【材料】サンウェルズ:NOT RATED継続【今村証券アナリストレポート】
●サンウェルズ<9229>[東証P]
レーティング: NOT RATED(2025/6/11) → NOT RATED
◆パーキンソン病専門の有料老人ホーム「PDハウス」を運営
◆入居率が低迷し、当初予想を上回る赤字に
◆社長退任へ、プライムからスタンダードへの上場市場区分変更も予定

(注)2022年2月15日付で株式1株につき100株の割合で、2023年4月1日付で株式1株につき3株の割合で株式分割を実施しており、22/3期~24/3期のEPS・1株配は22/3期期首に分割が行われたと仮定して算定。
24/3期の伸び率は会計方針の変更に伴い比較できず。
◆パーキンソン病専門の有料老人ホーム「PDハウス」運営が主軸
パーキンソン病専門の有料老人ホーム「PDハウス」(55施設・3,025床(2025年12月10日現在))を中心とした介護事業等を運営。「PDハウス」では、①パーキンソン病に特化したリハビリプログラム、②神経内科専門医師による訪問診療、③24時間の訪問看護・服薬管理―を特徴とした専門的なサービスを提供する。
◆入居率が低迷し、当初予想を上回る赤字に
今期(2026年3月期)第2四半期累計期間の営業損益はほぼ10億円の赤字であり、当初の会社予想(8億4300万円の赤字)を上回る赤字幅だった(資料1、出所:有価証券報告書・決算短信・決算説明資料)。第3四半期以降の予想も下方修正され、当初は第3四半期と見込んでいた四半期ベースでの営業黒字化は第4四半期に遅れる予想になった。
当初より、①診療報酬の過大請求の判明を受けた全施設での訪問看護計画見直しにより、医療単価が減少する、②施設開設(第2四半期累計期間実績9施設、通期計画13施設)に伴う先行費用が嵩む―ことは織り込んでいた(資料2、出所:決算説明資料)。想定外だったのは、入居率の低迷だ(資料3、出所:有価証券報告書・決算説明資料)。この会社では、新年度が始まると、前年度に開設したすべての施設を既存施設とみなす。今期の場合、前期後半に開設しまだ入居率が低い施設が既存施設になったため、全体の入居率は低く始まった。その後、徐々に入居率が高まっていくと想定していたが、実際は9月まで低い水準で横ばいが続いた。(1)診療報酬の過大請求が報じられた昨年9月以降、積極的な営業活動を制限した影響が想定より大きく、集客が伸びなかった、(2)集客できた施設でも離職者が多く出て、入居者の受け入れを制限せざるを得なかった―ことが要因だ。
営業活動は今年5月に再開し、同8月には入居を検討する本人・家族からの問い合わせや病院などからの紹介件数が営業活動制限前の水準に戻った。離職者の補充採用も概ね完了した。第3四半期以降は入居率向上につなげていく方針だ。



(注) 入居率=各施設の月末入居者数÷各施設の定員数
◆社長退任へ、プライムからスタンダードへの上場市場区分変更も予定
今月1日、新たな不正行為が発覚した。代表取締役社長が運転代行サービスなどを私的目的で利用していた。代表取締役社長は後任が決定次第、退任する意向を示した。これが公表されて以降、昨日まで株価は上場来安値更新が続いている。
また6月には、来年3月末までにスタンダード市場への市場区分変更申請をする準備を開始すると公表した。プライム市場の上場維持基準への適合と、プライム市場の新規上場基準に準じた基準への適合が求められているが、基準を達成するのは難しいと判断した。
今村証券では、投資判断を停止している。収益性の大幅な低下に加えて、借入金に付されている財務制限条項に抵触したことが、継続企業の前提に重要な疑義を生じさせるような事象・状況に該当するためだ。会社は、(1)人員配置の適正化や新規施設の収益貢献による業績改善を見込んでいる、(2)財務制限条項に抵触している契約について、取引先金融機関より期限の利益喪失の権利行使を行わないことを書面で承諾を得ている、(3)3月に債権流動化の契約を締結し当面の事業資金を確保している―ことから、継続企業の前提に関する重要な不確実性は認められないとしている。
| 【レーティングの定義】 OUTPERFORM:今後12カ月間のトータルリターンがTOPIXの予想リターンを10%超上回ると予想される。 NEUTRAL:今後12カ月間のトータルリターンがTOPIXの予想リターンの+10%と-10%の間に入ると予想される。 UNDERPERFORM:今後12カ月間のトータルリターンがTOPIXの予想リターンを10%超下回ると予想される。 トータルリターン:株価変動率+配当利回り 目標株価は12カ月間の投資を想定しており、将来発行されるレポートで修正されることもあります。 |
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