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【材料】日華化学:NEUTRAL継続【今村証券アナリストレポート】

担当 近藤 浩之

●日華化学 <4463> [東証S]
レーティング:NEUTRAL(2025/3/11)→ NEUTRAL

◆主力は繊維加工用薬剤。EHD事業(環境、健康・衛生、先端材料)に注力
◆売上高・営業利益は過去最高、経常・純利益は減益
◆事業の収益性を改革

【タイトル】
(注)22/12期より「収益認識に関する会計基準」等を適用しており、22/12期の伸び率は記載していない。
出所:日華化学、ブルームバーグ、今村証券

◆主力は繊維加工用薬剤。EHD事業(環境、健康・衛生、先端材料)に注力

 産業用界面活性剤メーカー。化学品事業の主力である繊維加工用薬剤は国内シェアNo.1であり、繊維産業が盛んなアジアにも多くの拠点を有する。スポーツアパレルの撥水・吸水速乾、インテリアの防汚・防炎、自動車カーシートの難燃・耐久といった機能の付与などに用いられ、現在は「環境(Environment)」「健康・衛生(Health)」「先端材料(Digital)」領域(EHD事業)に事業を集中している。

 化粧品事業は美容室専売品のヘアケア剤やスカルプケア剤等のほか、ODM・OEM(相手先ブランドの受託開発・受託生産)を手掛け、積極投資、事業拡大を加速させる方針を示す。

◆売上高・営業利益は過去最高、経常・純利益は減益

 今期(2025年12月期)第2四半期累計期間の売上高は前年同期比4%増、営業利益は同19%増え、売上高、営業利益ともに過去最高を更新した(資料1、出所:決算短信・決算補足説明資料・リリース)。化学品、化粧品の両事業ともに堅調で、化学品事業はトランプ関税の影響により5月から中国やアジアの繊維生産が減速した影響を受けたものの、EHD事業の伸長、自動車や半導体関連の洗浄剤など新規ビジネスの獲得が補った。化粧品事業はODMや美容室向け新商品・注力商品の販売が伸びた。一方で経常利益、純利益は減益となり、主に為替差損益の悪化、新工場の建設資金調達にかかる支払手数料の計上が押し下げた。

(資料1) 業績の推移
【タイトル】
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 通期会社予想に関しては、想定為替レートを1米ドル=150円から147円へ円高方向に見直したために、経常利益を3億円(8.1%)、純利益を2億円(7.7%)減額修正した。売上高、営業利益に変更はなく、過去最高見通しだ。

◆事業の収益性を改革

・化学品事業…EHD事業へのシフト
 今期第2四半期累計期間の化学品事業に占めるEHD事業の売上比率は45.0%(前年同期比+0.4ポイント)となり、通期会社予想(50%)に向けては遅れ気味だが拡大基調が続いた(資料2、出所:決算補足説明資料)。「フッ素を用いない」撥水剤、繊維加工工程削減・短縮、排水の公害値低減などに貢献する薬剤の販売が伸長した。EHD製品の利益率は従来製品より10ポイント高く、EHD事業の売上比率が向上することで、化学品事業全体の利益率が高まっている。

(資料2) EHD事業売上高の推移
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・化粧品事業…新工場建設
 2027年に新工場の本格稼働を予定する。新工場は、ヘアケア剤市場の安定成長や高付加価値化、アジア市場の伸長を見据えた生産能力拡大、24時間稼働やデジタル化・自動化・省人化による生産性向上を主目的とする。現在は営業担当を増員して美容室に対するサポートを強化し、受注拡大を図っている。

◆投資判断はNEUTRAL継続

 今村証券による今期業績予想は、売上高570億円(前期比+5.4%)、営業利益38億円(同+8.0%)、純利益25億円(同▲9.2%)とする。会社予想からは営業利益が2億円、純利益が1億円上回る予想であり、前回(3月)今村証券予想からは売上高、営業利益を据え置き、純利益を会社予想に沿って2億円引き下げた。来期(2026年12月期)は売上高590億円(今期今村証券予想比+3.5%)、営業利益40億円(同+5.3%)、純利益28億円(同+12.0%)を予想する。また配当に関しては、配当方針に沿えば、来期もDOE(自己資本配当率)の引き上げ、増配が見込め、高い配当利回りが続くことになる(資料3、出所:リリース)。投資判断は「NEUTRAL」を継続するが、配当重視の投資対象として検討に値する。

(資料3) 配当方針(2024年7月開示)
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【レーティングの定義】
OUTPERFORM:今後12カ月間のトータルリターンがTOPIXの予想リターンを10%超上回ると予想される。
NEUTRAL:今後12カ月間のトータルリターンがTOPIXの予想リターンの+10%と-10%の間に入ると予想される。
UNDERPERFORM:今後12カ月間のトータルリターンがTOPIXの予想リターンを10%超下回ると予想される。
トータルリターン:株価変動率+配当利回り
目標株価は12カ月間の投資を想定しており、将来発行されるレポートで修正されることもあります。


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