ネットイヤー Research Memo(4):2024年3月期はNTTグループ向けの減少が響いて減収減益に
■業績動向
1. 2024年3月期の業績概要
ネットイヤーグループ<3622>の2024年3月期の業績は、売上高で前期比7.4%減の3,630百万円、営業利益で同48.5%減の144百万円、経常利益で同48.6%減の144百万円、当期純利益で同47.0%減の106百万円と減収減益決算となった。期初計画では増収増益を目指していたが、既存顧客において顧客都合によるプロジェクトの終了や縮小が重なったほか、顧客ニーズに応えられる人材ケイパビリティの制約等により新規受注が伸び悩み、NTTグループからの受注減少も下振れ要因となった。
業種別売上動向を見ると、NTTデータを中心としたNTTグループ向けが大型プロジェクトの終了等が影響して、前期比23.5%減の1,318百万円と大きく減少した。また、小売・飲食業向けもスターバックス向けが同12.0%減の447百万円と落ち込み、全体で同4.3%減の1,131百万円と伸び悩んだ。小売・飲食業界では2023年5月に新型コロナウイルスの感染症法上の分類が2類相当から季節性インフルエンザと同等の5類に引き下げられたことを契機に実店舗への来客数が回復したため、顧客企業の投資予算が店舗投資に振り向けられたことが影響したと見られる。サービス業界向けについては同0.6%減の645百万円となり、その他業界向けは同46.9%増の536百万円となった。その他業界向けの増加については、NTTグループ向けの受注減少をカバーするために、営業活動を強化したことが要因と見られる。
売上原価率は前期の77.3%から77.5%に上昇した。受注減に伴い人的リソースの稼働率が低下したことで、労務費率が28.9%から30.7%に上昇したが、外注費率が41.7%から40.2%に低下したほか、本社フロアの削減に伴い賃借料が2.7%から1.8%に低下した。この結果、売上総利益は前期比73百万円減少した。また、新サービスの開発や人材採用・育成などの先行投資費用等が約71百万円増加したことにより、販売費は同62百万円増加した。人材採用については新卒8名を含めて40名程度と予定どおり採用できたほか離職率も前期の12%から8%に改善したことで、期末従業員数は11名増の189名となった。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
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提供:フィスコ