ブリッジ Research Memo(1):インサイドセールスが順調に伸長、研修事業は成長加速へ
■要約
ブリッジインターナショナル<7039>は、法人営業のDX(デジタルトランスフォーメーション)を支援するインサイドセールス事業と研修事業の2つの事業でクライアント企業への支援サービスを提供している。インサイドセールス事業では、インサイドセールスのアウトソーシングサービスや導入のための業務設計、上流での営業戦略・DX導入を支援するコンサルティングサービス、そしてCRM(顧客情報を一元管理するシステム)の受託開発及びAI営業支援ツールを提供するシステムソリューションサービスを行っている。研修事業は、IT研修や新入社員向け研修など実績のある(株)アイ・ラーニングのDX研修プログラムを幅広く提供し、多種多様な研修サービス分野を強化している。
1. 2023年12月期第2四半期の業績概要
2023年12月期第2四半期の業績は、売上高3,576百万円(前年同期比 3.1%増)、営業利益473百万円(同13.3%減)、経常利益475百万円(同13.4%減)、親会社株主に帰属する四半期純利益316百万円(同15.1%減)となった。インサイドセールスの本格導入を進める企業が増加したことで、インサイドセールス事業は同1.3%の増収となった。主力となるアウトソーシングサービスの売上高は前年同期並みとなったが、前年同期に2億円程度の大型スポット案件があったため、実質的には10%程度の伸び率を確保した。また、インサイドセールスを内製化したいという企業のニーズの高まりにより、アウトソーシング以外のコンサルティングサービス、システムソリューションサービスの売上高が伸長した。研修事業は新型コロナウイルス感染症拡大(以下、コロナ禍)で採用を控えていた企業の新人採用が復調し、新人研修の売上が順調に伸びて同6.8%の増収となった。また、高まるDX・リスキリングなどのニーズに対応して研修プログラムを充実したことで、ビジネス研修の売上が伸長した。利益面では、人材確保の強化やDX導入などのシステムにかかる先行投資により販管費が増加し、営業利益率は13.2%と前年同期を2.5ポイント下回り、減益となった。
2. 2023年12月期業績の見通し
2023年12月期業績は、売上高7,662百万円(前期比14.2%増)、営業利益939百万円(同6.6%増)、経常利益939百万円(同5.9%増)、親会社株主に帰属する当期純利益629百万円(同5.9%増)とする期初計画を据え置いている。通期予想に対する第2四半期の売上高の進捗率はインサイドセールス事業の遅れにより46.7%となったが、同社では当初より下期にインサイドセールス事業の売上伸長を想定しており、十分にキャッチアップできるものと考えている。営業利益の進捗率は50.4%と順調に推移した。インサイドセールス事業の進捗率が売上高進捗率と同水準で遅れ気味であるが、研修事業では価格改定を行ったほか、不採算講座の閉鎖や内部講師の活用など効率的な原価コントロールが奏功し、進捗率は60.0%と順調である。今後インサイドセールス事業の売上がキャッチアップすれば、計画を上回る利益の確保が期待できると弊社では考えている。
3. 強み
同社の各サービスにおける競合企業は存在するものの、同社は営業/マーケティングに特化し、戦略立案から実行支援を強固なものとするITツールまで一気通貫でサービスを提供することができる。また、主力事業であるアウトソーシングサービスはクライアント企業専任制を採用しているため、クライアントの営業環境に合わせながら最適な業務設計を都度変更することができる。クライアント企業の事業規模が拡大すれば、同社も継続契約や取引規模の拡大につながる。さらに新たに2021年3月にアイ・ラーニングを連結子会社化したことで新たに研修事業を立ち上げた。これにより、BtoBビジネスを展開する企業の売上向上を総合的に支援できることが強みになると弊社は考えている。
■Key Points
・2023年12月期第2四半期は増収も、人材・DX投資などの先行投資により減益
・インサイドセールス事業は、実質10%程度の成長
・内製化ニーズが高まり、アウトソーシング以外の関連サービスが伸長
・研修事業は新人研修、ビジネス研修が成長。DX・リスキリングに対応したプログラムを拡充
・2025年12月期までに売上高100億円、営業利益15億円を目指す
(執筆:フィスコアナリスト 村瀬智一)
《SO》
提供:フィスコ