貸借
証券取引所が指定する制度信用銘柄のうち、買建(信用買い)と売建(信用売り)の両方ができる銘柄
株価15分ディレイ → リアルタイムに変更

5033 ヌーラボ

東証G
781円
前日比
+3
+0.39%
PTS
776.9円
11:23 11/22
業績
単位
100株
PER PBR 利回り 信用倍率
17.6 3.15 10.96
時価総額 50.6億円
比較される銘柄
プレイド, 
BBDイニシ, 
フュージック

銘柄ニュース

戻る
 

明日の株式相場に向けて=米利下げ契機にグロース市場は新章突入へ

 きょう(29日)の東京株式市場は、日経平均株価が前営業日比9円安の3万8362円と3日ぶり小反落。固唾をのんだ米エヌビディア<NVDA>の決算は文句なしの内容といってもよかった。5~7月期決算は売上高が2.2倍で最終利益は2.7倍と事前予想を上回ったほか、データセンター向け売上高についても2.5倍と目を見張る伸びを達成。更に市場の関心が高かった8~10月期の売上高見通しもコンセンサスを上回った。加えて新たに500億ドルの自社株買い枠を設定することも発表。手の内にあるエースを4枚立て続けに切ったような決算発表だった。しかし、株価の方は時間外で急落。今回は「過剰な期待」という魔物にさすがのエヌビディアも絡め取られた格好である。だが、その割には東京市場の強さが光った。きょうは先物主導の裁定買いで大型株が強さをみせる一方、中小型株は冴えを欠いたが、ビッグイベント通過で目を向けてみたいのはグロース市場だ。

 米国のFRBの金融政策の影響は東京市場の小型グロース株に大きな影響を及ぼす。コロナ禍での世界的な金融緩和によるインフレに対応して、FRBが利上げに踏み切ったのが2022年3月。旧マザーズ指数であるグロース250指数をみると、この直前から急落をはじめ約2年半にわたる低迷を余儀なくされた。「歴史的にみても米国の金融政策と日本のグロース市場(旧マザーズ)の株価相関性は高い」(ネット証券アナリスト)という。

 そして2年半の歳月が流れ、今度は再び金融緩和路線にFRBの政策が切り替わる。9月FOMCでは0.25%の利下げが確実視されており、場合によっては利下げ幅が0.5%に及ぶ可能性もある。米利下げは今後も段階的に進むわけで、暗く長いトンネルを走り続けたグロース市場の銘柄群にもようやく光明が見え始めてきた、というのが今の状況だ。

 グロース市場は正直、玉石混交である。バイオ関連などは需給先行で値動きは早いが、大幅赤字が続いているような銘柄は、どこでハシゴを外されるか怖い要素もある。株価が崩れた時に、ファンダメンタルズ面から支えがないため下値メドがつきにくい。元来、株は夢を買うものだが、やはり業績の良い銘柄を選別対象とするのは基本で、その方が勝率は高い。成長力を語るには土台があってこそ。もちろん例外はあるが、成長シナリオがいかに魅力的でも、足場がぐらついた状態(赤字や大幅減益)では株価の上昇も続かないのが道理だ。

 日経平均が3万9000円台手前で戻り売りをこなしている間は、グロース市場に視点を移したい。8月初旬の暴落で荒れ地となったマーケットから「玉」を拾い上げる動きが続きそうだ。その候補としては、まず、ナレルグループ<9163>。建設業界向け人材派遣事業を主力に、ITエンジニア派遣やシステムエンジニアリングサービスを手掛け、建設DXの担い手として存在感を示す。24年10月期予想を含め売上高・営業利益ともに3期連続の2ケタ成長で過去最高更新が続く見通し。

 また、コンベヤー用ローラーなどの部品製造を手掛けるJRC<6224>。発電用の大型案件を海外で受注するなどグローバルで実力を発揮、ロボットシステムインテグレーター分野も深耕しており、成長性は高い。業績は成長路線をまい進中で、25年2月期は営業25%増益を見込む。更にヌーラボ<5033>の800円台半ばでのもみ合い局面も買い場と見ておきたい。同社はクラウドサービスで、プロジェクト管理ツール「Backlog」を主力展開、生成AIを利用した高付加価値化にも余念がなく、料金引き上げの後も新規顧客獲得が進んでいる。営業利益は前期に3.3倍化を果たし、今期は前期比22%増の4億600万円とピーク利益更新が続く見通しだ。このほか、グロース市場銘柄ではないが、同じテイストの小型成長株でクロス・マーケティンググループ<3675>の押し目買いも一考。ネット調査から付加価値の高いデジタルマーケティングに重心を移しており、25年6月期は営業6割増益予想。8月7日に年初来安値をつけたが、同日に大陽線で底入れを明示した。その後は急速な戻りで連騰疲れも垣間見えるが、7倍台のPERは割安感が強い。

 あすのスケジュールでは、8月の都区部消費者物価指数(CPI)、7月の鉱工業生産指数、7月の有効求人倍率、7月の失業率、7月の商業動態統計、7月の自動車輸出実績、7月の住宅着工統計など。海外ではインドの4~6月期国内総生産(GDP)、7月の豪小売売上高、8月のユーロ圏消費者物価指数(HICP)、7月のユーロ圏失業率のほか、7月の米個人所得・個人消費支出、PCEデフレーターにマーケットの関心が高い。(銀)

出所:MINKABU PRESS

最終更新日:2024年08月29日 17時10分

株探からのお知らせ

    日経平均