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7871 フクビ化学工業

東証S
938円
前日比
-20
-2.09%
PTS
956円
09:11 12/29
業績
単位
100株
PER PBR 利回り 信用倍率
11.9 0.50 2.88
時価総額 194億円

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フクビ化学工業:NEUTRAL継続【今村証券アナリストレポート】

担当 近藤 浩之

●フクビ化学工業 <7871> [東証S]
レーティング:NEUTRAL(2025/6/10)→ NEUTRAL

◆プラスチック製品の製造加工大手で建材事業が主力
◆断熱材・非住宅向け好調、汎用品は予想を超える減少
◆成長構想を策定

【タイトル】
出所:フクビ化学工業、ブルームバーグ、今村証券

◆プラスチック製品の製造加工大手で建材事業が主力

 異形押出成形(加熱した原料を加圧して金型に流し押し出すことによって成形する製造方法で、複雑な形状を成形する技術)を得意とし、「建材事業」が売上高全体の64%を占める。その他、主に住宅設備、車両分野でユーザーからの受注によるOEM製品・ODM製品等を開発・製造・販売する「CSE事業」、反射防止付樹脂シートを主とする機能性コーティング製品を手掛ける「精密事業」、海外市場向け建材の「グローバル事業」で構成される。

◆断熱材・非住宅向け好調、汎用品は予想を超える減少

 今期(2026年3月期)第2四半期累計期間の営業利益は前年同期比13%の増益だった(資料1、出所:決算短信・国土交通省)。期初の会社予想には2億円届かず、住宅着工の低迷を背景に、汎用品の売上高が前年同期比5.3%減と会社予想を超えて減少したことが響いた。一方で、重点事業領域(後述)に位置付ける分野の拡販が増益につながった。特に断熱材関連の売上高が同8.4%増と好調だった。業界最高クラス断熱性能を有する「フェノバボード」の販売好調が続き、政府による住宅の高断熱化、省エネ・省CO2化の推進が追い風となった。工場・倉庫向け商品の売上高も同7.0%増と伸びた。原価低減、価格改定、経費抑制に取り組んだ成果も出た。経常利益、純利益は同2割強の増益となり、主に為替差損益の改善が寄与した。

(資料1)業績の推移
【タイトル】
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(注)25.3期よりセグメントを変更。営業利益の棒グラフは調整額を除く。


 通期会社予想は据え置いた。従来から下期に需要が高まる傾向がある上、重点事業領域に経営資源を集中して業績向上を目指す。

◆成長構想を策定

 今年3月、2031年3月期までの成長構想を策定した(資料2、出所:リリース)。この構想を実現するため、まずは「フェノバボード」の第2生産拠点の建設を決めた。経済産業省公募の「中堅・中小企業賃上げに向けた省力化等の大規模成長投資補助金」を活用し、2028年3月期に稼働・竣工の予定だ。

(資料2)成長牽引分野の売上高見通し
【タイトル】

(注)セグメント間取引消去による調整額は考慮せず


<成長牽引分野の内容>
・新たな住まい、オフィス&ファクトリー
…高性能断熱建築物、リフォーム・リノベーション、
 非住宅建築物(オフィス・ 工場・文教施設など)、
 リサイクル、建築資材・OEM(海外)、
 レンズ・カバー・機器等(国内・海外)
・モビリティ…車載(内装・ディスプレイ)(国内・海外)
・インフラ…海底ケーブル、土木/まちづくり


 また、PFAS(フッ素化合物)を使用しないイルミネーション部材の量産体制の構築を進めている。環境規制強化の流れにいち早く対応し、自動車内装のアンビエントライト(間接照明)、インテリア照明などとしてグローバル展開を見込んでいる。

 併せて不採算部門を縮小していく。

◆投資判断はNEUTRAL継続

 今村証券による今期業績予想は、売上高405億円(前期比+1.3%)、営業利益18億円(同+16.1%)。会社予想からは営業利益が3億円強下回る予想であり、前回(6月)今村証券予想(売上高410億円、営業利益21億円)からも引き下げた。来期(2027年3月期)予想は、売上高415億円(今期今村証券予想比+2.5%)、営業利益20億円(同+11.1%)とする。

 株主還元の強化に期待したい(資料3、出所:リリース)。会社が公表している2028年3月期までのキャピタルアロケーションから前期まで2年間の実績を差し引くと、今期から3年間は配当金23億円強、自己株式取得7億円強を実施することになる。つまり、配当金は1株当たり毎年7円程度ずつ引き上げる必要があり、継続的な自己株式取得も想定できる。投資判断は「NEUTRAL」継続。

(資料3)キャピタルアロケーション(2024年3月期~2028年3月期)
【タイトル】

【レーティングの定義】
OUTPERFORM:今後12カ月間のトータルリターンがTOPIXの予想リターンを10%超上回ると予想される。
NEUTRAL:今後12カ月間のトータルリターンがTOPIXの予想リターンの+10%と-10%の間に入ると予想される。
UNDERPERFORM:今後12カ月間のトータルリターンがTOPIXの予想リターンを10%超下回ると予想される。
トータルリターン:株価変動率+配当利回り
目標株価は12カ月間の投資を想定しており、将来発行されるレポートで修正されることもあります。


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