【市況】後場に注目すべき3つのポイント~円安推移で一時1000円超の上昇
日経平均 <1分足> 「株探」多機能チャートより
19日の後場の取引では以下の3つのポイントに注目したい。
・日経平均は大幅続伸、円安推移で一時1000円超の上昇
・ドル・円は大幅高、過度なドル先安観は後退
・値上り寄与トップはファーストリテ<9983>、同2位はソフトバンクG<9984>
■日経平均は大幅続伸、円安推移で一時1000円超の上昇
日経平均は大幅続伸。前日比904.26円高(+2.49%)の37284.43円(出来高概算9億株)で前場の取引を終えている。
18日の米国市場は下落。ダウ平均は103.08ドル安(-0.25%)の41503.10ドル、ナスダックは54.76ポイント安(-0.31%)の17573.30、S&P500は16.32ポイント安(-0.29%)の5618.26で取引を終了した。連邦公開市場委員会(FOMC)結果を睨み寄り付き後、まちまち。連邦準備制度理事会(FRB)がFOMCで4年ぶり、0.5%利下げを決定すると、一時大幅上昇した。イベント通過で利益確定売りに加え、パウエル議長が会合後の会見で、特に今後の利下げを急ぐ必要はないと指摘すると、終盤にかけ金利上昇に伴い株式相場も下落に転じ終了。
FOMC通過後、為替が1ドル142円台と円安ドル高に振れたことから、東京市場は買い優勢で取引を開始した。日経平均は取引時間中としては9月5日以来となる37000円台を回復。為替の円安推移が継続したことから、主力の輸出関連銘柄が総じて買われ、日経平均の上げ幅は一時1000円超まで拡大した。
日経平均採用銘柄では、昨日売られたIHI<7013>が反発し年初来高値を更新したほか、トヨタ自<7203>、ホンダ<7267>、SUBARU<7270>、日産自<7201>、三菱自<7211>など自動車株が総じて上昇。また、東京海上HD<8766>、MS&AD<8725>など保険株も買われた。このほか、メルカリ<4385>、住友ファーマ<4506>、フジクラ<5803>、日立<6501>、川崎汽船<9107>、伊藤忠<8001>など幅広銘柄が買われた。
一方、証券会社の投資判断引き下げを受けて三菱電機<6503>が売られたほか、ニチレイ<2871>、ニトリHD<9843>、明治ホールディングス<2269>、日本ハム<2282>など円高メリット銘柄の一角が下落。このほか、協和キリン<4151>、東急<9005>などが売られた。なお、日経平均採用銘柄で下落したのは12銘柄のみ。
全業種が上昇したなか、保険業、輸送用機器、海運業、非鉄金属、卸売業の上げが目立った。
FOMC後のパウエルFRB議長の発言を受けて、為替は1ドル143円90銭台まで円安ドル高が加速した。米商品先物取引委員会(CFTC)公表の投機筋による円ポジションが「買い」に傾いていたことから、投機筋による円買いポジションの巻き戻しが入ったとの観測。円安ドル高は一服したことで、後場の日経平均はやや上げ幅を縮小する可能性はあるが、37000円台を維持して大引けを迎えれば上々の出来と言えよう。25日移動平均線が位置する37410円水準や200日移動平均線が位置する37600円水準を試す展開は、明日20日の日本銀行の金融政策決定会合後となりそうだ。
■ドル・円は大幅高、過度なドル先安観は後退
19日午前の東京市場でドル・円は大幅高となり、141円88銭から143円94銭まで大きく上値を伸ばした。米連邦公開市場委員会(FOMC)で大幅利下げが決定されたものの、連邦準備制度理事会(FRB)は追加利下げに慎重で、ドルの過度な先安観は後退した。
ここまでの取引レンジは、ドル・円は141円88銭から143円94銭、ユーロ・円は157円79銭から159円41銭、ユーロ・ドルは1.1069ドルから1.1123ドル。
■後場のチェック銘柄
・セルシス<3663>、トレードワークス<3997>など、8銘柄がストップ高
※一時ストップ高(気配値)を含みます
・値上り寄与トップはファーストリテ<9983>、同2位はソフトバンクG<9984>
■経済指標・要人発言
【経済指標】
・NZ・4-6月期GDP速報値:前年比-0.5%(予想:-0.6%、1-3月期:+0.5%←+0.3%)
・豪・8月失業率:4.2%(予想:4.2%、7月:4.2%)
・豪・8月雇用者数増減:+4,75万人(予想:+2.60万人、7月:+4.89万人←+5.82万人)
【要人発言】
・林官房長官
「米利下げ、どのような影響が生じるか、引き続き注視していきたい」
<国内>
・日銀金融政策決定会合(20日まで)
<海外>
・特になし
《CS》
提供:フィスコ