IXナレッジ Research Memo(7):2024年3月期は売上高・各利益ともに安定成長を予想
■業績動向
3. 2024年3月期の業績見通し
アイエックス・ナレッジ<9753>の2024年3月期の業績については、売上高で前期比6.8%増の21,570百万円、営業利益で同7.0%増の1,561百万円、経常利益で同6.0%増の1,626百万円、当期純利益で同6.5%増の1,094百万円と増収増益を見込んでいる。
受注環境については、コロナ禍で加速したデジタル化(DX化)による企業のビジネス変革の動きは今後も継続し、それを支えるIT投資は堅調に推移すると見込まれる。ウクライナ情勢の長期化や急激な円安による物価高騰など経済の先行きに不透明感は残るものの、システムインテグレーション業界への影響は軽微であると考えられる。営業面では、既存案件の拡大とともに、DX・クラウド化案件(オンプレミスからクラウドへの移行や統合など)の受注拡大を目指す。人員の補強がカギとなるが、定期的な新卒採用(2023年4月に74名を新卒採用、2024年4月も前年並みを予定)に加えて、中途採用及びパートナーとの連携も強化されており、機会を逃さない体制を整える。育成に関しては、PM育成や新技術習得(AWS、Azureの認定資格取得など含む)を継続して強化する。前期から売上高の増加額(予想)は1,364百万円、増加率は6.8%であり、シーアンドエーコンピューターの子会社化による土木建設業界向けシステム開発への進出などを加味すれば、やや保守的な予想と考えることができるだろう。
営業利益は前期比7.0%増、営業利益率で7.2%(前期と同じ)を見込む。売上高総利益は同11.2%増、売上高総利益率は20.8%(同0.8ポイント上昇)と堅調に増加する見込みだ。販管費は同13.6%増、販管費率13.6%(同0.9ポイント増)と増加幅が大きい予想だ。進行期は、人財の処遇の改善を目的に、ベースアップや賞与の上昇などを過去最大規模で行うため人件費の上昇が見込まれる。弊社では、同社の顧客ポートフォリオが多様であり既存顧客からの安定的な受注が見込めること、クラウド化のニーズが顕在化しDX化の動きが活発となっていること、M&Aによる土木建設システム分野への進出、人財投資の充実等から、今期の増収及び増益予想は十分達成可能であると見ている。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 角田秀夫)
《YI》
提供:フィスコ