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【材料】ウォルマート、決算受け上昇 ホリデーシーズンに向けて好調なスタートとも言及=米国株個別

(NY時間09:41)(日本時間23:41)
ウォルマート<WMT> 106.27(+5.66 +5.63%)

 ウォルマート<WMT>が上昇。取引開始前に8-10月期決算(第3四半期)を発表し、米既存店売上高、1株利益とも予想を上回った。ガイダンスも公表し、通期の1株利益および売上高の見通しを上方修正している。

 eコマースが消費減速を相殺した模様で、世界全体のeコマース販売は27%増、全事業セグメントでも20%超の伸びを見せている。特に店頭出荷デリバリーが約70%増で成長を牽引した。

 同社がホリデーシーズンに向けて好調なスタートを切ったと述べたこともフォローとなっている。レイニーCFOは、消費者動向を注意深く見守る必要があるとしつつも、「事業全体に自信を持っている」と述べ、勢いが続いていると強調した。eコマースは明るい領域で、配送エリア拡大、出荷コスト低減、サードパーティのマーケットプレイス拡大が寄与していると説明した。

 同CFOは、「消費支出は概ね安定しているものの、低所得層はやや弱含んでいるものの、中・高所得層は後退しておらず、特に後者は一部カテゴリで支出が増加している。フードスタンプ(補助給付)の混乱で一時的に売上が弱まったが、すでに回復したという。

 同社はまた、上場先をこれまでのニューヨーク証券取引所からナスダックへの移行を発表。ティッカーに変更しないとしている。12月9日から。

 今期はマクミロンCEOの下で迎える最後の四半期となる。同CEOは来年退任予定で、2019年から米国事業を率いるファーナー氏が後任に就く。マクミロン氏は10代で同社に入社し、eコマース、広告、マーケットプレイス事業を核とするデジタル企業へと同社を変革させてきた功績があり、在任中に株価は4倍となった。

 一方、ファーナー氏も長年同社に勤め、父親も同社で働いていたという生粋のウォルマート育ちで、店舗の園芸用品売り場でのアルバイトからキャリアをスタートさせた。同氏はかねてから後継者と目されており、AI時代の同社の成長を率いる役割を担う。

(8-10月・第3四半期)
・米既存店売上高:4.4%増(予想:4.0%増)
  ウォルマート:4.5%増(予想:4.0%増)
  サムズクラブ:3.8%増(予想:4.8%増)
・1株利益(調整後):0.62ドル(予想:0.60ドル)
・売上高:1795.0億ドル 5.8%増(予想:1775.7億ドル)
・サムズクラブeコマース:22%増(予想:15.7%増)
・営業利益(調整後):72.0億ドル(予想:70.3億ドル)

(11-1月・第4四半期見通し)
・売上高:6370~6630億ドル(予想:6198億ドル)
・粗利益率(調整後):75%(予想:74.6%)

(26年度通期見通し)
・1株利益(調整後):2.58~2.63ドル(従来:2.52~2.62ドル)(予想:2.61ドル)
・売上高:4.8~5.1%増(従来:3.75~4.75%増)

MINKABU PRESS編集部 野沢卓美

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