フォーバル Research Memo(9):短期借入金増は事業好調によるインセンティブ支払いのため
■財務状況
フォーバル<8275>の2015年9月末における総資産残高は前期末に比べ863百万円減少し、18,488百万円となった。これは、固定資産が投資その他の資産の増加により同276百万円増加したものの、流動資産が受取手形及び売掛金の減少で同1,140百万円減少したことによる。
一方、負債合計は前期末比で190百万円減少し11,629百万円となった。予想以上のISP受注によるインセンティブ支払いのために短期借入金が増加(前期末比660百万円増)したものの、支払手形及び買掛金(同641百万円減)、未払金(同190百万円減)の減少により、流動負債が前期末比で204百万円減少したことが主要因。自己株式の取得や配当金の支払いで株主資本が同683百万円減少したことにより、純資産は6,859百万円と前期末に比べ672百万円減少した。
キャッシュ・フローの状況を見ると、2015年9月末の現金及び現金同等物の残高は4,583百万円となり、前期末比11百万円の減少となった。
営業キャッシュ・フローは338百万円の収入となった。仕入債務の減少(639百万円)、前払費用の増加(356百万円)、未払金の減少(235百万円)などが資金の減少要因として働いたものの、税金等調整前四半期純利益(986百万円)の計上、売上債権の減少(776百万円)による資金の増加がプラス要因として働いたためだ。一方、投資活動によるキャッシュ・フローは、主に投資有価証券の取得(183百万円)による支出により359百万円の支出となった。また、財務活動によるキャッシュ・フローは8百万円の収入となった。自己株式の取得(574百万円)と配当金の支払い(354百万円)による支出があったものの、短期借入金の増加(694百万円)と金銭信託の減少(573百万円)による資金増加でカバーした。
安全性を表す経営指標は短期借入金の増加と自己株式取得による株主資本の減少により前期末に比べ若干悪化したが、借入金増加はISP事業好調によるものであるため、問題視する必要はないと考える。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 森本 展正)
《HN》
提供:フィスコ