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【材料】ファイザーが下落 26年度の売上高は横ばいを見込む=米国株個別

(NY時間10:35)(日本時間00:35)
ファイザー<PFE> 25.17(-1.27 -4.79%)

 ファイザー<PFE>が下落。取引開始前にガイダンスを公表し、25年度通期の売上高見通しを上方修正した一方、26年度通期は予想範囲内の見通しを示し、来年の成長は横ばいを見込んでいる。また、26年度のコロナワクチン関連製品売上高は25年度比で15億ドルの減少を見込んだほか、一部製品の特許切れにより、26年度は約15億ドルの売上高の下振れを想定しているという。

 ブーラCEOは声明で「25年度は強力な実行力と戦略的進展を示した年だった。研究開発基盤を強化し、特許切れ後の成長に向けた体制を整えた。26年度は革新的な医薬品・ワクチンを通じて患者に貢献しつつ、株主価値の長期的な創出に注力する」と述べている。

 同社は大規模なコスト削減に踏み切り、2027年までに70億ドル超の削減を目指し、その大半を来年中に完了させる計画。

 同社は、数年前に売上急増をもたらしたコロナワクチンや治療薬の需要減退を受け、再建の正念場を迎えており、株価はパンデミック期の高値から50%超下落。

 主力の抗凝固薬エリキュースはバイデン政権時代のインフレ抑制法に基づく価格交渉対象に選ばれ、来年から薬価引き下げが実施されるほか、肺炎ワクチンのプレベナーや心疾患治療薬ビンダケルといった主要製品も競争激化に直面している。

 こうした中、同社はパイプライン強化につながる買収を模索し、最近では肥満症治療薬のメッツェラ社を巡る争奪戦でノボを抑えて買収に成功。総額100億ドルのメッツェラ買収により、成長著しい肥満症分野で有望な新薬群を獲得。しかし、これらはまだ開発初期段階にあり、市場投入までには数年を要する可能性がある。

 同社は2023年後半にもがん治療薬メーカー、シージェン社の430億ドル買収など一連の大型買収を進めてきているが、現時点で十分なヒット創出には至っておらず、11月初旬時点でウォール街は少なくとも2031年まで売上が横ばいから減少すると予測している。

(通期見通し)
・1株利益(調整後):2.80~3.00ドル(予想:3.05ドル)
・売上高:約620億ドル(従来:610~640億ドル)

(26年度通期見通し)
・1株利益(調整後):2.80~3.00ドル(予想:3.05ドル)
・売上高:595~625億ドル(予想:616.3億ドル)
・研究開発費(調整後):105~115億ドル
・販管費(調整後)は125~135億ドル

MINKABU PRESS編集部 野沢卓美

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