信用
証券取引所が指定する制度信用銘柄のうち、買建(信用買い)のみができる銘柄
株価20分ディレイ → リアルタイムに変更

6031 サイジニア

東証G
766円
前日比
+6
+0.79%
PTS
-円
業績
単位
100株
PER PBR 利回り 信用倍率
29.2 10.88 0.52
時価総額 98.3億円
比較される銘柄
マクビープラ, 
LTS, 
JTP
決算発表予定日

銘柄ニュース

戻る
 

サイジニア Research Memo(2):EC事業者にデジタルマーケティングサービスを提供


■会社概要

1. 会社概要
サイジニア<6031>は、ECサイト内検索やOMO※1などのCX改善サービスを事業領域に、ブランドやリテーラー※2といったEC事業者に対し、デジタルマーケティングサービスを提供している。AIやビッグデータに関する技術ノウハウと開発力、EC全般に対応可能な一気通貫したハイエンドサービスの提供などに強みがあり、顧客に有力な小売企業が多いことや、小売にとって喫緊の課題であるEC事業の拡大やOMOの強化に対する支援ができることを特長としている。ZETAの経営統合※3やクッキー規制を背景に中期経営計画を策定し、CX改善サービスによる成長に弾みをつける方針だ。また、サイト内リスティング広告などリテールメディア領域への拡大を目指すとともに、リテールメディア全域においてUGCなど新事業開発も検討していくとしている。

※1 OMO(Online Merges with Offline):オンライン(EC)とオフライン(実店舗)を融合しユーザー中心の顧客体験を実現する店頭接客DX(Digital Transformation)。
※2 ブランドやリテーラー:ブランドは自社商品(ブランド)を中心に扱っている小売、リテーラーは他社商品も扱う小売またはマーケットプレイスを指す。前者の例はメーカーのDtoC(メーカー直販)やアパレル、SPA型小売、後者は品揃え型(編集型)小売やECモールなど。
※3 2021年7月1日を効力発生日として、同社を株式交換完全親会社、ZETAを株式交換完全子会社とする株式交換を行った(連結は2022年6月期第2四半期から)。経営統合により、今後も高い成長が続くと見込まれる両社の事業領域で、経営資源と技術開発力の相互活用、顧客基盤の拡大、機動的な事業戦略を策定する経営体制の確立を進めることで、業績の向上を図る。



ネット広告サービスを売却し、CX改善サービスに経営資源を集中
2. 沿革
同社は2005年、北海道大学大学院情報科学研究科の准教授だった吉井伸一郎(よしいしんいちろう)氏によって創業した。2007年にビッグデータ解析技術を用いたレコメンデーションなどCX改善サービスを開始し、その後ネット広告の分野に進出した。2014年に東京証券取引所マザーズ市場に上場すると、提携などにより業容拡大のピッチを加速させ、2021年にはハイエンドなCX改善サービスを提供するZETAを株式交換により完全子会社化した※。これにより、吉井氏が代表取締役会長COO、ZETAを創業した山崎徳之(やまざきのりゆき)氏が取締役社長CEOとして共同で経営を行う体制を構築した。なおZETAは、ECサイト内検索や商品レビュー、OMOなどハイエンド向けCXソリューションに特長のある高収益・高成長企業である。現況は、競争が激しいネット広告サービスを事業売却し、高収益・高成長のCX改善サービスに経営資源を集中したところである。

※ZETAの株式交換契約の効力発生日は2022年7月1日だが、決算月のズレ(ZETAは5月決算)を考慮して企業結合日を8月31日とし、損益計算書には2022年5月期第2四半期から取り込んでいる。



リテールメディアが成長市場で拡大開始
3. 市場環境
同社が属する市場は国内のデジタルマーケティング関連ソフトウェア市場とインターネット広告市場で、いずれも同社の顧客が強化している国内EC市場との関連が深い。国内EC市場は、スマートフォンなどデジタルデバイスの普及を背景に成長を続けてきたが、新型コロナウイルス感染症拡大(以下、コロナ禍)のなかで特に物販系ECの成長スピードが加速した。コロナ禍収束後(以下、アフターコロナ)で物販系ECが踊り場を迎えるという見方もあるが、世界のEC市場と比較すると国内EC市場の伸びしろは依然大きいと考えられることから、国内経済の伸び悩みを横目に中長期的に成長が続くと予測されている。こうしたEC市場の拡大に伴い、デジタルマーケティング市場は、マーケティングツールの導入や周辺システムとの連携、データ統合などによりEC事業者によるハイエンドな需要が拡大しており、今後もさらなる市場拡大が予測されている。一方、クッキー規制を背景にリターゲティング広告が縮小していることから、企業がマーケティング予算をインターネット広告から自社ECサイトの強化などへシフトし始めた。このため、EC市場の拡大とともに成長を続けるはずであった国内インターネット広告市場の伸びが弱まり、ECサイトを広告メディアとして高付加価値化したリテールメディアが成長市場で拡大を開始したところである。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 宮田仁光)

《SI》

 提供:フィスコ

株探からのお知らせ

    日経平均