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7320 日本リビング保証

東証G
3,080円
前日比
-50
-1.60%
PTS
-円
業績
単位
100株
PER PBR 利回り 信用倍率
17.3 5.89 0.32
時価総額 158億円
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イオンFS

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日本リビング保証 Research Memo(6):新しい成長戦略の策定と実行(2)


■成長戦略

2. 事業戦略
(1) HomeworthTech事業
主力商品の新築住宅向けの設備10年保証の「住設あんしんサポート」は、日本リビング保証<7320>の高成長を支えてきたが、将来にわたっても安定的に収益が見込めるビジネスである。

一方、新商品については、建物保証(2020年7月)、資産価値保証(2021年6月)、地震保証(2022年7月)と立て続けに投入してきている。新商品群の市場規模は既存商品(設備保証)の約2倍の約1,525億円あるとされ、新商品による市場・顧客拡大が期待される。同社では、将来的には次世代商品(建物保証、資産価値保証、地震保証)の売上高が主力商品(設備保証)を上回るとみている。

では、期待されている有望商品(地震保証と資産価値保証)をみていこう。

従来の地震保険では保証50%、自己負担50%で家屋再建では一部資金不足が生じていた。同社の「地震あんしんサポート」では、保証100%(自己負担なし)で、万が一の地震被害にあった場合でも住宅を確実に建て直すことができる。住宅事業者を通じて当サービスを提供することで、住宅事業者のブランディングおよび住宅オーナーにさらなる安心を届ける。現在、サービスが始まったばかりであるが引き合いは好調であると聞いている。

次に、「資産価値保証」は、定期メンテナンスや保証サービスによって、住宅の資産価値を維持&バリューアップするサービスである。木造戸建て住宅は一般的に法定耐用年数22年でその資産価値はほぼゼロになるとされている。万が一、住宅オーナーが住宅を売却する際に売却価格を保証(売却価格が市場価格を下回る場合は差額を補填)するものである。転勤や家族構成の変化により予期せず住宅を手放すことになっても、安心して住み替えを行うことができる。なお、この商品のコンセプトは、同社のミッション「暮らしの資財価値を最大化する」の考え方を反映したものといってもよい。

また、2022年12月よりパナソニックビルダーズグループの新築戸建て向けに「地震あんしんサポート」の提供を開始した。パナソニック系住宅ビルダーとしては初アカウントとなり、大口販売チャネルを獲得したことになる。今後は新商品(地震保証)から定番商品(設備保証や建物保証)へのクロスセル販売を目論んでいる。

(2) ExtendTech事業
ExtendTech事業は、「再生可能エネルギー領域(蓄電システム機器)」「教育ICT領域(タブレット)」「その他領域(家電など)」からなる。

「再生可能エネルギー領域」では、FIT(固定価格買取制度)終了を契機に、太陽光パネルを設置している住宅オーナーは「電力の売電」から「電力の自家消費」へ切り替えつつある。太陽光発電モジュールに家庭用蓄電池を設置し、電力を自家消費する流れが確実にきている。国内における住宅の再生可能エネルギー設備(太陽光発電や蓄電池など)市場は2050年までに急激な成長により約1.2兆円という巨大なマーケットに拡大すると予想されており、同社はその中心で長期保証サービスを展開しており、大いに成長拡大余地があるといえる。

また、2022年12月にはEV充電設備に対する長期保証サービス「EV Charge Warranty」の提供を開始した。EV/PV(電気自動車と太陽光発電モジュール連係)領域をオールカバーする「EV/PVおまとめ保証サービス」をいち早く構築し、将来における需要の顕在化に備えている。

「教育ICT領域」では、2021年のGIGAスクール構想(小中学校の児童生徒向けの1人1台タブレット配備))による大型スポット受注(特需)があった。高等学校における導入やタブレットの陳腐化などによる周期的な買い換え需要(3~5年周期)があり、今後も引き続き安定収入が見込まれている。

「その他領域」では、現在家電の保証サービスが売上規模は小さいながら伸びている。また、「海外製品の信用補完サービス」も有望視している。海外市場で普及しつつある人気商品(例えば、かつてのロボット掃除機ルンバ)が日本市場に参入してきた時、国内利用者は海外商品の機能やサービスに不安を感じる。そこに少なくとも機能保証サービスが付与されれば、国内市場での利用が一気に広がると想定される。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 清水啓司)

《SI》

 提供:フィスコ

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