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証券取引所が指定する制度信用銘柄のうち、買建(信用買い)と売建(信用売り)の両方ができる銘柄
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3826 システムインテグレータ

東証S
311円
前日比
-2
-0.64%
PTS
-円
業績
単位
100株
PER PBR 利回り 信用倍率
31.2 0.94 1.61 28.26
時価総額 34.5億円
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SI Research Memo(6): Object Browser事業とAI事業が増収となるも、主力事業が減収に


■システムインテグレータ<3826>の業績動向

2. 事業セグメント別動向
(1) Object Browser事業
Object Browser事業の売上高は前期比2.6%増の695百万円、営業利益は同20.1%増の182百万円となり、会社計画※(売上高690百万円、営業利益172百万円)を若干上回った。売上高は「Object Browser」シリーズが伸び悩んだものの、「OBPM Neo」の契約件数増加により2期連続で増収となった。利益面でも、2021年3月に買取モデルからSaaSモデル(月額課金モデル)にリニューアルした「OBPM Neo」の利益率が上昇したことにより4期ぶりに増益に転じた。

「Object Browser」シリーズは、ソフトウェア開発の生産性を向上させるツールとして業界で幅広く利用されており、同社の安定収益源となっている。2022年7月に、最新バージョンである「SI Object Browser for SQL Server 22」をリリースしたほか、「Oracle」以外の最新のデータベースや多様なプラットフォームへの対応を図るなど、顧客の要望を積極的に取り入れ、利便性の向上を図ることで売上を堅持した。

「OBPM Neo」は、既存顧客(オンプレミス型契約)のSaaSモデルへの切り替えが進んでいるほか、新規契約数も増加し、累計導入社数は前期末の220社から240社となった、オンプレミス型の契約件数は前期の約5割から4割弱まで低下している。一部カスタマイズ機能を加えて提供している大口顧客の切り替えについては、「OBPM Neo」で同様の機能を追加後に移行作業を進める予定にしている。このため、完全にクラウドサービスに切り替わる時期は2025年3月以降を目途としている。新たな取り組みとしては、2022年6月より初期導入費用が無料となる「セルフプラン」の提供を開始したほか、同年7月には顧客のプロジェクトをオンラインで監視し、問題を早期発見・改善するサービス「リモートPMOサービス」の提供を開始した。まだ導入実績としては少ないものの、IT業界ではエンジニアだけでなくPM人材の不足も課題となっているため、こうした課題を解決するソリューションとして注目される。

(2) E-Commerce事業
E-Commerce事業の売上高は前期比24.2%減の916百万円、営業利益は同49.8%減の207百万円となり、会社計画(売上高900百万円、営業利益173百万円)を若干上回った。既述のとおり、前期は大型案件の売上計上があったこと、並びに受注していた大型案件が顧客事由により中断となり、新規受注活動が遅れ低迷したことが減収減益要因となった。

新たな取り組みとして、アドビのデジタルコマース基盤「Adobe Commerce」の販売を開始したほか、内製化支援サービス「EC&リテールDXサポート」を開始するなど、「SI Web Shopping」とのクロスセルに取り組んだ。「Adobe Commerce」については引き合いが多いものの、新たにECサイトを立ち上げる事業者は少なく、カスタマイズを希望するケースが多いこともあり導入実績は1件にとどまった。ただ、レンタル・リース事業者や宿泊事業者の予約サイトなど従来とは異なる顧客層からの引き合いが増え、「SI Web Shopping」の商談につながるケースも出てくるなど、同事業における見込み顧客獲得に寄与している。

(3) ERP事業
ERP事業の売上高は前期比3.9%減の2,755百万円、営業利益は同31.5%減の152百万円となり、会社計画(売上高2,700百万円、営業利益131百万円)を若干上回った。企業の旺盛なDX投資を背景に、ERPの需要も引き続き活況を呈していたものの、新規案件の規模や内容に応えられるだけの社内エンジニアのリソースが不足し受注できなかったことや、一部案件の開発中断が発生したことが減収要因となった。利益面では、減収に伴う売上総利益の減少に加えて、開発体制強化に向けた福岡支社の開設、及びエンジニアの新規採用に伴う人件費・教育費の増加が減益要因となった。なお、同社では新卒社員が平均的な利益を生み出すまでに3年程度の経験が必要と見ている。ERPの開発では顧客ごとに要求事項が異なるため、一定の開発経験が必要とされるためだ。

新たな取り組みとして、商社・卸売業やIT・情報サービス業に特化した中小企業向けのクラウドERPサービス「GRANDIT miraimil」や、2024年1月に施行される改正電子帳簿保存法に適応した電子データ保存オプションの提供を開始した。2023年10月からはインボイス制度も開始されるため、同制度対応案件の引き合いも活発化しており、小中規模案件の受注も取り込みながら収益回復を目指している。

(4) AI事業
AI事業の売上高は前期比254.9%増の67百万円、営業損失は36百万円(前期は98百万円の損失)となり、会社計画(売上高60百万円、営業損失40百万円)に対して若干上回った。ディープラーニング外観検査システム「AISIA-AD」の検証考察(PoC含む)件数が増加したほか、製造ラインへの導入が1件開始され増収要因となった。引き合いのある対象検査物としては、フィルム製品のほか輸送機器用部品、ペットボトルのキャップ、電設資材など幅広く、早期収益化に取り組んでいく。

(5) その他
その他事業の売上高は前期比15.1%増の51百万円、営業損失は97百万円(前期は100百万円の損失)となり、おおむね会社計画(売上高50百万円、営業損失96百万円)どおりに着地した。プログラミングスキル判定サービス「TOPSIC」は、アルゴリズム能力を問う「TOPSIC-PG」に加えて、2021年2月よりデータベース言語であるSQLのスキルを判定する「TOPSIC-SQL」の提供を開始したこともあり、契約社数が着実に増加し増収となった。また、2021年11月に販売を開始した「IDEA GARDEN」については、若干の売上を計上した。利益面では、開発費用の負担により損失計上が続いている。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)

《YI》

 提供:フィスコ

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