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【注目】話題株ピックアップ【夕刊】(2):クラリオン、横河電、ヤフー、IHI

■クラリオン <6796>  432円  +10 円 (+2.4%)  本日終値
 2日、クラリオン <6796> が決算(国際会計基準=IFRS)を発表。16年3月期第3四半期累計(4-12月)の連結税引き前利益が前年同期比2.0倍の74.9億円に急拡大して着地したことが買い材料。米州・アジアでカーナビや車載カメラなどの販売が大きく伸びたことが寄与。海外拠点から国内への生産移管も奏功、稼働率向上や円安による採算改善につながった。業績好調に伴い、従来未定としていた期末一括配当は3円(前期は2円)実施する方針としたことも支援材料。

■大正薬HD <4581>  8,670円  +200 円 (+2.4%)  本日終値
 大正製薬ホールディングス<4581>が後場に上げ幅を拡大。今日の後場寄りに16年3月期第3四半期累計の連結決算を発表した。売上高は前年同期比1.5%増の2249億7800万円と増収を確保した。営業利益は同8.5%減の227億2200万円となったものの、広告宣伝費の増加などで販売費及び一般管理費が増加したことが要因としており、据え置かれた通期の連結営業利益予想270億円(前期比15.6%減)に対する進捗率は84.2%に達していることもあって、買い安心感につながっているようだ。ただ、通期の連結売上高は従来予想の2950億円から2900億円(前期比0.2%減)へ、純利益は法人税等の見直しで同220億円から215億円(同12.3%減)へ引き下げられた。同時に、発行済み株式の1.85%にあたる150万株、100億円を上限に自社株買いを実施するとも発表しており、株式需給の改善を期待した買いも入っているようだ。取得期間は9日から5月31日まで。

■日本新薬 <4516>  4,525円  +85 円 (+1.9%)  本日終値
 日本新薬<4516>が3日続伸。2日の取引終了後、国産初の核酸医薬品であるデュシェンヌ型筋ジストロフィー(DMD)治療剤「NS-065」の第1/2相臨床試験について、医薬品医療機器総合機構(PMDA)に治験計画届書を提出し臨床試験を開始すると発表しており、新薬への期待感から買いが入っている。DMDは、男児に発症するもっとも頻度の高い遺伝性筋疾患で、ジストロフィンと呼ばれる筋肉の細胞の骨組みを作るタンパク質の遺伝子に変異が起こり、正常なジストロフィンが作られなくなることで、重篤な筋力低下を示すというもの。現在、治療法としては、進行を遅らせるステロイド剤以外に有力なものは存在せず、新たな治療薬の開発が期待されている。日新薬と国立精神・神経医療研究センター(NCNP、東京都小平市)が共同研究で見出した「NS-065」は、ジストロフィン遺伝子の一部の遺伝情報を読み飛ばすことで筋機能の改善が期待できるというもので、NCNPで実施された医師主導の早期探索的臨床試験で良好な結果を得たことから、第1/2相臨床試験へ進むことになったとしている。

■横河電機 <6841>  1,339円  +24 円 (+1.8%)  本日終値
 2日、横河電 <6841> が16年3月期の連結経常利益を従来予想の340億円→390億円に14.7%上方修正。増益率が1.9%増→16.9%増に拡大し、従来の2期連続での過去最高益予想をさらに上乗せしたことが買い材料。今期業績の上方修正は昨年8月に続き、2回目。主力の制御事業でプラント設備向け保守サービスなどの受注が好調にする中、円安による採算改善や固定費削減が利益を押し上げる。

■ヤフー <4689>  474円  +6 円 (+1.3%)  本日終値
 ヤフー<4689>が全般悪地合いのなか4日続伸。同社が2日に発表した第3四半期累計の連結決算は売上高4452億9800万円(前年同期比43.3%増)、営業利益1950億8300万円(同34.7%増)、最終利益1535億3100万円(同53.4%増)だった。持ち分法適用会社だったアスクル<2678>の連結対象化などで収益が大きく伸びている。きょうは全体地合い悪のなかも好業績を評価した押し目買いが優勢となった。

■エーザイ <4523>  7,840円  +66 円 (+0.9%)  本日終値
 エーザイ<4523>が4日続伸。2日に16年3月通期の連結営業利益を従来予想460億円か510億円にする増額修正を発表した。「ハラヴェン」や「レンビマ」「Fycompa」のグローバルブランドの高い成長が寄与、費用効率化の推進も業績を押し上げている。ゴールドマン・サックス証券は2日、「順調な進捗」と指摘するとともに「上方修正は想定線の水準」とし「中立」を継続。目標株価は6750円から6950円に引き上げている。

■日本電信電話 <9432>  5,346円  +35 円 (+0.7%)  本日終値
 米系大手証券の通信セクターのリポートでは、日銀マイナス金利導入で配当利回り銘柄の魅力は高まったと指摘。欧州でマイナス金利が導入されたとき、配当銘柄が市場をアウトパフォームしたという事例だけでなく、大手3社(NTT<9432>、NTTドコモ<9437>、KDDI<9433>)は極めて魅力的な配当展望を持つと評価して、「今後の増配額には追加のポジティブサプライズが期待できる」と解説。日本の通信セクターを強気推奨している。

■IHI <7013>  197円  -50 円 (-20.2%)  本日終値  東証1部 下落率トップ
 IHI<7013>が大幅続落。2日の取引終了後、16年3月期の連結業績予想の下方修正を発表し、最終赤字に転落する見通しとなったことが嫌気された。売上高は1兆5800億円から1兆5500億円(前期比6.5%増)へ見直し、最終損益は180億円の黒字から300億円の赤字(前期90億8200万円の黒字)へ修正した。同社の業績下方修正は今期3度目。原油安による海外向けガスプロセス案件の受注期ずれや一部工事の進ちょくの遅れなどの影響で、資源・エネルギー・環境事業が計画を下回る。さらに、前年度に発生したトルコのイズミット湾横断橋建設工事の足場(キャットウォーク)落下事故などに伴う工事遅延により請求される可能性のある契約納期遅延費用を特別損失として計上する。この業績修正を受け、3円を予定していた期末配当は無配とし年間ベースでは3円配当(前期比3円減)となる。

■カシオ計算機 <6952>  2,054円  -414 円 (-16.8%)  本日終値  東証1部 下落率2位
 カシオ計算機<6952>が急落。同社は昨日、16年3月期第3四半期累計の連結決算を発表。売上高は前年同期比6.8%増の2618億1700万円に、営業利益は同28.6%増の334億7200万円となっており、第3四半期のみの営業利益は市場コンセンサスの141億円を下回る118億円となった。米系大手証券では、成長に対する市場の期待が強いことから、減速は新たな悪材料になると指摘。自社株買いを発表したものの、一株価値増大の評価以上に好材料出尽くしの印象が醸成されるとの見方で、株式市場は成長鈍化を新たに織り込み、株価下落圧力は強まると予想。レーティングを「2」から「3」に、目標株価を2400円から2100円に引き下げている。

■フジミインコ <5384>  1,243円  -233 円 (-15.8%)  本日終値  東証1部 下落率3位
 フジミインコーポレーテッド<5384>がウリ気配。同社は2日の取引終了後、16年3月期の連結業績予想の修正を発表。売上高を従来予想の340億円から317億円(前期比3.4%減)へ、営業利益を41億円から32億円(同22.5%減)へ、純利益を31億円から24億円(同35.0%減)へ下方修正、これを嫌気している。一般工業用研磨材の需要減退が想定を超えて推移している。

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