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5589 オートサーバー

東証S
1,806円
前日比
-4
-0.22%
PTS
-円
業績
単位
100株
PER PBR 利回り 信用倍率
8.7 1.11 3.49 231
時価総額 129億円
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オートサーバー Research Memo(8):2023年12月期は会社予想を上回る増収増益で着地


■業績動向

1. 2023年12月期業績の概要
オートサーバー<5589>の2023年12月期の業績は売上高が前期比9.0%増の5,846百万円、営業利益が同6.6%増の2,110百万円、経常利益が同5.9%増の2,084百万円、当期純利益が同7.8%増の1,301百万円だった。なお同社は2016年に実施したMBO時に計上したのれんを20年間の定額法により償却(年間236百万円)しており、のれん償却額の影響を除いた調整後経常利益(経常利益+のれん償却額)は同5.2%増の2,320百万円、調整後当期純利益(当期純利益+のれん償却額)は同6.5%増の1,538百万円だった。会社予想(2023年11月10日付で上方修正、売上高5,721百万円、営業利益2,047百万円、経常利益2,022百万円、当期純利益1,280百万円、調整後経常利益2,259百万円、調整後当期純利益1,516百万円)を上回る増収増益で着地した。

売上面は中古車流通台数の回復に加え、マーケティング強化などの施策も奏功して取引台数が順調に増加したほか、「オークション代行」の手数料改定(オークション会場の落札手数料引き上げに対応)も寄与した。コスト面では人件費、システム費、営業費などが増加したが、増収効果で吸収した。売上総利益は前期比6.6%増加したが、売上総利益率は71.4%で同1.6ポイント低下した。販管費は同6.7%増加したが、販管費比率は35.3%で同0.8ポイント低下した。この結果、営業利益率は36.1%で同0.8ポイント低下、経常利益率は35.7%で同1.0ポイント低下したが、引き続き極めて高い水準を維持している。なお営業外費用では株式交付費15百万円を計上した。


取引台数、会員数は順調に増加
2. 取引台数、会員数などの動向
サービス別売上高は「オークション代行」が前期比20.2%増の2,997百万円、「ASワンプラ」が同1.9%減の2,467百万円、その他が同6.8%増の376百万円だった。「ASNET」全体の取引台数は同4.8%増の228,173台で、内訳は「オークション代行」が同9.1%増の143,774台、「ASワンプラ」が同1.8%減の84,399台だった。「ASNET」全体では2021年の228,360台に次ぐ過去2番目に多い台数となった。また「ASNET」全体の伸び率は、中古車流通台数の前年比2.1%増を上回り、市場を上回る成長が続いている。中古車流通市場における「ASNET」の関与率は通期ベースで過去最高の3.55%(同0.1ポイント上昇)となった。「オークション代行」は中古車流通台数の回復に伴い順調に増加した。「ASワンプラ」は、前期から続いた中古車供給不足や物価高騰に伴う小売の落ち込みなどの影響で第2四半期まで低調だったため、通期ベースでも減少となったが、2023年9月以降は回復基調(2023年9月が前年同月比0.7%増、10月が同12.1%増、11月が同27.1%増、12月が同34.0%増)となっている。

2023年12月末時点の「ASNET」会員数は前期末比2,610会員増加して77,361会員となった。新規入会件数は3,672件だった。稼働会員数(当該年に「ASNET」で1台以上の車両売買を行った会員数)は同759会員増加して29,073会員となった。なお取引1台当たり売上単価については、「ASワンプラ」はおおむね29,000円台で推移したが、「オークション代行」は手数料改定により、第1四半期の19,675円から第4四半期には21,478円まで上昇した。また、期末時点の「ASNET」の接続オークション会場数は前期末から4会場増加して145会場、「ASNET」へ掲載した年間取扱情報台数は前期から約175万台増加して約1,179万台、情報カバー率は前期末比1ポイント上昇して96%となった。


財務の健全性は良好
3. 財務の状況
財務面では、2023年12月期末の資産合計は前期末比2,426百万円増加して16,738百万円となった。売上増加に伴い現金及び預金が2,380百万円増加、未収入金が226百万円増加した。負債合計は同376百万円増加して5,946百万円となった。未払金が427百万円増加した。有利子負債残高(短期借入金)は300百万円減少して2,900百万円となった。純資産合計は同2,049百万円増加して10,791百万円となった。東証スタンダード市場及び名証メイン市場への上場に伴う新株発行により資本金と資本剰余金がそれぞれ550百万円増加、当期純利益の計上などにより利益剰余金が949百万円増加した。この結果、自己資本比率は同3.4ポイント上昇して64.5%となった。

なお、現金及び預金の期末残高は11,965百万円でやや大きな数値となっているが、これは「ASNET」会員が車両を落札した場合に、「オークション代行」ではオークション会場へ支払う車両代金など、「ASワンプラ」では出品者へ支払う車両代金などを同社が立て替えて、落札者からの支払決済(期限は取引後3日~7日間)が完了した後に当該車両の登録に必要な書類を落札者に引き渡す方法を取っており、その間の立替金に充当する運転資金として現金及び預金を確保しているためである。また短期借入金についても車両代金などの立替金に充当しており、特に懸念材料とはならない。財務の健全性は良好と弊社では評価している。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 水田雅展)

《SO》

 提供:フィスコ

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