明日の株式相場に向けて=エヌビディア決算が啓示する半導体未来図
きょう(24日)の東京株式市場は、日経平均株価が前営業日比276円高の3万2287円と4日続伸。今週は日経平均が75日移動平均線から下放れるかどうか正念場の週となっていたが、見ての通りの頑強ぶりで同移動平均線を再び上に抜けてきた。依然として三尊天井の形が残っていることに変わりはなく、25日・75日線のデッドクロスも早晩示現することが避けられそうにないが、それでも今週はここまで4連騰と想定を超える粘り腰をみせた。注目されたエヌビディア<NVDA>の5~7月期決算は売上高が前年同期比で倍増、最終利益が同9.4倍化と目を見張る伸びを示した。事前コンセンサスを大幅に上回ったが、それだけではなかった。市場関係者によると「それ以上にインパクトが大きかったのは8~10月期の見通しで、売上高は前年同期比3倍化が見込まれている。かつての仮想通貨マイニング・バブルの時と今回の 生成AI市場のレベル感は全く異質のものだ」(生保系アナリスト)とする。半導体の次のステージは生成AIによって予想以上の大波が押し寄せることを、エヌビディアのジェンスン・ファンCEOの発言からも感じ取ったという。
東京市場でも当然のごとく半導体関連株に広範囲に買いが広がった。エヌビディア関連のツートップ銘柄としてアドバンテスト<6857>とディスコ<6146>が挙げられるが、アドテストは一時1000円を超える上昇で8月2日ザラ場以来の2万円台に復帰。その後は戻り売りを浴びて伸び悩んだが、ディスコの方は一時1600円以上の値上がりで2万8000円台半ばまで水準を切り上げ、終値でも1100円強の上昇幅を維持した。このほか、レーザーテック<6920>、東京エレクトロン<8035>などの主力どころが売り物をこなし最後まで力強い動きをみせた。
このエヌビディア効果は時価総額の比較的小さい中小型株にも活力を与えている。TOWA<6315>、芝浦メカトロニクス<6590>、テラプローブ<6627>などが値を飛ばした。“エヌビディア祭り”の持続性という切り口で言えば、とりあえず決算イベント通過で一服する可能性はあるが、半導体関連への物色人気は今後も波状的に続く可能性が高まった。
ここからマークしておきたい銘柄では、まずアテクト<4241>の押し目。同社は小型株ゆえあまり目立った存在ではないが、半導体保護資材で世界シェア首位に位置する堂々たるグローバル・ニッチトップ企業である。また、半導体モジュール販売を手掛けエヌビディア商品も取り扱うAKIBAホールディングス<6840>も出遅れ感があり、改めて注目。このほか、半導体関連で瞬発力のある銘柄としてチェックしたいのはシキノハイテック<6614>。今期業績は増額含みで底値買いのチャンスに見える。
半導体だけでなくAIを活用したシステムやソリューション分野で活躍する銘柄にも着目しておきたい。きょうはAIスタートアップ支援でエヌビディアとパートナー関係にあるヘッドウォータース<4011>が一時ストップ高人気となり注目を浴びた。かつて総括サポート契約締結でエヌビディア関連の雄としてハヤされたJTP<2488>も動兆をみせており、ここ戻り足を強めているが一服場面は狙えそうだ。また、AI関連の中でも抜群の収益成長力を見せつけるユーザーローカル<3984>が調整十分で再評価のタイミングか。
なお、半導体やAI関連の陰に隠れる形ではあるが、インバウンド関連も引き続き人気を博している銘柄が多く、こちらにも目を配っておきたい。ホテルや外食関連企業の収益にインバウンド消費の恩恵が色濃く反映されている。当欄でも紹介したシー・ヴイ・エス・ベイエリア<2687>がきょうは一時ストップ高に買われる人気となり、約7年ぶりの高値圏に舞い上がった。マンション管理事業とホテル事業を展開しており時流に乗っている。このほか、目先上昇一服となっているDDグループ<3073>も今2月期の業績変貌が期待される銘柄であり、ここから先も見せ場がありそうだ。
あすのスケジュールでは、8月の都区部消費者物価指数(CPI)、7月の企業向けサービス価格指数がいずれも朝方取引開始前に開示される。また、前場取引時間中に3カ月物国庫短期証券の入札が行われる。午後には7月の外食売上高、7月の全国百貨店売上高などが発表される。海外では8月の独Ifo企業景況感指数、8月の米消費者態度指数(ミシガン大学調査・確報値)のほか、パウエルFRB議長によるジャクソンホール会議での講演にマーケットの関心が高い。(銀)
出所:MINKABU PRESS
東京市場でも当然のごとく半導体関連株に広範囲に買いが広がった。エヌビディア関連のツートップ銘柄としてアドバンテスト<6857>とディスコ<6146>が挙げられるが、アドテストは一時1000円を超える上昇で8月2日ザラ場以来の2万円台に復帰。その後は戻り売りを浴びて伸び悩んだが、ディスコの方は一時1600円以上の値上がりで2万8000円台半ばまで水準を切り上げ、終値でも1100円強の上昇幅を維持した。このほか、レーザーテック<6920>、東京エレクトロン<8035>などの主力どころが売り物をこなし最後まで力強い動きをみせた。
このエヌビディア効果は時価総額の比較的小さい中小型株にも活力を与えている。TOWA<6315>、芝浦メカトロニクス<6590>、テラプローブ<6627>などが値を飛ばした。“エヌビディア祭り”の持続性という切り口で言えば、とりあえず決算イベント通過で一服する可能性はあるが、半導体関連への物色人気は今後も波状的に続く可能性が高まった。
ここからマークしておきたい銘柄では、まずアテクト<4241>の押し目。同社は小型株ゆえあまり目立った存在ではないが、半導体保護資材で世界シェア首位に位置する堂々たるグローバル・ニッチトップ企業である。また、半導体モジュール販売を手掛けエヌビディア商品も取り扱うAKIBAホールディングス<6840>も出遅れ感があり、改めて注目。このほか、半導体関連で瞬発力のある銘柄としてチェックしたいのはシキノハイテック<6614>。今期業績は増額含みで底値買いのチャンスに見える。
半導体だけでなくAIを活用したシステムやソリューション分野で活躍する銘柄にも着目しておきたい。きょうはAIスタートアップ支援でエヌビディアとパートナー関係にあるヘッドウォータース<4011>が一時ストップ高人気となり注目を浴びた。かつて総括サポート契約締結でエヌビディア関連の雄としてハヤされたJTP<2488>も動兆をみせており、ここ戻り足を強めているが一服場面は狙えそうだ。また、AI関連の中でも抜群の収益成長力を見せつけるユーザーローカル<3984>が調整十分で再評価のタイミングか。
なお、半導体やAI関連の陰に隠れる形ではあるが、インバウンド関連も引き続き人気を博している銘柄が多く、こちらにも目を配っておきたい。ホテルや外食関連企業の収益にインバウンド消費の恩恵が色濃く反映されている。当欄でも紹介したシー・ヴイ・エス・ベイエリア<2687>がきょうは一時ストップ高に買われる人気となり、約7年ぶりの高値圏に舞い上がった。マンション管理事業とホテル事業を展開しており時流に乗っている。このほか、目先上昇一服となっているDDグループ<3073>も今2月期の業績変貌が期待される銘柄であり、ここから先も見せ場がありそうだ。
あすのスケジュールでは、8月の都区部消費者物価指数(CPI)、7月の企業向けサービス価格指数がいずれも朝方取引開始前に開示される。また、前場取引時間中に3カ月物国庫短期証券の入札が行われる。午後には7月の外食売上高、7月の全国百貨店売上高などが発表される。海外では8月の独Ifo企業景況感指数、8月の米消費者態度指数(ミシガン大学調査・確報値)のほか、パウエルFRB議長によるジャクソンホール会議での講演にマーケットの関心が高い。(銀)
出所:MINKABU PRESS