GMOアドパートナーズ---23年12月期減収、次期は既存事業の収益改善に加えて自社商材の開発・販売に注力
GMOアドパートナーズ<4784>は5日、2023年12月期連結決算を発表した。売上高が前期比10.4%減の149.03億円、営業損失が0.25億円(前期は7.10億円の利益)、経常利益が同75.9%減の1.80億円、親会社株主に帰属する当期純利益が同89.8%減の0.40億円となった。
当年度においては、対面経済の本格的な復調により経済環境全体の見通しが強気へ振れる一方、一部業種におけるコロナ禍で生じたいわゆる「巣ごもり」需要の急減もみられ、同社顧客も一部業種で広告需要の縮小が想定を超えて顕著になり、取扱高が前年同期比で減少することとなった。加えて、第1四半期に発生したSMB向けの広告配信費用等や、前年の人財投資による人員増などの費用増加要因が重なったことから、各段階利益においても前年を下回り、営業損失を計上することとなった。同社では、生成AIを始めとした様々な技術・手法による業務効率化を図り、また厳格な費用抑制を実施したものの、トップラインの減少を補うには至らなかった。
エージェンシー事業の売上高は前年同期比4.6%減の99.24億円、営業利益は同55.0%減の4.77億円となった。当年度においては、上半期までは前年同期の取扱高を上回る推移であり、一時費用などにより利益計画に遅れがあったものの、下半期で挽回可能な見通しであったが、コロナ禍で生じたいわゆる「巣ごもり」需要の急減と、対面経済の復調による顧客の広告需要の変化に対し、社内の営業体制等の更新が遅れ、前年同期比で減収減益となった。
メディア・アドテク事業の売上高は同20.3%減の50.44億円、営業利益は同35.0%減の3.06億円となった。当年度においては、自社アドテク商材の広告単価の下落・媒体仕入枠の獲得競争による収益の伸び悩みなどの影響が継続しており、売上高・営業利益ともに前年同期比で減少することとなった。
2024年12月期通期の連結業績予想については、売上高は前期比0.6%増の150.00億円、営業利益は4.00億円、経常利益は同121.9%増の4.00億円、親会社株主に帰属する当期純利益は同445.3%増の2.20億円を見込んでいる。既存事業を中心とした収益改善を進めるとともに、同社内のみならず、GMOインターネットグループ全体での連携を強化し、自社商材の開発・販売に注力し、成長と収益力の最大化を目指すとしている。
同日、2023年12月期の期末配当予想について、直近の配当予想より1.10円減配の1株当たり1.30円とすることを発表した。
《SO》
提供:フィスコ