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2016年01月05日19時00分

【特集】馬渕治好氏【「波乱の幕開け!」 2016年の株式相場はどう動く】(3) <相場観特集>

馬渕治好氏(ブーケ・ド・フルーレット代表)

 2016年の株式相場は、世界同時株安の様相を呈する波乱の幕開けとなった。サウジアラビアによるイランとの国交断絶に伴う中東での地政学リスクの高まり。さらに、中国経済指標の悪化を受けて上海など中国株式の急落も重なり、売りが売りを呼ぶ展開となっている。こうしたなか、中長期視点で見て今年の東京株式市場はどう動くのか、ブーケ・ド・フルーレット代表の馬渕治好氏に見通しを聞いた。


●「強調展開で年央高値を目指す」

馬渕治好氏(ブーケ・ド・フルーレット代表)

 東京株式市場は波乱の幕開けとなったが、2016年相場は総じて強気にみている。大発会の急落は、中国株が7%の下落でサーキットブレーカーが発動、取引停止に伴いアジア市場でも流動性の高い日本株がヘッジ売りで下げるという需給的な背景があった。しかし、これは大勢トレンドの方向性を揺るがすような類の下げではない。ここからの下値模索はあっても日経平均株価で1万8000円近辺がメドとみている。

 新年相場はここから強さを発揮し、3月期末時点では日経平均は2万円大台に乗せている可能性が高いだろう。また、16年を通じては6月が年内の高値で2万3000円を想定する。

 中国の景気減速は疑うべくもないが、これは今に始まったことではなく株価には織り込みが進んでいる。企業のファンダメンタルズは日米ともに堅調であり、実態面からみれば風向きは順風だ。また、目先のボラティリティの高い相場に目が奪われがちではあるが、平均PERなどからみても日本株市場は決して割高に買われているわけではない。水準的な判断で、下押す場面は押し目買いの好機とする冷静な視点を持ちたい。

 外国為替の動向も目先は大きく円高に振れ、投資家の不安心理を誘うが、これについても中期的な観点から過度に不安視する必要はない。過去の米利上げ局面を振り返ると、利上げ前にドル高が進み、利上げ直後から積み上がったドル買いポジションの修正でドル安・円高に流れるというケースが多くみられる。しかし、これはあくまで一時的な需給要因による現象で、趨勢的には再び円安方向に押し戻される公算が大きい。ここから1ドル=125円くらいまでの円安余地は残されていると思っている。

 物色対象は、3月末までのタームで考えれば、為替が円安含みに推移するという前提を伴い内需株から再び外需株への物色資金のシフトが起こりそうだ。TPPは2月にかけ12ヵ国で調印の運びとなるが、国会承認はまだ先としてもスケジュール的にはこれを意識してテーマ性が再燃しそうだ。したがって、トヨタ <7203> をはじめとする自動車やデンソー <6902> などの自動車部品、村田製 <6981> を筆頭格とする電子部品、さらに機械ではダイキン <6367> や安川電 <6506> 、建設機械の竹内製作所 <6432> などに狙いを定めてみたい。

(聞き手・中村潤一)

<プロフィール>(まぶち・はるよし)
1981年東京大学理学部数学科卒、1988年米MIT修士課程終了。米国CFA(証券アナリスト)。マスコミ出演は多数。昨年10月2日に近著「ゼロからわかる 時事問題とマーケットの深い関係」(金融財政事情研究会)発売。日本経済新聞夕刊のコラム「十字路」の執筆陣のひとり。

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