ティアンドエス Research Memo(4):市場規模は12兆円以上、DXを追い風に今後も拡大の予想
■市場環境
1. 市場概要
経済産業省の「特定サービス産業動態統計調査」によると、2022年(暦年)の情報サービス業は前年比4.6%増の15,998,202百万円だった。そのなかでも、ティアンドエス<4055>の事業活動の対象となる受注ソフトウェア(前年比4.1%増の9,463,901百万円)、システム等管理運営受託(同7.0%増の2,077,620百万円)、その他(同5.5%増の917,713百万円)は合計すると約12.5兆円となり、非常に大きな市場であると言える。
また、2011年からの同業界の売上規模は、右肩上がりに成長してきている。2022年は前年の急成長の反動もあり、成長率が4.6%にとどまったものの、依然として巨大な市場であることに変わりはない。コロナ禍を経て加速した非接触への移行や企業のDXなどの潮流を考えると今後も売上規模は拡大する可能性が高いと弊社は考えている。
2. 競争環境
システムの受託開発を行っているSIerは大企業から中小企業まで非常に多くの企業がある。同社が属する中規模SIerにおいては、それぞれの企業が得意としている領域があり、企業間同士の競争はそこまで激しくないと言える。半導体ソリューションカテゴリーにおいては、同業のクエスト<2332>も同社の顧客であるキオクシアグループ向けに事業を行っているものの、両社の間でしっかりと担当領域の棲み分けがされている。
また、スイッチングコストの高さもこの業界の特徴だ。同社が手掛けるシステムは、顧客のニーズに特化したオンプレミス型のシステムであることが多く、顧客としては使い慣れたシステムから他社のシステムに切り替える誘因が働きにくい。さらに、大手企業と長年の取引関係がある同社であれば、なおさらスイッチングコストを高くすることができていると弊社は考えている。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 清水陽一郎)
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提供:フィスコ