脱コロナで業績回復へ、24年2月期【経常増益】リスト〔第2弾〕 <成長株特集>
小売業をはじめ内需関連が多くを占める2月期決算企業の本決算発表が出そろった。本特集では、新型コロナウイルスの感染拡大を受けて大きく落ち込んだ業績の回復が進むなか、24年2月期に経常利益が増益を見込む企業にスポットライトを当てた。
「株探」集計によると、24年2月期の経常利益予想を開示した193社のうち、同利益が前期比で増益もしくは黒字転換を計画する企業は140社と全体の7割以上に上った。行動制限の緩和やインバウンド需要の復調などを背景にコロナ禍からの業績回復が顕著で、今期業績予想が新型コロナ流行前の水準を上回る見通しを示す企業も目立つ。
今回は20日に配信した「脱コロナで業績回復へ、24年2月期【経常増益】リスト〔第1弾〕」に続く第2弾として、20日時点の時価総額が200億円以上800億円未満の銘柄を対象に、24年2月期に経常利益が増益見通しを示している35社を選び出し、増益率が大きい順に記した。「★」は今期に過去最高益を見込む企業。
増益率トップとなったのは、RPAホールディングス <6572> [東証P]。24年2月期の経常利益は前期比5.4倍の4.3億円に急回復する見通しだ。ロボットアウトソーシング事業で中堅・中小企業向けに事務作業代行ソフト「BizRobo!」の導入が増加し、ライセンス収入が伸びる。人工知能(AI)関連人気の波にも乗り、株価は19日に約1年5ヵ月ぶりの高値450円まで上昇する場面があった。
2位の老舗百貨店を運営する松屋 <8237> [東証P]は外出需要の拡大や水際対策の緩和による訪日外国人客の回復が追い風となる。また、銀座本店のリニューアルによって化粧品やラグジュアリーブランドの販売を強化するほか、売り場運営の効率化なども寄与し百貨店事業の収益力が向上する。今期経常利益は前期比3.8倍の10億円に拡大を見込み、配当も前期比2.5円増の5円に大幅増配する方針を示している。
3位にリスト入りしたのは、女性向け衣料品や服飾雑貨の製造小売企業であるバロックジャパンリミテッド <3548> [東証P]。今期の経常利益は前期比3.8倍の45.8億円と新型コロナ流行前の水準に復活する見通しだ。国内で成長ブランドを中心に新規出店を強化するほか、海外ではゼロコロナ政策の撤廃で消費が大きく回復している中国事業の収益改善を計画する。
7位に入ったテラスカイ <3915> [東証P]の今期経常利益は前期比93.4%増の11.8億円と3期ぶりの最高益更新を見込む。クラウド市場の拡大を追い風に、主力とするSalesforce関連のクラウドインテグレーション案件数が一段と増加し、それに伴って自社製品の販売も伸びる見通しだ。決算発表を受けて株価は連日急騰し、昨年12月以来の水準まで回復している。
8位のロコンド <3558> [東証G]も3期ぶりの最高益更新を目指す。今期は主力の靴とファッションの通販サイト「LOCONDO.jp」の継続的な成長に加え、前期に取得したリーボック日本事業とのシナジー創出などによって大幅増収を見込む。また、倉庫拡張の完了による固定費の固定化やリーボックにおける外部コストの内製化も利益拡大につながる。併せて、自社株買いの実施を発表したことも好感され、株価は約1年9ヵ月ぶりの高値圏に浮上している。
選出リストは小売業をはじめ、外出需要の拡大が追い風となる企業が目立つ。外食業のリンガーハット <8200> [東証P]やDDホールディングス <3073> [東証P]、アパレル大手のTSIホールディングス <3608> [東証P]やオンワードホールディングス <8016> [東証P]のほか、アミューズメント施設を展開するイオンファンタジー <4343> [東証P]、衣料を中心にリユース品の販売が好調なトレジャー・ファクトリー <3093> [東証P]などが入っている。
┌─── 経常利益 ───┐ 予想
コード 銘柄名 増益率 24年2月期 23年2月期 PER
<6572> RPA 438 430 80 124
<8237> 松屋 283 1000 261 102
<3548> バロック 279 4585 1211 11.7
<8200> リンガハット 242 900 263 154
<2930> 北の達人 160 1405 541 48.1
<4343> イオンファン 105 2700 1318 105
<3915> テラスカイ 93.4 1180 610 46.4 ★
<3558> ロコンド 81.7 1750 963 14.3 ★
<3073> DDHD 78.4 1495 838 17.1
<3608> TSIHD 42.5 5500 3859 14.9
<6279> 瑞光 27.5 2830 2219 13.8
<3922> PRTIME 23.9 1472 1188 19.7
<4714> リソー教育 22.9 3000 2442 23.8
<4413> ボードルア 22.5 1265 1033 35.7 ★
<2918> わらべ日洋 19.9 5550 4628 12.0 ★
<8016> オンワード 18.4 6300 5319 12.6
<8217> オークワ 14.4 3600 3148 31.9
<4763> C&R 12.4 4500 4002 15.6 ★
<8125> ワキタ 11.4 6550 5880 15.9
<3093> トレファク 9.6 2874 2622 21.7 ★
<6058> ベクトル 8.1 7160 6623 14.8 ★
<8008> 4℃ホールデ 6.7 2500 2342 29.5
<3546> アレンザHD 5.6 6250 5917 8.1
<2882> イートアンド 4.5 1100 1053 50.8
<9842> アークランズ 4.3 20000 19176 4.6
<8011> 三陽商 2.6 2500 2437 8.3
<2305> スタ・アリス 2.5 4110 4009 15.4
<8168> ケーヨー 2.4 5650 5520 13.0
<2669> カネ美食品 2.1 2800 2742 15.6
<8167> リテールPA 1.9 6300 6181 18.0
<3333> あさひ 1.6 5400 5316 10.0
<7679> 薬王堂HD 0.6 5049 5017 14.7
<5982> マルゼン 0.5 4100 4080 11.6
<9381> エーアイテイ 0.3 5620 5605 10.0 ★
<2742> ハローズ 0.1 9150 9141 10.4 ★
※経常利益の単位は百万円。2022年1月以降に上場した企業は除いた。
株探ニュース
「株探」集計によると、24年2月期の経常利益予想を開示した193社のうち、同利益が前期比で増益もしくは黒字転換を計画する企業は140社と全体の7割以上に上った。行動制限の緩和やインバウンド需要の復調などを背景にコロナ禍からの業績回復が顕著で、今期業績予想が新型コロナ流行前の水準を上回る見通しを示す企業も目立つ。
今回は20日に配信した「脱コロナで業績回復へ、24年2月期【経常増益】リスト〔第1弾〕」に続く第2弾として、20日時点の時価総額が200億円以上800億円未満の銘柄を対象に、24年2月期に経常利益が増益見通しを示している35社を選び出し、増益率が大きい順に記した。「★」は今期に過去最高益を見込む企業。
増益率トップとなったのは、RPAホールディングス <6572> [東証P]。24年2月期の経常利益は前期比5.4倍の4.3億円に急回復する見通しだ。ロボットアウトソーシング事業で中堅・中小企業向けに事務作業代行ソフト「BizRobo!」の導入が増加し、ライセンス収入が伸びる。人工知能(AI)関連人気の波にも乗り、株価は19日に約1年5ヵ月ぶりの高値450円まで上昇する場面があった。
2位の老舗百貨店を運営する松屋 <8237> [東証P]は外出需要の拡大や水際対策の緩和による訪日外国人客の回復が追い風となる。また、銀座本店のリニューアルによって化粧品やラグジュアリーブランドの販売を強化するほか、売り場運営の効率化なども寄与し百貨店事業の収益力が向上する。今期経常利益は前期比3.8倍の10億円に拡大を見込み、配当も前期比2.5円増の5円に大幅増配する方針を示している。
3位にリスト入りしたのは、女性向け衣料品や服飾雑貨の製造小売企業であるバロックジャパンリミテッド <3548> [東証P]。今期の経常利益は前期比3.8倍の45.8億円と新型コロナ流行前の水準に復活する見通しだ。国内で成長ブランドを中心に新規出店を強化するほか、海外ではゼロコロナ政策の撤廃で消費が大きく回復している中国事業の収益改善を計画する。
7位に入ったテラスカイ <3915> [東証P]の今期経常利益は前期比93.4%増の11.8億円と3期ぶりの最高益更新を見込む。クラウド市場の拡大を追い風に、主力とするSalesforce関連のクラウドインテグレーション案件数が一段と増加し、それに伴って自社製品の販売も伸びる見通しだ。決算発表を受けて株価は連日急騰し、昨年12月以来の水準まで回復している。
8位のロコンド <3558> [東証G]も3期ぶりの最高益更新を目指す。今期は主力の靴とファッションの通販サイト「LOCONDO.jp」の継続的な成長に加え、前期に取得したリーボック日本事業とのシナジー創出などによって大幅増収を見込む。また、倉庫拡張の完了による固定費の固定化やリーボックにおける外部コストの内製化も利益拡大につながる。併せて、自社株買いの実施を発表したことも好感され、株価は約1年9ヵ月ぶりの高値圏に浮上している。
選出リストは小売業をはじめ、外出需要の拡大が追い風となる企業が目立つ。外食業のリンガーハット <8200> [東証P]やDDホールディングス <3073> [東証P]、アパレル大手のTSIホールディングス <3608> [東証P]やオンワードホールディングス <8016> [東証P]のほか、アミューズメント施設を展開するイオンファンタジー <4343> [東証P]、衣料を中心にリユース品の販売が好調なトレジャー・ファクトリー <3093> [東証P]などが入っている。
┌─── 経常利益 ───┐ 予想
コード 銘柄名 増益率 24年2月期 23年2月期 PER
<6572> RPA 438 430 80 124
<8237> 松屋 283 1000 261 102
<3548> バロック 279 4585 1211 11.7
<8200> リンガハット 242 900 263 154
<2930> 北の達人 160 1405 541 48.1
<4343> イオンファン 105 2700 1318 105
<3915> テラスカイ 93.4 1180 610 46.4 ★
<3558> ロコンド 81.7 1750 963 14.3 ★
<3073> DDHD 78.4 1495 838 17.1
<3608> TSIHD 42.5 5500 3859 14.9
<6279> 瑞光 27.5 2830 2219 13.8
<3922> PRTIME 23.9 1472 1188 19.7
<4714> リソー教育 22.9 3000 2442 23.8
<4413> ボードルア 22.5 1265 1033 35.7 ★
<2918> わらべ日洋 19.9 5550 4628 12.0 ★
<8016> オンワード 18.4 6300 5319 12.6
<8217> オークワ 14.4 3600 3148 31.9
<4763> C&R 12.4 4500 4002 15.6 ★
<8125> ワキタ 11.4 6550 5880 15.9
<3093> トレファク 9.6 2874 2622 21.7 ★
<6058> ベクトル 8.1 7160 6623 14.8 ★
<8008> 4℃ホールデ 6.7 2500 2342 29.5
<3546> アレンザHD 5.6 6250 5917 8.1
<2882> イートアンド 4.5 1100 1053 50.8
<9842> アークランズ 4.3 20000 19176 4.6
<8011> 三陽商 2.6 2500 2437 8.3
<2305> スタ・アリス 2.5 4110 4009 15.4
<8168> ケーヨー 2.4 5650 5520 13.0
<2669> カネ美食品 2.1 2800 2742 15.6
<8167> リテールPA 1.9 6300 6181 18.0
<3333> あさひ 1.6 5400 5316 10.0
<7679> 薬王堂HD 0.6 5049 5017 14.7
<5982> マルゼン 0.5 4100 4080 11.6
<9381> エーアイテイ 0.3 5620 5605 10.0 ★
<2742> ハローズ 0.1 9150 9141 10.4 ★
※経常利益の単位は百万円。2022年1月以降に上場した企業は除いた。
株探ニュース