立案できるものと考えております。
業績予想の修正
決算期 |
売上高 |
営業益 |
経常益 |
最終益 |
修正 1株益 |
修正 1株配 |
発表日 |
旧 22.11-04 |
2,668 |
-62 |
-1,308 |
-1,629 |
-25.66 |
0 |
22/12/13 |
新 22.11-04 |
1,337 |
-1,451 |
-2,293 |
-2,328 |
-36.67 |
0 |
23/02/22 |
修正率 |
-49.9 |
赤拡 |
赤拡 |
赤拡 |
赤拡 |
|
(%) |
決算期 |
売上高 |
営業益 |
経常益 |
最終益 |
修正 1株益 |
修正 1株配 |
発表日 |
旧 2023.04 |
3,652 |
-1,694 |
-1,664 |
-2,009 |
-31.65 |
0 |
22/06/14 |
新 2023.04 |
2,321 |
-3,083 |
-2,649 |
-2,708 |
-42.66 |
0 |
23/02/22 |
修正率 |
-36.4 |
赤拡 |
赤拡 |
赤拡 |
赤拡 |
|
(%) |
※単位:売上高、営業益、経常益、最終益…「百万円」。修正1株益、修正1株配は「円」。率は「%」
※最新予想と従来予想との比較
今期の業績予想
決算期 |
売上高 |
営業益 |
経常益 |
最終益 |
修正 1株益 |
修正 1株配 |
発表日 |
21.11-04 |
866 |
-1,364 |
-605 |
-652 |
-12.8 |
0 |
22/06/14 |
予 22.11-04 |
1,337 |
-1,451 |
-2,293 |
-2,328 |
-36.7 |
0 |
23/02/22 |
前年同期比 |
+54.4 |
赤拡 |
赤拡 |
赤拡 |
赤拡 |
|
(%) |
決算期 |
売上高 |
営業益 |
経常益 |
最終益 |
修正 1株益 |
修正 1株配 |
発表日 |
2021.04 |
1,024 |
-2,648 |
-1,900 |
-2,012 |
-49.7 |
0 |
21/06/14 |
2022.04 |
1,506 |
-2,736 |
-1,807 |
-1,894 |
-37.2 |
0 |
22/06/14 |
予 2023.04 |
2,321 |
-3,083 |
-2,649 |
-2,708 |
-42.7 |
0 |
23/02/22 |
前期比 |
+54.1 |
赤拡 |
赤拡 |
赤拡 |
赤拡 |
|
(%) |
※最新予想と前期実績との比較。予想欄「-」は会社側が未発表。
※上記の業績表について
- ・「連」:日本会計基準[連結決算]、「単」:日本会計基準[非連結決算(単独決算)]、「U」:米国会計基準、「I」:国際会計基準(IFRS)、「予」:予想業績、「旧」:修正前の予想業績、「新」:修正後の予想業績、「実」:実績業績、「変」:決算期変更
- ・[連結/非連結]決算区分の変更があった場合は、連続的に業績推移を追えるように、連結と非連結を混在して表示しています。連結と非連結が混在しない場合は、「連」「単」表記は省略します。
- ・決算期表記後の「*」は上場前の決算を示し、2018年以前に新規上場した銘柄では1株あたりの項目は株式分割などによる換算修正は行っていません。
- ・前期比および前年同期比は、会計基準や決算期間が異なる場合は比較できないため、「-」で表記しています。
- ・米国会計基準と国際会計基準では、「経常益」欄の数値は「税引き前利益」を表記しています。
- ・業績予想がレンジで開示された場合は中央値を表記しています。
【注意】「決算速報」「個別銘柄の決算ページ」で配信する最新の業績情報は、東京証券取引所が提供する適時開示情報伝達システム(TDnet)において、上場企業が公表する決算短信と同時に配信されたその企業自身の作成によるXBRL(企業の財務情報を電子開示するための世界標準言語)に基づいたデータをそのまま使用しています。同一の会計基準内で規則変更が行われた場合については、変更は考慮せずに比較を行っています。また、業績予想がレンジで開示された場合はレンジの中央値を予想値として採用しています。なお、この配信されたデータには、新興企業を中心に誤ったデータが配信される場合が希にあります。投資判断の参考にされる場合は、より正確な決算短信のPDFファイルを併せてご確認くださいますようお願いします。