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【注目】半導体不足がスマートフォン価格を押し上げ

 AI関連需要による半導体不足がスマートフォン価格を押し上げ、26年には出荷台数が減少する可能性があるとの指摘が出ている。調査によると、26年のスマートフォン出荷台数は従来の横ばい-増加見通しから一転し、前年比2.1%減少の可能性があり、平均販売価格は従来予想の3.6%上昇から6.9%上昇へと引き上げられた。

 背景には、半導体供給網における特定チップの不足やボトルネックがあり、部品価格の上昇が続いていることがある。

 世界的なデータセンター拡張により、エヌビディア<NVDA>のシステム需要が急増し、同社が採用するSKハイニックスやサムスン製のメモリチップ需要も拡大しているが、AIデータセンターで使われるDRAMはスマートフォンにも不可欠で、その価格は需給ひっ迫を受けて今年大きく上昇した。

 200ドル未満の低価格帯スマートフォンでは、年初来で部品コストが20-30%上昇し、中・高価格帯でも10-15%上昇しているという。さらに、メモリ価格は26年第2四半期までに追加で40%上昇する可能性があり、製造コストは現在の高水準からさらに8-15%以上押し上げられる見通しだ。

 こうしたコスト増は消費者価格に転嫁され、平均販売価格の上昇に繋がると見られる。「アップル<AAPL>とサムスンは今後数四半期を乗り切る余地があるが、利益率と市場シェアの調整余地が小さい他社にとっては厳しい。とりわけ中低価格帯を主戦場とする中国メーカーに影響が大きい」と指摘した。

 一部メーカーは、カメラモジュールやディスプレー、音響部品の仕様を引き下げたり、旧世代部品を再利用したりする可能性があり、同時に高価格モデルへの誘導を強めると見られている。


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