SI Research Memo(11):配当は業績連動型で配当性向30%を基準、株主優待でコシヒカリを贈呈
■株主還元策とSDGsへの取り組み
1. 株主還元策
システムインテグレータ<3826>は企業価値の向上を図るため、株主還元にも積極的に取り組んでいる。配当方針は業績連動型で配当性向30%を基準としており、2024年2月期は前期比2.0円増配の10.0円(同32.5%)とする予定だ。自己株式の取得についても適宜実施しており、直近では2022年4~5月に10万株を47百万円で取得した。
そのほか、株式を中長期的に保有する安定株主づくりを目的として、株主優待制度も導入している。対象条件は毎年2月末及び8月末の株主名簿に同一株主番号で記載があり、200株以上を保有する株主となる。優待品は減農薬・減化学肥料で栽培された新潟産の新米コシヒカリで、200株以上1,000株未満で1kg、1,000株以上4,000株未満で2kg、4,000株以上16,000株未満で5kg、16,000株以上で10kgを毎年秋の収穫後に発送している。
SDGsに積極的に取り組む企業として評価
2. SDGsへの取り組み
同社はSDGsへの取り組みも積極的に推進している。環境面での取り組みとしては、社内で購入する備品、消耗品についてグリーン購入法適合製品への切り替えを進めているほか、データ化の推進による紙の消費量削減に取り組んでいる。また、2023年8月には埼玉県が発行するサステナビリティボンド(埼玉ESG債)を購入した。
社会面での取り組みとしては、2021年9月より本社を置く埼玉県内の子ども食堂のホームページを無料で作成する活動を開始し、2023年11月末時点で合計19サイトのホームページを作成・支援している。また、社員の働く環境の改善に向けては、女性が働きやすい制度の構築や障がい者雇用及び外国人雇用など、ダイバーシティの推進に積極的に取り組んでいる。具体的には、育児・介護を行う社員を対象とした在宅勤務制度を2007年より導入しているほか、フレックスタイム制やフルリモートワークが可能な遠隔地勤務制度(2023年6月時点で4名が利用)を導入している。また、女性社員の2023年2月期における育児休業取得率、育休復帰率はともに100%となっており、男性社員についても育児休業取得や育児在宅勤務などを推奨している(男性社員の育児休業取得は2023年2月期実績で11名中7名)。
これらの取り組みが評価され、埼玉県より2012年に「多様な働き方実践企業」のゴールド認定を取得したほか、2021年には「埼玉県SDGsパートナー」及び「さいたま市SDGs認証企業」に登録された。また、厚生労働省からは、2017年に「仕事と介護を両立する企業(トモニン)」、2019年に「子育てサポート企業(プラチナくるみん)」の認定を取得し、2017年にはテレワークの取り組みに積極的な企業として、総務省の「テレワーク先駆者百選」にも選定されている。同社のこうした取り組みは学生等からも評価されているようで、人手不足が深刻化するIT業界のなかでは比較的順調に優秀な人材の採用ができており、社員の定着率も90%と業界平均を上回っている。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
《SI》
提供:フィスコ