【注目】トランプ関税の口頭弁論が始まる 最高裁判事の大半からは懐疑的見解も
トランプ大統領が課した包括的な対外関税の合法性を巡り、米連邦最高裁で5日、口頭弁論が始まった。トランプ大統領が主張する1977年制定の国際緊急経済権限法(IEEPA)の適用に複数の判事が疑問を呈し、トランプ大統領が柱とする経済政策が揺らぐ可能性が出ている。
トランプ政権を代表して弁論に立った司法省のサウアー訟務長官に対し、最高裁のロバーツ長官は関税について「実質的に米国民への課税であり、それは本来常に議会の根幹的な権限だ」と述べた。保守派のゴーサッチ判事とバレット判事も、IEEPAが大統領に数百億ドル規模の関税を徴収する権限を認める根拠となり得るのか、懐疑的な見方が示された。ただし3人は関税に抗議する原告側の主張についても追求した。
トランプ大統領に不利な判断が下された場合、1000億ドルを超える返還が命じられる可能性がある。現在関税を負担している米輸入業者は、重荷が軽減される。またトランプ大統領は外交と通商で多用してきた関税という万能兵器の威力を失いかねない。
逆にトランプ大統領が勝訴した場合、今後も米国の大統領が非常事態を名目に広範な措置を取る先例が確立される恐れがある。
最高裁は異例の迅速スケジュールに沿って審理を進めており、判断は年末にも出る可能性がある。
トランプ大統領はIEEPAが国家安全保障や外交、経済上の緊急事態に対処するための包括的権限を大統領に認めると主張。同法には関税について明記はないが、輸入財産の規制を通じて危機に対応できるとする条文がある。
訴訟で争われているのは、トランプ大統領が4月2日に発表した「解放の日」関税で、輸出国別に10-50%の関税を課す一連の措置。大統領は長年に渡る米貿易赤字に対処するための正当な政策だと主張している。
また、カナダとメキシコ、中国を対象としたフェンタニル(合成オピオイド)密輸対策名目の関税措置も今回の審理対象に含まれる。
ただ、トランプ大統領が敗訴しても、政権側は他の複雑な法的手段を用いて多くの関税を維持できるとしている。鉄鋼とアルミ、自動車への関税は別の法律に基づくもので、今回の判決は直接影響しない。
株探ニュース
トランプ政権を代表して弁論に立った司法省のサウアー訟務長官に対し、最高裁のロバーツ長官は関税について「実質的に米国民への課税であり、それは本来常に議会の根幹的な権限だ」と述べた。保守派のゴーサッチ判事とバレット判事も、IEEPAが大統領に数百億ドル規模の関税を徴収する権限を認める根拠となり得るのか、懐疑的な見方が示された。ただし3人は関税に抗議する原告側の主張についても追求した。
トランプ大統領に不利な判断が下された場合、1000億ドルを超える返還が命じられる可能性がある。現在関税を負担している米輸入業者は、重荷が軽減される。またトランプ大統領は外交と通商で多用してきた関税という万能兵器の威力を失いかねない。
逆にトランプ大統領が勝訴した場合、今後も米国の大統領が非常事態を名目に広範な措置を取る先例が確立される恐れがある。
最高裁は異例の迅速スケジュールに沿って審理を進めており、判断は年末にも出る可能性がある。
トランプ大統領はIEEPAが国家安全保障や外交、経済上の緊急事態に対処するための包括的権限を大統領に認めると主張。同法には関税について明記はないが、輸入財産の規制を通じて危機に対応できるとする条文がある。
訴訟で争われているのは、トランプ大統領が4月2日に発表した「解放の日」関税で、輸出国別に10-50%の関税を課す一連の措置。大統領は長年に渡る米貿易赤字に対処するための正当な政策だと主張している。
また、カナダとメキシコ、中国を対象としたフェンタニル(合成オピオイド)密輸対策名目の関税措置も今回の審理対象に含まれる。
ただ、トランプ大統領が敗訴しても、政権側は他の複雑な法的手段を用いて多くの関税を維持できるとしている。鉄鋼とアルミ、自動車への関税は別の法律に基づくもので、今回の判決は直接影響しない。
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