【市況】伊藤智洋が読むマーケット・シナリオ【週間展望】 8月24日版
日経平均は天井をつける確認作業へ入っている公算
1. 4月以降の上昇は反動高によって作られた動きに過ぎない
図1は、 日経平均株価の月足です。日経平均株価は4月7日安値の3万0792円から8月19日高値の4万3876円まで、4カ月半程度で1万3084円幅の上げ場面となっています。
同様に大幅な調整を経過することなく、1万円幅以上の上昇を経過している場面を探すと、1990年以降のチャートでは、「2003年4月から2007年2月、4年程度で1万0697円幅の上げ」、「2012年6月から2015年6月、3年程度で1万2714円幅の上げ」、「2020年3月から2021年2月、1年程度で1万4356円幅の上げ」、「2023年1月から2024年7月、15年程度で1万6765円幅の上昇」などがあります。
それぞれの局面で上昇前の動きから見ていくと、2003年4月から2007年2月の上げは、2000年4月の高値2万0833円から2003年4月までの一本調子の大幅な下げを戻す格好で上昇しています。
2012年6月から2015年6月の上げは、2007年2月からの一本調子の下げを戻す格好で上昇しています。
2020年3月から2021年2月までの上げは、2020年1月から3月までの急落分を戻す格好で上昇しています。
上昇を開始する前には深刻な株価の下げ場面があり、それを止めるため、政府、日銀が株価を押し上げるための対策を実行して、その結果、1万円幅以上の上昇局面となっています。
2003年は、大手銀行に多額の公的資金を注入、2012年、2020年の上昇は、量的な金融緩和を実行するなど、それぞれ結果として市場へ流入するお金の量が増えたことで現れています。
2023年以降の上昇は、物価上昇の初期段階による株価へのプラスの影響や、円安、市場区分の変更で配当を増やす企業が増えて株価に割安感が出たことなどが要因だと考えられます(その他の3回と異なる展開となっています)。
2023年以降の上昇を除けば、過去3回は株価の大幅安の反動高と、それを押し上げる景気対策により作られたものです。
景気対策の効果が十分なものなら、株価は以前の高値を大きく上回ることになりますが、2003年以降の上げ、2012年以降の上げ場面では、以前の高値が上昇の終点の目安になっていることがわかります。
本年4月以降の上昇は、本年1月から4月までの下げの反動高として現れているに過ぎません。通常なら1月の高値に届かずに終わる程度の上げだと推測できるにもかかわらず、上昇が勢いづいたことで、1月の高値を超えて、7月、8月と史上最高値を更新しています。
これまでの値動きのパターンを考慮するなら、今後の価格がさらに上昇を継続する展開になりにくく、現在が天井になる場所を確認している作業の途中か、天井をつけた場面だと推測できます。
図1 日経平均株価(月足)

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1. 4月以降の上昇は反動高によって作られた動きに過ぎない
図1は、 日経平均株価の月足です。日経平均株価は4月7日安値の3万0792円から8月19日高値の4万3876円まで、4カ月半程度で1万3084円幅の上げ場面となっています。
同様に大幅な調整を経過することなく、1万円幅以上の上昇を経過している場面を探すと、1990年以降のチャートでは、「2003年4月から2007年2月、4年程度で1万0697円幅の上げ」、「2012年6月から2015年6月、3年程度で1万2714円幅の上げ」、「2020年3月から2021年2月、1年程度で1万4356円幅の上げ」、「2023年1月から2024年7月、15年程度で1万6765円幅の上昇」などがあります。
それぞれの局面で上昇前の動きから見ていくと、2003年4月から2007年2月の上げは、2000年4月の高値2万0833円から2003年4月までの一本調子の大幅な下げを戻す格好で上昇しています。
2012年6月から2015年6月の上げは、2007年2月からの一本調子の下げを戻す格好で上昇しています。
2020年3月から2021年2月までの上げは、2020年1月から3月までの急落分を戻す格好で上昇しています。
上昇を開始する前には深刻な株価の下げ場面があり、それを止めるため、政府、日銀が株価を押し上げるための対策を実行して、その結果、1万円幅以上の上昇局面となっています。
2003年は、大手銀行に多額の公的資金を注入、2012年、2020年の上昇は、量的な金融緩和を実行するなど、それぞれ結果として市場へ流入するお金の量が増えたことで現れています。
2023年以降の上昇は、物価上昇の初期段階による株価へのプラスの影響や、円安、市場区分の変更で配当を増やす企業が増えて株価に割安感が出たことなどが要因だと考えられます(その他の3回と異なる展開となっています)。
2023年以降の上昇を除けば、過去3回は株価の大幅安の反動高と、それを押し上げる景気対策により作られたものです。
景気対策の効果が十分なものなら、株価は以前の高値を大きく上回ることになりますが、2003年以降の上げ、2012年以降の上げ場面では、以前の高値が上昇の終点の目安になっていることがわかります。
本年4月以降の上昇は、本年1月から4月までの下げの反動高として現れているに過ぎません。通常なら1月の高値に届かずに終わる程度の上げだと推測できるにもかかわらず、上昇が勢いづいたことで、1月の高値を超えて、7月、8月と史上最高値を更新しています。
これまでの値動きのパターンを考慮するなら、今後の価格がさらに上昇を継続する展開になりにくく、現在が天井になる場所を確認している作業の途中か、天井をつけた場面だと推測できます。
図1 日経平均株価(月足)

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