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4447 ピー・ビーシステムズ

東証G
577円
前日比
-13
-2.20%
PTS
-円
業績
単位
100株
PER PBR 利回り 信用倍率
14.1 2.52 1.73 15.41
時価総額 38.0億円

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PBシステムズ Research Memo(1):重しとなっている高難易度案件を技術力強化の糧に昇華、下期に挽回へ


■要約

1. サイバーセキュリティに絡んだ「レジリエンス」や「DX」需要を捉える企業
ピー・ビーシステムズ<4447>は、中堅企業をメインターゲットとしつつ、SaaS事業者、公共団体向けに各種情報システムを構築する、システム仮想化技術に精通したクラウド基盤構築力が強みの福岡を地盤とする独立系SIerである。デジタルワーク推進から、サイバーセキュリティに絡んだレジリエンス構築やDX(デジタルトランスフォーメーション)の実現までをクラウド技術力でトータルにサポートするセキュアクラウドシステム(SCL)事業を中核とする。VR(仮想現実)空間を生み出す、体験共有型VRシアター「MetaWalkers (旧称:4DOH)」シリーズを製造販売するエモーショナルシステム(EMO)事業との2軸構成だが、新たにメタバース事業、シニア市場をねらった「e(エレクトロニック) × r(リアル)スポーツ」ビジネスを将来的な成長エンジンとして育成中である。

2. 上期は主力事業が苦戦、コストの前倒し計上等もあり会社計画に対し進捗の遅れ
2023年9月期上期の業績は、売上高は前年同期比19.5%減の908百万円、営業損失は55百万円(前年同期は137百万円の利益)、経常損失は60百万円(同138百万円の利益)、四半期純損失は42百万円(同96百万円の利益)で着地した。売上高1,140百万円、営業利益90百万円の上期計画に対して、売上高ベースでは20.3%減、営業利益ベースでは差額約145百万円と大幅なビハインドとなっているため、上期実績のみの評価という観点からはネガティブな印象は避けられない。こうした状況の大部分を占める要因は、2022年9月期から主力のセキュアクラウドシステム(SCL)事業において継続している高難易度の製造業向けVDI構築案件(以下、特定案件と表記)がさらに長期化したという点に尽きる。損益面でも、特定案件に関連して下期に見込まれる売上原価の増加額をこの段階で織り込んだことにより、受注損失引当金を49百万円計上したことが計画比での進捗遅れの一因だ。一方、前年同期からやや上昇している販管費率については、注力施策の1つである人材獲得に絡んだコスト増もあるため、こちらは過度にネガティブ視する必要性は低いと弊社では見ている。

3. 上期苦戦ながら通期予想を据え置き、大型案件の寄与もあり下期に一気に挽回へ
2023年9月期の業績については、売上高が前期比11.1%増の2,780百万円、営業利益が同11.0%増の300百万円、経常利益が同12.4%増の295百万円、当期純利益が同11.6%増の205百万円の期初計画を据え置いている。東証グロース市場への上場をきっかけに、人材を拡充して成長に向けた体制を構築するなかで費用が増加するものの、それらを吸収して2ケタの増収増益、5期連続の営業利益の最高益更新を目指す。株式市場及び投資家のなかには、上期決算と会社予想との乖離を受けて計画達成にやや懐疑的な目を向けている向きもあるだろう。しかし、最大のネックである特定案件については、そもそも単純なマンパワーを無限に消費し続けるような性質の問題を抱えているわけではない。念のため余裕を持って、現有メンバーで期末である9月までに完成させるという想定のもと、前倒しでコストを織り込んだ格好のようである。コストの大部分がこの段階で明確化されたこと自体が逆に先行きの見通しを明るくした部分もあるだろう。2023年4月28日付で開示したSaaS用プライベートクラウド基盤の大型案件(約10億円)がもともと下期偏重だった計画をさらに押し上げる要素として、ポジティブなインパクトを与えてくることになるだろう。

■Key Points
・2023年9月期上期は高難易度案件が重しだが、エモーショナルシステム(EMO)事業は黒字転換
・SaaS用プライベートクラウド基盤の大型案件(約10億円)が下期に一気に貢献
・通期予想は据え置き。メタバース売上も具体化、別のメタバース案件も商談中

(執筆:フィスコアナリスト 村瀬智一)

《SI》

 提供:フィスコ

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