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7378 アシロ

東証G
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業績
単位
100株
PER PBR 利回り 信用倍率
176 3.62 2.18
時価総額 77.2億円

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アシロ Research Memo(4):リーガルメディアの持続的な成長に加えて、派生メディアが大きく伸長


■業績動向

1. 2023年10月期第2四半期の業績概要
アシロ<7378>の2023年10月期第2四半期の連結業績は、売上収益が1,486百万円(前年同期比45.6%増)、営業利益が120百万円(同60.2%減)、税引前四半期利益が115百万円(同61.4%減)、親会社の所有者に帰属する四半期利益が65百万円(同68.1%減)となった。主力であるリーガルメディアの持続的な成長に加えて、例年第2四半期に季節性の好影響を受けやすい派生メディアが大きく伸長した。四半期ベースで見ると、HR事業・保険事業を含めたすべての事業で過去最高の四半期売上を達成し、売上収益は前年同期比で50%近い成長率となった。中期経営計画に基づく積極的な事業投資により営業利益は前年同期を下回ったが、投資額を除いた営業利益は前年同期比17.0%増であり、過去最高の四半期利益となっている。各事業が好調に推移していることに加え、買収したビッコレを2023年4月に連結化したことに伴い、売上収益の上方修正をした。営業利益に関しては、引き続き機動的な投資を進めていくため期初予想から据え置きとしている。事業体制の強化に向けた採用計画の進捗も順調であり、第2四半期末の従業員数は78人まで増加している。

2. 事業別の動向
(1) リーガルメディア関連事業
売上収益は1,391百万円(前年同期比44.0%増)、セグメント利益は442百万円(同0.4%減)となった。

a) リーガルメディア
売上収益は892百万円(前年同期比30.8%増)、営業利益は315百万円(同5.7%増)となった。営業活動の強化により新規顧客獲得が順調に進捗したほか、契約後のカスタマーサポートの体制強化によって、既存顧客の解約率が低水準となった。各メディアサイトについては、新ブランド「ベンナビ」への移行が完了しており、第2四半期で動画広告のクリエイティブの作成が完了した。2023年10月期第2四半期末時点の掲載枠数は2,189枠(前年同期比29.1%増)、顧客数は897件(同31.1%増)と安定的に成長した。

b) 派生メディア
売上収益は499百万円(前年同期比75.7%増)、営業利益は127百万円(同12.9%減)、問合せ数は14,237件(同48.8%増)となった。主力である転職メディア「キャリズム」の売上成長が継続した。若年層向けの案件や高単価案件への送客が好調に推移したことに加え、春先は転職シーズンであることから第2四半期は季節性の好影響を受けやすいことも影響し、過去最高の売上を更新した。前々期、前期に見受けられた新型コロナウイルス感染症の拡大(以下、コロナ渦)の悪影響が少なくなったことも要因である。「キャリズム」では、ハイクラス求人や医療求人といった高単価案件の開拓が進み、1案件当たりの送客単価が上昇傾向にある。また、2023年4月にはビッコレを連結化した。引き続き新規メディア立ち上げに向けた投資を行うことで、売上高・営業利益の成長を加速する。新規メディアの進出については、一定の売上・利益を確保できるマーケットサイズの大きい領域を対象としている。

(2) HR事業
売上収益は63百万円(前年同期比17.1%増)、セグメント損失は44百万円(前年同期は24百万円の利益)となった。先行投資として人材紹介業務に従事するコンサルタントの採用を進めており、数字面での貢献が今後見込まれる。第2四半期はコンサルタントのリソースの制約があり、広告出稿量を抑制したためサービスの新規登録者数が第1四半期と比べ減少した。コンサルタント数が徐々に増加していることから、第3四半期より再び新規登録者数を増加させる方針だ。新規登録者数は、2023年10月期第2四半期末で1,773人となった。

(3) 保険事業
2022年10月期より事業展開しており、売上収益は30百万円、セグメント損失は67百万円となった。第1四半期に引き続き、積極的に広告投資や営業人員への投資を実施した。また、将来的な成長の加速に向けて新たに事業責任者を招聘した。保有契約件数は、2023年10月期第2四半期末で1,824件となった。2022年3月に商品内容の見直しを実施した影響で保有契約件数の伸びが一時鈍化したものの、足元では着実に増加してきている。

3. 財務状況と経営指標
2023年10月期第2四半期末の資産合計は前期末比139百万円減の3,861百万円となった。流動資産は同239百万円減の1,963百万円となった。主に現金及び現金同等物が525百万円減少した一方、売上債権及びその他の債権が226百万円増加したことによる。非流動資産は同100百万円増の1,898百万円となった。ビッコレの取得に伴い、のれんが136百万円増加した一方、使用権資産が40百万円減少した。

負債合計は前期末比197百万円増の1,550百万円となった。流動負債は同44百万円増の803百万円となった。主に社債及び借入金が41百万円増加したことによる。非流動負債は同152百万円増の746百万円となった。主に社債及び借入金が187百万円増加した一方、リース負債が34百万円減少したことによる。資本合計は同336百万円減の2,310百万円となった。これは主に2023年10月期に取得した自己株式の償却等により資本剰余金が310百万円減少したことによる。潤沢な現金及び現金同等物を確保しており健全な財務状況といえ、短期的な懸念事項はないと弊社では見ている。

2023年10月期第2四半期末の現金及び現金同等物は1,350百万円となった。営業活動によるキャッシュ・フローは134百万円の支出となった。主に税引前四半期利益の計上115百万円、減価償却費及び償却費の計上63百万円があった一方で、法人所得税の支払額104百万円、売上債権及びその他の債権の増加135百万円、その他の流動資産の増加53百万円があった。投資活動によるキャッシュ・フローは190百万円の支出となった。主に子会社の取得による支出130百万円、有形固定資産の取得による支出38百万円による。財務活動によるキャッシュ・フローは199百万円の支出となった。主に銀行からの長期借入れによる収入294百万円があった一方で、自己株式の取得による支出301百万円、配当金の支払いによる支出95百万円、社債の償還による支出35百万円、リース負債の返済による支出33百万円があった。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 茂木稜司)

《SI》

 提供:フィスコ

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