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【経済】【クラファン・優待】障がい児の情報を一元管理する“子育て伴走SaaS” たまみずき、10月8日募集開始


 障がい福祉領域でDXプラットフォームを展開する株式会社たまみずき(東京都練馬区)が、株式投資型クラウドファンディング(普通株式型)による出資を募集します。申し込みは10月8日19時30分開始を予定しています。

・ 普通株式型
・ 目標募集額:1000万円、上限募集額:6000万円
・ エンジェル出資実績あり
・ 株主優待あり:福祉経営コミュニティ参加権
・ みなし時価総額:2億7000万円
・ 類似上場企業:JSH <150A> [東証G]、AHCグループ <7083> [東証G]、リビングプラットフォーム <7091> [東証G]、ココルポート <9346> [東証G]、L is B <145A> [東証G]
※「みなし時価総額」はミンカブ編集部が「発行済み株式数×募集株式の払込金額」により試算

障がいのある双子の父として

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(出典:FUNDINNO)

 たまみずきの櫻井元代表は大学卒業後、出版社でシステムエンジニアとして勤務した後、双子の娘に先天性の「レット症候群」があることが判明。子どもを育てながら働くため、障がい児が放課後に通える施設を探しましたが数が少なく、定員にも空きがなかったそうです。

 さまざまな情報を集めていくうちに「自分でやってしまおう」と思い立ち、2009年に障がい児専門のデイサービスを開所。障がいのある子どもとその保護者に必要なサービスについて、豊富な知識を身につけ、これまで主に6つの事業を立ち上げています。

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(出典:FUNDINNO)

 同社は、全国8施設で主に障がい児に放課後の居場所を提供する「放課後等デイサービス」など複数の福祉事業を展開。現在までに事業全体で累計2000人が利用しています。

 介護タクシー事業では、東京都練馬区と提携して事業を行うほか、明蓬館高等学校(東京都品川区)と連携し、障がい者向け教育に特化した広域通信制高校サポート校事業も展開。これらの事業を合わせた前期売上は約3.2億円(連結)となっています。

 また、関連NPO北海道たまみずきでは、北海道上ノ国町で運営している「地域活動支援センター」で町の委託事業を行うなど、行政との連携も進めています。

 さらに、新規事業としてSaaSシステム「シエノワ」を今年9月リリース。これは、福祉業界の課題であるアナログな業務体系のDXや、クラウド上で利用者家族と福祉施設間の情報共有やコミュニティ形成を可能にするものです。

 「業界のより良い発展に貢献していきつつ、弊社の企業としての価値や売上も高めていき、2027年からIPO準備に着手することを計画しています」(同社)

 障がい福祉事業の市場規模が成長を続ける中、増える需要に応えるために業務効率化が急務だといい、「成長のための課題」「解決方法」として以下を挙げています。

【成長のための課題】
・SaaSシステムの早期開発と普及

【解決方法】
・システム予算の増加と開発リソースの拡充
・普及のための営業人材とバックオフィス人材の採用



関係機関による情報共有に課題

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(出典:FUNDINNO)

 同社によると、障がい者施設では、通所者のデータを紙で管理する施設がほとんどだといいます。

 また、行政、教育機関、福祉施設など公的機関間で情報共有が十分に行われていないことが課題で、各機関が独自に情報を管理しているため連携が不足し、必要な支援やサービスの提供が遅れることがあるそうです。

 「関係機関が連携してスムーズに情報を共有できる体制を作り、一人一人により良い支援を行うためにも、支援現場の働き方を変革する必要があると考えています」(同社)

市場の魅力・事業内容・ビジネスモデル・特徴

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(出典:FUNDINNO)

 障がい福祉市場は2007年の約1.2兆円から毎年約9%超の成長を続け、2020年に約4兆円まで拡大。同社によると、児童の発達障がいの定義の拡大、障がい者に配慮したサービスの拡充が背景にあるそうです。

 「福祉」領域では、DX推進が急がれており、行政は介護施設へのICT導入支援事業を実施。導入施設数は年々拡大しているといいます。

 しかし、ただテクノロジーを導入するだけでは効果は薄く、日本では今後、2040年を見据えた介護DXの方向性として「人間性」があり、「心が豊かな」DXが必要とする調査もあるそうです。

 「弊社の『シエノワ』のコンセプトは今後の介護DXの方向性に合致すると考えており、この成長市場で、全国の現場と当事者家族を支えられるよう成長してまいります」(同社)

 また近年、「コミュニティ」の重要性が再認識されていると同社は考えています。国内では地域住民向けSNSを展開するベンチャーや、子育て中の女性を対象とした地域コミュニティを運営するベンチャーが大手VCから資金調達に成功する事例もあるそうです。

 「『シエノワ』は、障がい福祉領域に特化したコミュニティを創造します。障がい者を取り巻く関係者間での情報共有をシームレスにするほか、当事者家族同士や専門家との交流も可能にします」(同社)

 なお、障がい福祉や介護領域におけるIPO事例では、以下のような企業があるそうです。

・上場直前期売上高約9億円、初値PER約77.1倍を記録した介護DXベンチャー
・時価総額約770億円以上、PER約47.1倍の障がい者支援企業

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(出典:FUNDINNO)

 たまみずきは、障がい者福祉のデジタル化においてハードルとなっている「記録」「共有」に特化したDXプラットフォーム「シエノワ」を今年9月にリリースしています。

 同サービスでは、障がい者施設の利用者(家族)と従業員が主な利用者となり、双方で情報交換ができるほか、病院、行政機関などにも情報を連携できるそうです。

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(出典:FUNDINNO)

 利用者の日々の記録を事細かにデータ化し、障がい者施設内でスムーズに共有することで、業務効率化とサービス品質の向上を実現。また、障がい者施設、家族、病院などの関係者が、すきま時間で記録を入力し、さまざまなユースケースに対応できるよう、操作しやすいUI/UXにこだわっているといいます。

 「シエノワ」に蓄積された情報は、利用者の任意の範囲で、かかりつけの病院や学校、行政などからアクセス可能とし、家族の負担を軽減するそうです。

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(出典:FUNDINNO)

 まずは自社施設でテスト導入を実施した後、全国の障がい者福祉施設やデイサービス施設、就労支援サービスなどへ拡大していく計画です。

 料金は1法人あたり、スタッフ15名までの施設は22万円/年、スタッフがそれ以上の場合は1人当たり1.5万円/年を徴収。また、施設が複数ある場合は追加で10万円/年を受け取る体系としています。

【タイトル】
(出典:FUNDINNO)

 同社は「シエノワ」について、福祉業界で使われているDXツールでこれだけ細かな記録と、幅広い共有範囲を持つツールは他にないと考えています。

 この領域で15年以上の経験があり、行政と連携してサービスを包括的に展開しているため、ワンストップで障がい者を支援する土台ができており、「この優位性がDXツールの開発にも生かされ、現場目線で求められるサービスを構築できると考えています」(同社)。

 利用者は子どものデータを「シエノワ」に蓄積できるため、一度利用を始めれば、離脱率は低くなると想定。また、障がい年金受給に必要な「成育歴」を出力できることもメリットの一つだといいます。

今後の成長に向けて

(1)2027年よりIPO準備開始

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(出典:FUNDINNO)

(2)短期計画

 まずは自社で「シエノワ」を活用した後、効率化された実績を基に全国の障がい者施設への導入を進めていく計画です。

 約10地域の行政や約13の福祉施設、約20の学校とその他多数の病院やケアマネージャーなどとのネットワークがあるため、このコミュニティを活用し、各地の障がい者施設に直接、アプローチをしていくといいます。

 SNSマーケティングや説明会などオンライン・オフラインのマーケティング活動も予定しており、1年以内に70施設以上への導入を目指したい考えです。

(3)中長期計画

 土台となる放課後等デイサービス事業なども成長させながら、IPOに向け、SaaS事業を強い成長ドライバーとする計画です。

【SaaS事業】
・全国の障がい児童の情報を一元管理するデータベースの構築
・養護施設や介護施設など他の福祉施設への導入
・事業シナジーの高い他企業とのサービス連携

【放課後等デイサービス事業】
・全国の学区内にデイサービス施設をFC展開
・AIを活用した学習教材による自立支援サービスの提供

【ケアサポート事業】
・マニュアルを統制し、一般の福祉ヘルパーを増員
・SaaSを導入し、情報の一元管理システムを構築

【短期入所事業】
・ICT活用による夜間従業員の負担軽減
・自治体と連携し、空き家を活用した施設を全国に開設

【通信高校サポート校事業】
・全国の私立高校へのサービス導入
・放課後等デイサービス退所後の子どもの受け入れ

【相談支援事業】
・AIを導入したオンライン相談窓口の運営
・子どもから大人まで生涯を通じた相談の対応

【民間救急介護タクシー事業】
・災害時のインフラとなるべく、全国自治体との連携を加速
・消防と連携した24時間救護体制の構築

(4)2030年に累計システム導入施設数2000以上を計画

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(出典:FUNDINNO)

類似上場企業(業態やサービス・製品などで類似性の見られる企業)

・JSH <150A> [東証G]
・AHCグループ <7083> [東証G]
・リビングプラットフォーム <7091> [東証G]
・ココルポート <9346> [東証G]
・L is B <145A> [東証G]

株主優待

【優待の基準日】
毎年11月末日

【優待内容】
福祉経営コミュニティへの参加権を提供(全株主が対象)

【申し込み方法】
・基準日経過後、案内をする。
・株主本人だけでなく、家族や友人なども参加可能。
・コミュニティはオンライン、オフライン開催を計画。
・オフライン開催については、別途案内をする。

【注意事項】
・家族や友人などがコミュニティへ参加する場合、株主より申請する。
・優待内容は変更、廃止になる場合がある。

発行者・募集情報

■募集株式の発行者の商号及び住所、資本金等
株式会社たまみずき
東京都練馬区石神井町七丁目32番7号
資本金:6,500,000円(2024年8月15日現在)
発行済株式総数:650株(同)
発行可能株式総数:5,000株
設立日:2009年7月27日
決算日:3月31日
※2024年8月7日を効力発生日として、資本金を6,500千円から16,500千円とする増資による変更、同9月4日を効力発生日として、1株を40株とする株式分割に伴う発行済株式総数の変更と、発行可能株式総数を1,000,000株とする変更をしており登記申請中。登記完了後の発行済株式総数は27,000株、発行可能株式総数は1,000,000株となる。

■募集株式の発行者の代表者
代表取締役 櫻井元

■募集株式の種類及び数(上限)
普通株式 6,000株

■募集株式の払込金額
1株あたり 10,000円

■資金使途
・目標募集額達成時の資金使途内訳
調達額1,000万円を以下の目的に充てる予定。
システム開発費 780万円
手数料 220万円

・上限募集額達成時の資金使途内訳
上記に追加し、調達額5,000万円(目標募集額1,000万円と上限募集額6,000万円との差額)を以下の目的に充てる予定。
システム開発費 1,638万円
広告宣伝費 1,638万円
人件費 624万円
手数料 1,100万円

■投資金額のコース及び株数
100,000円コース(10株)
200,000円コース(20株)
300,000円コース(30株)
400,000円コース(40株)
500,000円コース(50株)
1,000,000円コース(100株)
2,000,000円コース(200株)
3,000,000円コース(300株)
4,000,000円コース(400株)
5,000,000円コース(500株)
10,000,000円コース(1,000株)
※特定投資家口座以外からの申し込みの場合、500,000円コース(50株)までしか申し込みできない。特定投資家口座からの申し込みの場合、10,000,000円コース(1,000株)を上限とする。

■申込期間
2024年10月8日~10月21日

■目標募集額
10,000,000円(上限募集額 60,000,000円)
※特定投資家口座全体からの申し込みの上限は48,000,000円とする。

■払込期日
2024年11月14日

■連絡先
株式会社たまみずき
電話番号:03-5923-7188
メールアドレス:info@tamamizuki.com

※本株式投資型クラウドファンディングの詳細については、FUNDINNOの下記ページをご覧ください。

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