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【注目】バイデン政権、AI向け先端半導体に各国ごとの販売規制を検討

 バイデン政権は、エヌビディア<NVDA>やAMD<AMD>、他の米半導体メーカーが製造するAI向け先端半導体について、各国ごとの販売規制を検討している。ブルームバーグが関係者の話として伝えた。規制が実行されれば、一部諸国のAI開発能力の制限につながる。
 
 バイデン政権の新たなアプローチは、国家安全保障の観点から特定諸国向けの輸出許可に上限を設ける。AIデータセンターへの需要が高まり、それを賄う潤沢な資金力を持つペルシャ湾岸諸国が焦点だという。

 ただ、検討は初期段階でなお流動的であり、バイデン大統領在任中に導入されるかは見通せない。

 検討中の指針は、UAEやサウジのデータセンター向けAI半導体の輸出許可手続きを円滑にする新たな枠組みに追加される見通しだという。

 世界各国のAI開発に伴う安全保障上のリスクを米政府は注視しており、国ごとの上限設定はAIを巡る中国の野心的動きを当初標的としていた規制の強化につながる。バイデン政権は、エヌビディアやAMDなどによる中東・アフリカ・アジア40カ国余りへのAI半導体輸出を既に制限している。これらの製品が中国に流用される不安が背景にある。

 同時に米当局者の一部は、エヌビディア製を中心に半導体の輸出許可をより幅広い外交目標達成の手段と考えるようになった。米国の技術を利用するに当たり、中国との関係縮小を主要企業に求めることも含まれるが、懸念は中国以外にも及ぶ。
 
 中国のファーウェイや他の外国メーカーが、制約の恐らく少ないエヌビディア製半導体の実用的代替品を提供する日が訪れれば、AIのグローバル情勢を方向付ける米国の力が弱まるのではないかと当局者らは不安視する。

 一部の当局者らはそうした可能性が現実的でなく、現在の交渉上の立場を考えれば、グローバルAI半導体輸出に一層制限的アプローチを採用すべきだと主張する。一方、中国が勢力を拡大し、それらの顧客を獲得するような場合に備え、他の諸国による米国技術の購入を過度に難しくしないよう警戒する声もある。

(NY時間08:42)(日本時間21:42)時間外
エヌビディア<NVDA> 136.88(-1.19 -0.86%)
AMD<AMD> 163.25(-2.02 -1.22%)

MINKABU PRESS編集部 野沢卓美

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