ジェイ・エス・ビー Research Memo(6):対面・非対面双方を活用した営業戦略の推進等により、増収増益を継続
■今後の見通し
● 2024年10月期の業績見通し
ジェイ・エス・ビー<3480>では、2024年10月期の経営環境について、近年の出生数減少に伴う少子化進行の一方で、学生数は継続して過去最高を記録するなど、足元の市場環境は比較的良好な状態で推移していると考えている。国内経済については、2023年5月の新型コロナウイルス感染症の5類感染症への分類移行を受け、緩やかながら経済環境の正常化が見られる反面、急速な物価上昇に対する金融引き締めの影響、為替相場の急変動、中東情勢の緊迫化などから、景気の先行きに不透明感が見られる。そのため、今後の景況判断についても、引き続き慎重に見極める必要があると考えている。こうした環境のなか、原材料価格の高騰に伴う建設コスト増加の新規物件開発への影響のほか、食材仕入価格の高騰、エネルギー価格高騰によるインフラ面での費用増加による、食事付きマンション運営に係る収益圧迫の懸念等、様々なリスクが顕在化しつつあると考えており、これらのリスク要因を念頭に置いて国内外の市況を慎重に見極めつつ、グループの持続的な成長を目指している。
2024年10月期の連結業績見通しについては、期初の業績予想を維持し、売上高68,652百万円(前期比7.6%増)、営業利益7,549百万円(同5.0%増)、経常利益7,380百万円(同4.3%増)、親会社株主に帰属する当期純利益7,058百万円(同47.8%増)と、引き続き増収増益を計画する。売上高では、対面・非対面双方を活用した営業戦略の推進により、物件管理戸数約9,000戸増と高水準の入居率維持を見込み、グランユニライフケアサービスの株式譲渡に伴う減収をカバーする想定だ。物件管理戸数の大幅増加には、2023年11月に子会社化した学生ハウジングが保有する約3,500戸を含んでいる。また、入居関連費用の体系見直し(入居関連費用を入居時一括支払いではなく月払いとの選択制に変更)の影響は、通期では解消の見込みである。また、利益面では、物件管理戸数増に伴う支払家賃等関連費用の増加や食材仕入価格高騰の影響など、一定のコスト高を想定している。また、グランユニライフケアサービスの株式譲渡に伴う特別利益約29億円の計上により、親会社株主に帰属する当期純利益は大幅増益となる見込みである。一方、株式譲渡に伴い締結した学研ホールディングス<9470>との業務提携も、長期的には収益貢献すると見られる。例年、同社の期初の業績予想は保守的であることから、予想を超過達成する公算が大きいと弊社では見ている。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 国重 希)
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提供:フィスコ