サイジニア Research Memo(4):CX改善による中期成長の次は、リテールメディアやUGCを取り込みへ
■中期経営計画
1. 環境予測と基本方針
サイジニア<6031>の市場環境に対する見方は、EC市場の拡大を背景に、ここ2~3年はECサイトを改善するCX改善サービスが高成長するというものである。また、クッキー規制によってリターゲティング広告が縮小しているため、リターゲティング広告を代替する広告手法の1つとして、3~5年内にサイト内リスティング広告などリテールメディアが大きく伸びると予想している。さらに、5~10年内にはリテールメディア全域においてUGCビジネスなど新たな事業が広がると見込んでいる。こうした環境のなかで、同社は基本方針を設定し、利益が加速度的に拡大しているZETAを成長ドライバーに、中期的にハイエンドCXのオンリーワン企業として高い利益成長を目指す。また、リテールメディアの成長を取り込むため、サイト内リスティング広告などリテールメディアを強化する。長期的視点から、同社が蓄積しているUGCのビジネス化など、リテールメディア全域において新規事業の開発も検討する。このような中長期戦略で達成した成長を背景に、株主還元も強化する方針である。
2026年6月期の営業利益10.5億円の達成を目指す
2. 中期経営計画の目標
利益目標としては、営業利益を3年間平均で40%超成長させ、2026年6月期に10.5億円の達成を目指す。このため、引き続き利益重視を徹底するとともに、EC市場拡大に伴うEC事業者の取り込みやユーザーによるECサイトの利用拡大、ECサイトの信頼度向上などに向けて、強みをさらに磨いていく計画である。また、利益成長とともにEPSやROEを向上させる計画で、2026年6月期にEPSは117.6円(2023年6月期は42.7円)、ROEは積み上がる自己資本を効率的に使用することで30%以上(同22.6%)の達成を目指す。こうした係数をバックボーンに株主還元も強化する方針だが、足元で安定したキャッシュ・フローが見込めるため既に具体的な株主還元を開始しており、2023年4月に自己株式を取得(発行済株式総数に対する割合は19.76%)、2023年6月期には初配当を行った。さらに、中期利益成長や自己資本の効率的使用によって、2026年6月期には配当性向20%以上を目指す考えである。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 宮田仁光)
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提供:フィスコ