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【注目】テザー、S&Pがドルペッグ維持能力を最低評価に下げ、担保不足の恐れ

 格付け会社S&Pグローバル・レーティングは26日、テザー社が発行するステーブルコイン「テザー(USDT)」のドルペッグ維持能力について、最も低い評価に引き下げた。ビットコイン価格が下落すれば、テザーの裏付け資産が不足する恐れがあると警告。テザーの安定性評価を従来の「制約的」から「弱い」に引き下げた。

 今回の判断は、過去1年間にテザーの準備資産による高リスク資産へのエクスポージャーが拡大したことを反映させたとS&Pは説明。情報開示が限定的である点も指摘した。

 ビットコインは現在、テザーの流通量の約5.6%を占めており、3.9%の超過担保マージンを上回っている。これはビットコイン価格下落を準備が完全には吸収できない状況を示していると指摘。ビットコインの値下がりが他の高リスク資産の価値下落と重なれば、準備資産の吸収余力が減り、裏付け資産が不足する可能性があるという。

 ステーブルコインは一般的にドルなど他の資産の価格に連動することを目指す暗号資産で、発行体はドルペッグを維持するため、現金や短期国債などの資産を準備として保有する。

 ビットコインは急落しており、月間では暗号通貨業界で経営破綻が相次いだ2022年以来の大幅安となる見通し。一方、コインゲッコーのデータによると、テザーの流通量は11月に約10億ドル増の1844億ドルに達している。


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