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【経済】【クラファン・優待】2030年IPOへ 高速硬化性樹脂でインフラ老朽化問題に挑むライノジャパン、9月14日募集開始

 公共工事などで活用が見込まれる「高速硬化性樹脂」を販売するライノジャパン株式会社(東京都新宿区)が、株式投資型クラウドファンディング(普通株式型)による出資を募集します。申し込みは9月14日10時開始を予定しています。

・ 普通株式型
・ 目標募集額:999万9000円、上限募集額:5999万4000円
・ 事業会社/CVC出資実績あり
・ エンジェル出資実績あり
・ 株主優待あり:「ポリウレアシールドウォール®」活用の施工を割引価格で提供
・ みなし時価総額:12億3840万円
・ 類似上場企業:エムビーエス <1401> [東証G]、富士ピー・エス <1848> [東証S]、日本基礎技術 <1914> [東証S]、ケー・エフ・シー <3420> [東証S]、エヌ・シー・エヌ <7057> [東証S]
※「みなし時価総額」はミンカブ編集部が「発行済み株式数×募集株式の払込金額」により試算

世界的ポリウレアメーカーの日本総代理店として創業

 ライノジャパンはポリウレアの世界的メーカー、米ライノライニングス社の日本総代理店として創業、同社から仕入れたポリウレアの卸販売を主事業とし、全国約70の代理店とのネットワークを構築しています。

 施工実績は300件超で、大手企業の物流倉庫や菓子、自動車製造工場などの受注実績があり、今後は卸販売業のほか、以下の新事業を確立し、代理店の枠を超えた成長を図っていく計画です。

 昨年、国土交通省が主導する「NETIS(新技術情報提供システム)」(※)に「ポリウレアによるコンクリート剥落防止工法」が登録されたため、トンネルや高速道路の補修工事などの公共事業に本格参入できるようになるといいます。

※民間企業などによって開発された新技術に関わる情報を共有・提供することを目的として、国土交通省が整備したデータベースシステム(同社注)

 もう一つの注力分野は、ポリウレアを活用した太陽光パネル設置工事です。屋根に穴を開けない独自の接着工法は、従来の施工をリプレイスする価値を有するといい、今年7月には特許を取得しています。

 また、住宅ブロック塀の強化を目的とした自社製品「ポリウレアシールドウォール®」を住宅建材市場に展開していく計画です。これは、震災時、ブロック塀の下敷きとなる事故を防ぐために発泡スチロールをポリウレアで強化した「次世代の壁」だといいます。

 「こうした事業拡張により、今期売上は前期比約1.98倍の約12億円を計画、中長期では、ポリウレアの国内生産体制を確立することで、販売網をアジア全域へと拡大させていきたいと考えています」(ライノジャパン)

 同社は「成長のための課題」「解決方法」として以下を挙げています。

【成長のための課題】
公共事業・再生エネルギー事業は、同社の急成長を支える2大プロジェクトであり、これまでの人的リソースの枠組みを超えた新たな体制構築が不可欠。

【解決方法】
特定建設業や再生エネルギー設備設計に精通した人材・機材を強化する。今回の資金調達は、これらの新規ビジネスへの投資を加速させる機会。



深刻なインフラ老巧化問題に立ち向かう

【タイトル】
(出典:FUNDINNO)

 技術者不足によるメンテナンス不能の可能性など、日本のインフラ老巧化問題は「クライシス2030」として深刻な懸念材料になっていると同社は考えています。

 「国土交通省によれば、2030年までに橋梁、トンネル、下水道、港湾施設などのインフラの多くが築50年を超えるとされています」(同社)

 2018年の大阪府北部地震では、老朽化したブロック塀の倒壊による死傷者が発生。2012年の笹子トンネル崩落事故では、老朽化した天井板の落下により、9人が死亡するなど、「インフラの老巧化は全国規模で深刻な問題となっており、早急な対策が求められています」(同社)。

 日本は自然災害が頻発し、特に地震については世界的に見ても多発地帯であり、旧耐震基準(1981年以前の基準)で建設された木造建築物は2次災害の危険性があるそうです。

 「2016年の熊本地震では、旧耐震基準の木造建築物の被害は甚大で、内閣府によれば、被害を受けた住宅は4万件以上に達しています。ポリウレアは、耐震性が十分でない構造物に『後塗り』することで強靭化を図ることができ、災害大国日本に不可欠な素材になっていくと考えています」(同社)

市場の魅力・事業内容・ビジネスモデル・特徴

【タイトル】
(出典:FUNDINNO)

 同社によると、ポリウレア市場は今後、建設業界や再生可能エネルギー業界からの需要が高まり、急成長が期待されているそうです。

 「成長をけん引するのは、人口増や経済成長が著しいインド、中国、カンボジア、ベトナムなどのアジア太平洋地域とされ、建設活動の活発化とともにポリウレアの需要が高まっていくと予想されています」(同社)

 日本では、国土交通省が「インフラ長寿命化計画」を掲げ、「より効率的なメンテナンスを実施するための新技術の開発・導入の推進」を促しており、ポリウレアヘの投資が加速すると同社は考えています。

 また、政府が2030年までに「再エネ比率50%」を掲げているため、企業と市町村が連携して再エネ設備導入を図る動きが活発化しているそうです。

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(出典:FUNDINNO)

 ポリウレアは、イソシアネートとアミンという化合物の化学反応によって生成される高速硬化性樹脂です。アミンの成分量によって性能は異なりますが、同社が取り扱うポリウレアは、アミン成分100%の「ピュアポリウレア」で高い硬度と伸縮性、耐水性があるといいます。

 これを専用のスプレーガンで対象物に塗布することで10秒前後で硬化するため、短工期での施工が可能になり、人員削減にもつながるそうです。

 百貨店駐車場の防水性を高める施工では、約1.5万平方メートル(100メートル×150メートル程度)の面積を作業員3名で担当、夜間に着工して翌朝に竣工し、自動車が走行できる状態にまで仕上げたといいます。

 その他、用水路や養殖池の整備、屋根や排水タンクの補強などさまざまなシーンに活用することができ、低コストかつ質の高い補強工事として大手の顧客から評価されているそうです。

 同社が独自に開発した「ポリウレアシールドウォール®」は、軽量発泡スチロール材をポリウレアで加工した「次世代の壁」で、住宅ブロック塀に代わり、震災による倒壊事故の防止に貢献すると考えています。

 「強靭性やデザインの柔軟性、安価で手に入る材料、簡易的な施工法などのコストメリットも備えており、住宅建材市場に普及しやすい製品であると自負しています。飛来物に対する耐久性試験では、時速60キロの自動車の衝突に耐えるなど安全性を証明しています」(同社)



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(出典:FUNDINNO)

 現在の売上の柱は、米ライノライニングス社から仕入れたポリウレア原料と、スプレーガンなどの機材を国内施工業者に販売する卸販売業です。

 同社の徹底した品質管理方針を背景に、施工業者には、研修受講を条件に販売する仕組みを確立しているため、全国約70の提携業者は単なる販売先ではなく、「信頼できる施工パートナー」となっており、今後注力する公共工事や再エネ関連工事を円滑に進めることができると見込んでいます。

 「今回の調達を機に特定建設業許可を申請する予定で、取得できれば、4500万円以上の大型案件受注が可能になる見込みです」(ライノジャパン)

 また、「ポリウレアシールドウォール®」は住宅建材市場をターゲットに、国内のほか、経済成長が著しい新興アジアの住宅開発ニーズを見込んでいます。

 同製品の施工はシンプルで必要機材も低コストであるため、独立開業したような外構工事・エクステリア業者なども施工パートナーとして募集し、全国的な案件対応で一気に普及させていきたい考えです。

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(出典:FUNDINNO)

 ライノジャパンは自社の強みとして、米ライノライニング社の国内唯一の総代理店であることを挙げています。

 ライノライニング社は9.11同時多発テロ以降、国防総省ビルの外壁や紛争地帯での米軍燃料輸送車両の防護に活用された実績を有するなど、ポリウレアにおけるグローバルリーダーと言えるそうです。

 「弊社は同社と手を組むことで、高額になりがちな高品質ポリウレアを比較的安価で国内販売でき、品質と価格訴求によるシェア獲得が可能になると自負しています」(ライノジャパン)

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(出典:FUNDINNO)

 ポリウレアは災害耐久性能の検証を重ねており、以下の規格や特許を有しているそうです。

【規格(一部)】
・厚生労働省水道法による上水道試験:「水道施設の技術的基準を定める省令」に規定される水質基準項目を全てクリア
・国土交通省NETIS:道路橋伸縮装置の防水性能を改善向上させる塗膜防水工法、ポリウレア樹脂による剥落防止工法
・輪荷重試験:10年以上の強度を確保。20トントラックが10年12万回走行、30年でも支障なし
・建築用塗膜防水材:ウレタンゴム系に要求される性能基準に準拠
・屋根の飛火性能評価:市街地火災を想定した飛び火試験に合格

【特許(一部)】
・特許第6581146号:制震補強構造、制震補強方法、構造用材料、及び耐震補強構造(東京理科大学共同特許)
・特許第7103647号:伸縮装置を備えた道路の補修構造、及び補修方法
・特許第7190704号:木造建築物の耐震補強方法(一般社団法人木造住宅耐震普及協会共同特許)

今後の成長に向けて

(1)2027年よりIPO準備開始、2030年IPOを計画

【タイトル】
(出典:FUNDINNO)

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(出典:FUNDINNO)

(2)短期計画

 建設業の案件創出については、NETIS経由の公共工事や再生エネルギー関連工事受注などが進んでおり、大手電機メーカーの屋根上の太陽光パネル設置工事は数億円規模の案件として、早ければ、年明けごろに受注となる見込みです。

 「ポリウレアシールドウォール®」の拡販に向けては、外構施工の専門業者を施工パートナーに加えるといいます。また、元プロレスラーのスタン・ハンセン氏を広告塔に起用するほか、ホームセンターのエクステリアコーナーに専門カウンターやカタログを設置するなど認知獲得に向けた施策を準備中です。

 2025年大阪・関西万博への出展が決まっており、球体型の耐震カプセル「Sphere Secure(セフィア・セキュア)」を設計し、地震災害に対する新たなアプローチを提案する予定。また、ヘルスケアパビリオンのメインステージへの配置を予定しており、来場者にポリウレアの魅力をPRしていきたいと考えています。

 また、脱炭素に資する事業に積極投資する大手ファンドや東証プライム市場上場企業などが参画する、100億円規模の廃校活用プロジェクトに参画する計画です。

 廃校は年々増加しており、現存する約7400校のうち、用途未定は約1400校。これに対して、電力、食料がそろう地産地消システムを構築する予定で、同社は廃校内の太陽光パネル設置や水耕栽培設備の施工、対象校の開拓を担当するといいます。

 「これにより、ポリウレアの大規模供給と売電収入フィーによる収益機会が生まれます。秋田県の小学校を皮切りに、プロジェクトがスタートすることが決まっており、弊社が飛躍的な成長を遂げる取り組みになると考えています」(同社)

(3)中長期計画

 国内に限らず、アジア圏全域の販売権を取得する計画です。それに先立ち、現在、福島県にポリウレア生産工場を建設するプロジェクトを進めており、補助金が採択されれば、無理のない工場建設が可能になると見込んでいます。

 「アジア唯一の生産拠点を設けることで、今後、急拡大することが期待されるポリウレアのニーズに対応していきます。すでにタイやベトナムから引き合いがあり、現地視察を行うなど着実に準備を進めています」(同社)

(4)2030年に建設業新規受注数(各年度)57件を計画

【タイトル】
(出典:FUNDINNO)

株主構成

 同社は事業会社、エンジェル投資家より出資を受けています。

類似上場企業(業態やサービス・製品などで類似性の見られる企業)

・エムビーエス <1401> [東証G]
・富士ピー・エス <1848> [東証S]
・日本基礎技術 <1914> [東証S]
・ケー・エフ・シー <3420> [東証S]
・エヌ・シー・エヌ <7057> [東証S]

株主優待

【基準日】
毎年10月末日

【優待内容】
株主全員:「ポリウレアシールドウォール®」を活用した施工を10%オフで提供

【申し込み方法】
・基準日経過後、予約・注文可能の案内をする。その際、同社問い合わせアドレスまで「株主優待を利用する」と知らせる。
・申し込み確認後、順次、オンラインまたは付近の代理店で打ち合わせの上、施工内容や工期を決定する。
・申し込み期間は、各期11月1日~12月31日まで。

【注意事項】
・施工内容によっては希望に沿えない場合がある。
・1人、1年に1回限りの優待。
・優待内容は変更・廃止になる場合がある。

発行者・募集情報

■募集株式の発行者の商号及び住所、資本金等
ライノジャパン株式会社
東京都新宿区改代町26番地1
資本金:10,000,000円(2024年8月1日現在)
発行済株式総数:825,600株(同)
発行可能株式総数:1,600,000株
設立日:2014年9月9日
決算日:3月31日
※2024年6月24日を効力発生日として、資本金を1,000万円から2,000万円に、発行済株式総数を825,600株から832,270株に変更しており、登記申請中。

■募集株式の発行者の代表者
代表取締役 緒方修一

■募集株式の種類及び数(上限)
普通株式 39,996株

■募集株式の払込金額
1株あたり 1,500円

■資金使途
・目標募集額達成時の資金使途内訳
調達額999万円を以下の目的に充てる予定。
採用人件費 779万円
手数料 219万円

・上限募集額達成時の資金使途内訳
上記に追加し、調達額4,999万円(目標募集額999万円と上限募集額5,999万円との差額)を以下の目的に充てる予定。
採用人件費 779万円
機械購入 900万円
薬剤(新商品)購入 2,220万円
手数料 1,099万円

■投資金額のコース及び株数
99,000円コース(66株)
198,000円コース(132株)
297,000円コース(198株)
396,000円コース(264株)
495,000円コース(330株)
990,000円コース(660株)
1,980,000円コース(1,320株)
2,970,000円コース(1,980株)
3,960,000円コース(2,640株)
4,950,000円コース(3,300株)
9,900,000円コース(6,600株)
※特定投資家口座以外からの申し込みの場合、495,000円コース(330株)までしか申し込みできない。特定投資家口座からの申し込みの場合、9,900,000円コース(6,600株)を上限とする。

■申込期間
2024年9月14日~9月20日

■目標募集額
9,999,000円(上限募集額 59,994,000円)
※特定投資家口座全体からの申し込みの上限は47,916,000円とする。

■払込期日
2024年10月15日

■連絡先
ライノジャパン株式会社
電話番号:03-6228-1400
メールアドレス:info@rhinolinings.co.jp

※本株式投資型クラウドファンディングの詳細については、FUNDINNOの下記ページをご覧ください。

〈今期売上約12億円計画〉ペンタゴンも採用。高速で物を固める次世代素材"ポリウレア"で災害大国・日本のインフラを強靭化「ライノジャパン」

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