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7359 東京通信グループ

東証G
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東京通信G Research Memo(3):既存事業のゲームアプリと電話占いが業績をけん引


■東京通信グループ<7359>の業績動向

1. 2023年12月期第3四半期の業績概要
2023年12月期第3四半期の連結業績は、売上高4,665百万円(前年同期比26.2%増)、営業損失48百万円(前年同期は33百万円の損失)、経常損失84百万円(同2百万円の損失)、親会社株主に帰属する四半期純損失145百万円(同108百万円の損失)、EBITDAが196百万円(同23.5%減)となった。主力であるゲームアプリや電話占いが好調だったことを受けてメディア事業とプラットフォーム事業がそろって2ケタ増収と急伸したことが連結ベースの売上高を押し上げた。利益面に関してもメディア事業とプラットフォーム事業がそろって2ケタ増益と好調を維持したものの、「B4ND」をはじめとする各種新規事業への投資を継続して実施したことなどを受け、連結ベースの営業利益は損失となった。ただ、四半期ベースで見ると第2四半期、第3四半期と営業損失の幅が縮小してきた。既存事業から生み出された利益が先行投資のコストを一部相殺している構図であり、既存事業が好調なことがうかがえる。また、新規事業に関しては「B4ND」の正式リリースと合わせてエンタメテック事業を開始したほか、電話占いの派生サービスである「恋愛相談METHOD」を新たにリリースするなど、事業ポートフォリオの拡大も確実に進捗を見せた。

2. 事業セグメント別動向
(1) メディア事業
メディア事業は、売上高3,093百万円(前年同期比30.6%増)、セグメント利益は292百万円(同25.8%増)となった。世界に配信しているハイパーカジュアルゲームアプリでは、複数のヒットタイトルの運用に加えて、2023年3月より運用開始した「Hoarding and Cleaning」が引き続き収益に貢献したほか、カジュアルゲームアプリの「ハッピーベイビー」の運用が国内外で好調だった。また、同社が注力しているインセンティブゲームが好調に推移したことも業績の拡大に寄与した。こうしたなか、同社の重要指標(KPI)である運用本数(月平均)※は376本と好調に推移し、第3四半期の時点で既に2023年12月期計画である365本を上回った。また、同セグメントの業績を第3四半期単体で見ると、セグメント利益は前年同期比74.0%増と急伸し、売上高の伸び(44.6%増)を上回った。これは、第1四半期、第2四半期で先行して実施した広告投資が回収フェーズに入っていることが要因であり、足元で同事業の収益性は高まっている状況である。

※広告出稿による運用を伴う国内及び海外のスマートフォン向けアプリの1ヶ月当たりの平均本数。


(2) プラットフォーム事業
プラットフォーム事業は、売上高1,565百万円(前年同期比19.8%増)、セグメント利益は141百万円(同24.3%増)、EBITDAは372百万円(同9.4%増)と好調を維持した。主力事業である電話占いサービスが引き続き好調に推移した。既存事業である「カリス」が堅調に推移したことに加えて、2023年4月にサイバーエージェントより事業譲受した「SATORI電話占い」が同事業のトップライン拡大に寄与した。セグメント利益に関しては、売上高の伸びを上回る伸びを見せた。これは、「SATORI電話占い」により売上高が拡大するなかで、販管費等のコストを適正にコントロールしながら事業を運営したことが要因であり、電話相談サービスを運営してくるなかで効率的な運営体制が構築されていたことが収益性の上昇に寄与した。第3四半期単体で見ると、売上の伸び23.2%増に対してセグメント利益は60.4%増と足元で収益性は格段に高まっている状況である。こうしたなか、重要指標である電話占いの鑑定回数は220千回(2023年12月期通期の目標は299千回)と堅調に推移した。

新規事業も順調な進捗を見せた。アーティストとの双方向のコミュニケーションを実現する「B4ND」に関しては、芸能プロダクションへの営業を強化し、参画アーティストの拡大を図るなか、2023年9月には正式版のリリースを行った。また、これに合わせてエンタメテック事業も開始している。「B4ND」を中心にファンクラブの運営、EC展開など、周辺領域へと事業ポートフォリオを拡大させていく方針だ。

(3) その他の事業
その他の事業は、売上高5百万円(前年同期比70.2%減)、セグメント損失は133百万円(前年同期はセグメント損失65百万円)となった。秋元康氏が総合プロデューサーを務める新規アイドルグループ創造プロジェクト「IDOL3.0 PROJECT」に関しては、2023年12月に新アイドルグループ「WHITE SCORPION」の発表に合わせて公式Webサイトをオープンするなど、確実に進捗が見られた。一方で、想定よりも立ち上げが遅れている新規事業の整理を行い、事業ポートフォリオの選択と集中を行ったことなどを受け、前年同期比で減収減益となった。

3. 財務状況
2023年12月期第3四半期末における財政状態は、資産合計が4,239百万円(前期末比354百万円増)、負債合計が2,938百万円(同67百万円減)、純資産合計は1,301百万円(同422百万円増)となった。資産の主な増減要因は、現金及び預金が157百万円、BASE Partners Fund 1号の連結子会社化などにより投資そのほかの資産が351百万円増加した一方、償却によりのれん、商標権及び顧客関連資産が185百万円減少したこと等によるものである。負債の主な増減要因は、2023年3月に締結した無担保転換社債型新株予約権付社債の発行により転換社債型新株予約権付社債が194百万円増加した一方、返済により長期借入金(1年内返済予定の長期借入金を含む)が204百万円減少したこと等によるものである。純資産の主な増減要因は、前述の無担保転換社債型新株予約権付社債の発行により資本金が141百万円、資本剰余金が141百万円増加したほか、非支配株主持分が263百万円増加した一方で、親会社株主に帰属する四半期純損失の計上により利益剰余金が145百万円減少したこと等によるものである。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 清水陽一郎)

《AS》

 提供:フィスコ

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