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7823 アートネイチャー

東証S
810円
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業績
単位
100株
PER PBR 利回り 信用倍率
17.5 0.99 3.46 0.86
時価総額 279億円
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アートネイチャ Research Memo(3):毛髪に関わる様々な商品・サービスを提供


■事業概要

1. サービス内容
アートネイチャー<7823>は「髪を増やしたい」人に、オーダーメイドウィッグや既製品ウィッグ、増毛商品、医薬品などを提供している。ほかに「髪を育てたい」人には育毛ケア・サービス、「髪を整えたい」人にはアフターサービス、「美しく健康でありたい」人にはヘアケア商品や健康食品など、髪に関する課題を抱えている人からおしゃれを楽しみたい人まで、一人ひとりの様々なニーズに対応した商品・サービスを提供している。主要な顧客層は男性が40代~60代、女性が60代~80代で、事業展開の方向性としては、国内では、主要事業を安定的に伸ばすとともに、第2の柱となる事業を育成するため新領域への進出を図っている。海外では、フィリピンを製造拠点とするほか、東南アジアなどでブランド認知拡大に向けた取り組みを進めている。

(1) オーダーメイドウィッグ
創業以来、同社商品ラインナップの中心となっているのが「アートネイチャー」「レディースアートネイチャー」ブランドのハイエンドなオーダーメイドウィッグである。顧客一人ひとりの要望、毛髪の状態に合わせ、最適な製品をハンドメイドで製造している。製造にあたっては、スタッフが顧客の要望をしっかり把握したうえで頭部の形状を計測するが、快適なつけ心地を実現するには、頭部にフィットするベースネットの型取りが最も重要な作業となる。このため同社は2006年に業界初の「3D型取りシステム」を導入し、素早く高精度な測定が可能となった。これにスタイルやカラーなどの様々なオーダーを加えたデータをフィリピンの自社工場に送信、工場では送られてきたデータをもとにベースネットを作成し、熟練した職人が1本1本丁寧にすべて手作業で植毛し、髪色から毛流れまで自然なウィッグに仕上げている。顧客の手に届くまでに手間と時間を必要とするため、価格※は50万円~60万円と比較的高額だが、自身の髪のような自然な仕上がりと抜群のフィット感を実感できるのは、ハイエンドのオーダーメイドウィッグならではの特長といえる。なお、使用期間は個人の状況によって異なるが、おおむね2年間となっている。

※価格に関しては一人ひとりの状況によって異なる。


(2) 既製品ウィッグ
オーダーメイドウィッグで培った高い商品開発力を生かし、気軽にヘアスタイルを楽しみたい顧客に対し、男性向けに「MJO(エムジェイオー)」、女性向けにハイエンドの「ジュリア・オージェ」及びスタンダードの「NAO-ART(ナオアート)」、医療用には「ANCS(アンクス)」というブランドで既製品ウィッグも提供している。「MJO」では、10万円~30万円台後半の手ごろな価格で良質な既製品ウィッグを提供している。首都圏のターミナル駅近くに5店舗を展開し、髪色や大きさの異なる既製品ウィッグを豊富に取り揃えているだけでなく、サイズや毛量などパターン化されたパーツを組み合わせたセレクトオーダーウィッグも取り扱っている。「ジュリア・オージェ」では、高品質でオリジナルスタイルの既製品ウィッグを10万円台からという購入しやすい価格で提供しており、全国の百貨店やショッピングモールを中心に店舗展開をしている。「NAO-ART」は「ジュリア・オージェ」より手ごろな価格帯の既製品ウィッグを扱っており、首都圏をはじめ主要都市にある総合スーパーを中心に出店している。「ANCS」では、素肌に優しい素材を採用し、毛量やサイズ調整も可能な医療用ウィッグを、全国の店舗やジュリア・オージェ店舗、病院内のヘアサロン「アンクス」などで販売している。

(3) 増毛商品
増毛商品は「アートネイチャー」で「MRP(マープ)」ブランド、「レディースアートネイチャー」では「Beauty Up(ビューティアップ)」ブランドとして展開している。専門技術を習得している同社のスタイリストが、自毛の根元に数本の人工毛を結び付けるという方法で増毛を行う。数本単位で増やせるため、求める部分に少しずつ増やすことで、好みのボリュームに調整しながら違和感なく髪の毛を増やすことができる。また、汗や雨に濡れても形状が安定しているため、自毛のようにシャンプーをしたり手ぐしで整えたりすることもでき、自然な仕上がりと高い自由度が特長となっている。増毛する部位、一度に結び付ける本数や結び目、人工毛の太さ、髪色など、細部にこだわった豊富なラインナップによって顧客の要望に幅広く応えている。

(4) 医薬品販売(発毛剤)/ 医療機関サポート
同社は、総合毛髪企業として多様化するニーズに対応するため、医薬品販売や医療機関サポートの分野にも進出している。医薬品では、毛包に直接作用して細胞の増殖やタンパク質の合成を促進することで発毛及び毛髪の成長を促す、発毛有効成分「ミノキシジル」を配合した発毛剤(第1類医薬品)を2019年に発売した。現在、男性用発毛剤「LABOMO ヘアグロウ ミノキシ5」と女性用発毛剤「LABOMO ヘアグロウ ハナミノキ」を「LABOMO」ブランドで、主に自社通販サイトで販売している。また、医療機関に対する医薬品販売や業務受託を目的に(株)アートメディカルサービスを設立、同社が持つ毛髪への知見を生かし、医療行為以外の商品・サービスを提供している。

(5) 育毛ケア・サービス
同社は、頭皮や毛髪のケアを継続的に行うことでヘアサイクルの正常化を促し、豊かな髪を育む環境を保つ育毛ケア・サービスを「LABOMO」ブランドで展開している。生活習慣に起因する頭皮のダメージやヘアサイクルの乱れなどが抜け毛や細毛の原因となると言われているが、そのような原因を発見し抑制することで、再び豊かな髪を育む環境を取り戻すことを目的としている。店舗では、毛髪のプロである同社のスタッフが、専用機器を使って頭皮と髪の状態をチェックし、経験とデータに基づいた最善のアドバイスと最適なヘアケアを提案している。

(6) アフターサービス
同社ウィッグのメンテナンスをはじめ、充実したアフターサービスも提供している。店舗では、顧客一人ひとりに理・美容師の資格を有する担当スタイリストがつき、自毛カットや毛染めなどの施術を行っている。様々な事情で来店できない顧客には、オーダーメイドウィッグを送ればメンテナンスして返送するというサービスもある。製品を購入した顧客向けに不定期でイベントを開催しており、ウィッグの使い方やメンテナンス方法ばかりでなく、洋服とのカラーコーディネートといったファッションアイテムとしてのウィッグに関するアドバイスなども行っている。このようなアフターサービスの場で、コミュニケーションを通じて顧客と良好な関係を構築することは、リピート率を引き上げる有効な手段となっている。

(7) ヘアケア商品/健康食品
同社は、こだわりの自社製品を気軽に購入してもらうため、自社通販サイトや他社ECモール、メディアを生かした販売を行っている。自社通販サイト「アートネイチャー・オンラインショップ」では、発毛剤からシャンプー・コンディショナー、理美容家電などを販売、「楽天市場」や「Amazon」といった他社ECモールでも同様の商品を扱っている。テレビショッピング専門チャンネルでは、自宅で本格ヘッドスパが簡単にできる「LHスカルプヘッドスパ プラス」や、白髪染めとトリートメントを同時に行える「LABOMOヘアカラートリートメント」などを、同社製品の使い方や効果をわかりやすく実演しながら販売している。このほかカタログ総合通販各社で様々な商品を扱い、全国の店頭でもこだわりのヘアケア商品を販売している。今後もヘアケア商品や健康食品の販売増加に向けて、販路を広げる方針である。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 宮田仁光)

《SO》

 提供:フィスコ

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