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【材料】米自動車株、25%関税発動による影響は?=米国株個別

(NY時間09:36)(日本時間22:36)
GM<GM> 46.34(-4.61 -9.05%)
フォード<F> 10.14(-0.17 -1.60%)

 トランプ大統領が前日に、米国産以外の全ての自動車に25%の輸入関税の賦課を命じる布告に署名した。4月2日に発動し、3日から関税の徴収を開始。完成車だけではなく、主要な自動車部品にも適用される。リストは時間の経過と伴に拡大され、さらなる部品が含まれる可能性があるとしている。

 一方、ホワイトハウスが発表したファクトシートでは、米国・メキシコ・カナダ協定(USMCA)でカバーされる自動車の輸入業者の場合、米国産部品について証明する機会が与えられ、米国産以外の部品の価値にのみ25%の関税が適用されるシステムが導入されるとしている。

 この発表を受けて、アナリストは自動車メーカーへの具体的な影響について以下のように述べている。

 深刻な混乱を招くもので、その影響は第2四半期後半に現れ、来年にはさらに深刻化するだろう。OEMメーカーは影響を軽減することはできても、逃れることはできない。テスラ<TSLA>とステラティスは有利な立場にあると思われるが、GMとフォードは大きな逆風に直面する。

 これはトランプ政権にとって最も強硬な選択肢。米国で最終組み立てを行うことが関税を回避するための決定要因であるため、テスラ、リビアン<RIVN>、ルーシッド<LCID>は完全に免除される。GMとステランティスはメキシコで平均以上の価値を持つ車両の最終組み立ての割合が高く、台数も多い。フォードはGMやステラティスよりは影響は少ないだろう。

 GMとフォードは多くの部品を調達し、メキシコなど米国外でも生産を行っているため、完成車や自動車部品に関するより明確な情報が得られるまでは、株価は一定の圧力を受けることになるだろう。

 当初の関税は、外国および多くの米自動車メーカーにとってハリケーンのような逆風となり、メーカーやモデル、価格帯によって異なるものの、自動車の平均価格を5000-1万ドル押し上げるだろう。

 今回の関税はGMの人気車種「シボレー・トラックス」の販売に打撃を与え、電気自動車(EV)の利益目標を危うくする可能性がある。トラックス、エクイノックス、シルバラード、シエラピックアップトラックなど、2024年の販売台数のほぼ50%を占めるGMのモデル、およびEVは、主にメキシコ、カナダ、韓国から輸入されている。

 フォードのEV部門は、メキシコ製フラッグシップモデルのマッハEが自動車輸入関税25%の対象となるため、2024年よりも損失が拡大する可能性がある。

MINKABU PRESS編集部 野沢卓美


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