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4222 児玉化学工業

東証S
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時価総額 25.1億円
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児玉化 Research Memo(3):2025年3月期は各利益が大幅増の見通し。新規取引の量産化で収益に厚み(1)


■児玉化学工業<4222>の業績動向

1. 2024年3月期の業績概要
2024年3月期の業績は、売上高が14,696百万円(前期比4.5%減)、営業利益が165百万円(同56.6%減)、経常利益が24百万円(同94.4%減)、親会社株主に帰属する当期純損失は243百万円(前期は189百万円の利益)と、減収減益となった。

前期まで顕著だった主要ユーザーである自動車メーカーの半導体不足による生産停滞は収まったものの、新規製品の立ち遅れが響いている。サプライチェーンが回復に向かい、ここからという時に浮上した自動車業界全般における認証不正問題は、量産によって本格化する新規製品の計画に後ずれを引き起こし、2024年3月期の収益伸び悩みにつながった。リビングスペース事業においても、巣ごもり需要が一巡したことで需要が停滞したところに、世界的な原油・原材料の価格高騰によるコスト負担増が追いかぶさり、収益の押し下げ要因となった。

利益面では、すべての事業で製造拠点の再構築や新規設備導入といった生産体制の見直し効果が顕在化した。ただし、既述したとおり、幅広い範囲で原材料高が懸念材料となっているほか、リビングスペース事業の需要低迷が響いており、大幅な減益となった。

セグメント別業績概要は以下のとおりである。

「モビリティ事業」は、売上高が9,617百万円(前期比2.8%増)、セグメント利益が304百万円(同4.8%減)となった。メイン車種のモデルチェンジ製品の量産開始などにより国内で乗用車向け売上げは増加したものの、タイ子会社Echo Autoparts (Thailand)を経由した東南アジア向け売上げは、市況回復が遅れ横ばいで推移した。

「リビングスペース事業」は、売上高が4,536百万円(同12.6%減)、セグメント利益が372百万円(同35.5%減)となった。国内住宅設備部門では一時は巣ごもり需要で好調だったが、一巡して住宅リフォーム市場が冷え込んだ。一方、海外冷機部品事業ではタイのThai Kodamaが、現地の需要低迷により苦戦した。ベトナムのThai Kodama (Vietnam)においては、業務冷蔵庫用部品が低調で、東南アジアでは現地通貨高による収益押し上げ効果が乏しかった。

「アドバンスド&エッセンシャル事業」は、売上高が541百万円(同35.6%減)、セグメント利益が79百万円(同46.6%減)となった。ゲームソフト用パッケージが巣ごもり需要の縮小を受け、大幅な減収減益となった。

2. 2025年3月期の業績見通し
2025年3月期は、売上高が15,400百万円(前期比4.8%増)、営業利益が460百万円(同178.1%増)、経常利益が320百万円(同1,216.3%増)、親会社株主に帰属する当期純利益が200百万円(前期は243百万円の損失)を見込んでいる。

顧客の収益計画に沿う形で見通しを立てているが、モビリティ事業における自動車関連では、サプライチェーンが回復に向かうとともに、業界を揺るがした品質問題によって遅れていた新規取引案件の量産効果が現れてくると見られ、収益の押し上げ効果が期待できる。リビングスペース事業は住宅需要の低迷が続いているため苦戦が想定されるが、モビリティ事業がけん引することになろう。さらに、低迷していたアドバンスド&エッセンシャル事業も徐々に回復の動きが出てくると同社は見ている。

特に注目すべき点は、国内モビリティ事業における新規取引だ。同社は、新型レクサスGX及び、ランドクルーザー250のドアトリム、そのアッセイ部品、大型部品であるデッキサイドトリムなどを中心に、生産量で従来比の1.8倍となる樹脂内装製品を受注し、年初より量産を開始した。

この製品の2024年3月期の売上高は約200百万円だったが、2025年3月期は約2,700百万円に拡大する見通し。当該取引に係るコストは約1,200百万円と試算されており、順調に生産・納入が進めば、今期の急速な利益回復に大きく貢献することになる。

さらに、後述する事業再生計画が完了したことで、ビジネス上での与信枠が拡大した。これにより、ビジネスを進めやすくなるというメリットを生じ、収益アップの1つの要因となると弊社では見ている。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 水野文也)

《HN》

 提供:フィスコ

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