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【市況】12月のくりっく365、ドル・円はもみ合い、ランド・円は底堅い展開か

米ドル/円 <日足> 「株探」多機能チャートより

東京金融取引所(TFX)が手掛ける取引所為替証拠金取引「くりっく365」は、11月の取引数量が前月比5.3%増の179万7103枚、1日の平均取引数量は8万5578枚と前月比で増加した。月末時点の証拠金預託額は5353.90億円と前月比で3.08億円減少した。取引通貨量では、米ドル、トルコリラ、メキシコペソ、豪ドル、南アフリカランドの順となった。一方、取引所株価指数証拠金取引「くりっく株365」は、11月の取引数量が前月比8.8%増の420万6493枚、1日の平均取引数量は20万309枚と前月比で増加した。月末時点の証拠金預託額は1059.59億円となり、前月比で32.47億円の増加となった。

取引数量トップは米ドル・円で53万4194枚(前月比2.1%減)であった。11月5日に投開票が行われた米大統領選挙でトランプ前大統領が勝利となり、トランプ氏の政策が利下げペースの減速を招くとの見方からドル高・円安が進行した。ドル・円は月前半に一時1ドル=151円台で推移していたが、月半ばには1ドル=156円台まで上昇した。その後、トランプトレードの巻き戻しが発生したほか、国内では円安進行の継続や堅調な経済指標発表から日銀の早期利上げ実施観測が高まった。国内追加利上げ実施を織り込む動きから円買いが進み、月末には1ドル=149円台へ突入した。ポーランドズロチ・円は2万1360枚(前月比158.3%増)であった。11月5日のトランプ氏大統領選勝利を受け、貿易依存度の高さやトランプ関税がリスク材料との見方からポーランドズロチは売られやすくなった。今年になって高金利通貨の「新顔」として東欧の通貨は取引高が増えてきているもよう。

12月のドル・円はもみ合う展開か。17-18日開催の米連邦公開市場委員会(FOMC)、18-19日開催の日銀金融政策決定会合への関心が高い状況であり、日米金融政策見通しをめぐり一喜一憂の展開となろう。市場では米国では利下げ実施、日本は追加利上げ見送りとの見方が多いとみられるが、決定的な見方とはなっていない。とはいえ、米国では今回利下げが実施されたとしても、堅調な経済指標発表が続いていることからこの先の利下げペースの減速が予想されるため、ドルは売りづらくなってきそうだ。国内では追加利上げが今月見送られたとしても来年以降の利上げ実施の可能性は消えていないため、やや円買い基調が継続するとみられる。ランド・円は底堅い展開か。11月21日に南アフリカ準備銀行(中央銀行)は25bpの利下げを実施した。また28日公表の金融安定報告では、政権安定化や停電の減少などにより見通しが改善していると指摘しており、景気の底入れ感が出てきている事はランド買いを下支えしそうだ。ただ、トランプ関税導入の遅れや中国景気回復の遅れなどのネガティブ要因はくすぶっていることには注意となろう。

《CN》

 提供:フィスコ

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