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【市況】富田隆弥の【CHART CLUB】 「下値抵抗線の注視が続く」

株式評論家 富田隆弥

◆春だけに陽気も相場も「三寒四温」といったところか。日経平均株価は3月4日まで4連騰し1万7000円大台を回復したが、3月7日からは3連敗となり一時1万6500円を割り込んだ。そして、3月10日は210円高の1万6852円と反発したことで、次はここからまた4連騰…するのか。そうなれば良いのだが(本稿執筆は10日)。

◆日足チャートは、3月2日の上昇で1万6400円処にあった25日移動平均線と抵抗線を上抜き好転を示唆した。ならば、3連敗で1万6494円まで下げた動きはセオリーの初押しであり「好転あとのプルバック」と見ることができ、ここから切り返す可能性はあり得る。ただし、10日のECB理事会、11日のメジャーSQ、さらに15日の日銀決定会合、16日のFOMCと注目イベントが続くほか、3月は15日の確定申告期限、18日の特金決算、28日最終の配当権利取り、そして株価水準が意識される年度末という時期でもある。したがって、株価は引き続き乱高下しやすい地合いにあることを覚悟しておかねばならない。

◆そこで注視しておくのは2月12日安値(1万4865円)から引く「下値抵抗線」で、10日現在1万6500円処にある。それをキープするなら日足好転として75日線(1万7700円処)を目指すことは可能だろう。しかし、逆に抵抗線を割り込むと再び調整入りとして「彼岸底」「二番底」などを意識することになる。また、世界マーケットの屋台骨であるNYダウもダブル底から上昇を続け1万7000ドルを回復するが、日足では1万6900ドル近辺にある目先の下値抵抗線が迫っており、ここでも下値抵抗線をキープできるのか注視しておかねばならない。

◆中国経済や原油(WTI)を要因に世界は株式市場や為替など多くのマーケットが振り回されてきた。直近は原油市場の反発から株価は上昇を見せているが、BRICSやPIGS、国内では為替や国債市場などまだ予断が許されぬものもあり、外部に振り回される状況はまだしばらく続こう。だが、投資家としては、外部要因にアレコレ振り回されていても意味はなく、日経平均のチャートをポイントにしておきたい。材料に係らず相場はやはり「トレンドに従う」べきである。

(3月10日 記、毎週土曜日10時に更新)

情報提供:富田隆弥のチャートクラブ

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