Jストリーム---2Q減収なるも、OTT領域の売上高は順調に推移
Jストリーム<4308>は26日、2024年3月期第2四半期(23年4月-9月)連結決算を発表した。売上高が前年同期比5.5%減の55.81億円、営業利益が同61.9%減の2.94億円、経常利益が同59.5%減の3.09億円、親会社株主に帰属する四半期純利益が同66.9%減の1.52億円となった。
販売面のEVC領域(医薬)においては、主力となるWeb講演会用途のライブ配信や、イベント実施に伴う集客や諸手配といった領域において、製薬企業のDX展開推進に伴う受注は継続している。しかし、薬価改定への対応や円安に伴う日本市場の相対的な地位低下等の要因から、一部企業を除いて、注力の度合いがコロナ期に比べれば低下する傾向が継続している。また、より効果測定を重視する傾向が全般に強まっている。主要顧客の企業においても、予算の制限からライブイベントの絞り込みの動きがある一方、よりマーケティング効果を重視した広告、集客に関する需要の比率が高まる結果となった。ライブ配信、関連するWEB制作、映像制作等のサービス全般を含めた、この領域全体での売上は、製薬企業を主顧客とする連結子会社を含め、前年には及ばない結果となった。
EVC領域(医薬以外)においては、5月に実施された新型コロナウイルス感染症に関する制限緩和が、企業活動の各側面におけるリアルへの回帰を後押しした。6月に需要が集中するバーチャル株主総会関連の売上については、新型コロナウイルス感染症に関する制限緩和に伴う実開催重視の動きと、各案件内における同社の実施業務範囲の縮小に伴い、想定を下回る結果となった。各種情報の配信インフラとしての機能を持つ主力サービス「J-Stream Equipmedia」や「J-Stream CDNext」等の事業インフラや、社内教育等向けの定常的な利用は底堅く推移したが、販売促進のためのウェブセミナーや、企業や団体内でのライブイベント等のスポット的利用に向けた需要に減退が見られ、これに伴い、ライブイベント実施やネットワーク流量に伴う売上も低調なものとなった。同様の要因から、WEB制作、映像制作等の需要も低水準となった。
OTT領域においては、放送業界におけるシステム開発、サイト運用や関連するWEB制作業務、配信ネットワーク売上が中心となった。コロナ環境下での巣ごもり消費で根付いたネット視聴習慣や、視聴端末、動画配信サービスの普及を背景に、同領域におけるサービス開発には高い需要がある。同社グループにおいても、放送局のネット配信サービスメニューの拡充に伴うシステム開発や、前年度において大口のコンテンツ配信システム開発納品があった専門チャンネル事業者に対する運用サービス提供が継続的な売上要因となっており、この領域全体の売上は順調に推移した。
費用面においては、売上連動で外注費が減少した。足元の営業見通しを鑑み、採用計画を抑制したほか、その他の経費についても大幅な見直しを実施し、経費の節減を図っているが、前年同期比では人員、労務費ともに増加傾向は継続している。販売費及び一般管理費については、業務の効率化等の削減策実施に伴い、前年同期比1%程度の減少となった。
2024年3月期通期については、同日、連結業績予想の修正を発表した。売上高が前期比8.2%減(前回予想比13.8%減)の114.80億円、営業利益が同69.0%減(同69.0%減)の5.16億円、経常利益が同67.6%減(同68.0%減)の5.36億円、親会社株主に帰属する当期純利益が同74.9%減(同78.9%減)の2.19億円としている。
《SI》
提供:フィスコ