ジーニー Research Memo(7):2026年3月期には売上収益162~202億円を計画
■中期経営計画
2023年5月に3ヶ年 (2024年3月期~2026年3月期)の中期経営計画「~First Magic 2025 Towards 2030 Vision~」を策定した。2030年までにジーニー<6562>のパーパス「誰もがマーケティングで成功できる世界を創る」を国内で実現するために、3つのフェーズを設定した。「Phase1」と位置付けている今回の中期経営計画では、新たな成長軌道を創るために、国内外のアドテクノロジー事業の強化を行う。
同社は、2024年3月期は金利上昇に伴う先進主要国のリセッションによる広告需要の減退の影響を想定しており、コスト削減による利益体質の強化が必要であると考えている。2025年3月期は2023年3月期並みに戻り、2026年3月期には米国の金利低下とともに、広告需要も回復すると想定している。投資については、競争力となる新規技術領域や競争優位性を確保するために必要な開発投資を引き続き継続していく。一方で、プライム市場への移行のタイミングも考慮するため、2024年3月期はグループ管理体制に大きな影響を与える大規模なM&Aは実施しない方針だ。
数値目標は、2026年3月期に売上収益162~202億円(2024年3月期計画96億円)、売上総利益132~164億円(同78億円)、営業利益45~55億円(同20億円)、親会社の所有者に帰属する当期利益30~37億円(同15億円)を掲げている。
全体方針として、SSP領域では、未攻略領域のシェアを拡大し、DSP領域では、直近でリリースしたリテールメディアプラットフォームのシェアを拡大する方針である。マーケティングSaaS事業では、エンタープライズ領域の拡大を図るために投資効率の高いマーケティング施策に注力するとともに、大型代理店施策の強化を図る。新規事業としては、新設した子会社JAPAN AIとのマーケティング領域での協業を想定している。海外事業では、Zeltoプロダクトを国内外で代理販売するほか、国内外のリソースをグローバルに展開する方針である。
また、これを支える経営基盤として、女性比率、外国人比率の向上によりダイバーシティを推進し、ChatGPTを活用したコーポレート業務効率化、KPIやOKR(Objectives and Key Results:企業、グループ、個人が同じ成果目標を設定し、同じ重要課題に取り組めるようにする目標管理手法)によるモニタリング体制や東証プライム市場への変更に向けた内部管理体制の強化などを実現するとしている。
(執筆:フィスコアナリスト 村瀬智一)
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提供:フィスコ