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【市況】株価指数先物【寄り前】 -1σ水準での底固めを見極め


大阪9月限ナイトセッション
日経225先物 35150 -1210 (-3.32%)
TOPIX先物 2521.5 -68.5 (-2.64%)
シカゴ日経平均先物 35255 -1105
(注:ナイトセッション、CMEは大阪の日中終値比)

 6日の米国市場は、NYダウ S&P500ナスダックの主要な株価指数が下落。注目されていた8月の米雇用統計は、非農業部門雇用者数が前月比14万2000人増と市場予想を下回った。6月と7月についても下方修正しており、雇用拡大ペースの鈍化を示したことで米景気の先行きへの懸念が高まり、幅広い銘柄に売りが広がった。S&P500業種別指数は耐久消費財・アパレル、不動産の2セクターのみが上昇した一方で、自動車・同部品、半導体・同製造装置、メディア、銀行、小売の下げが目立った。

 シカゴ日経平均先物(9月限)清算値は、大阪比1105円安の3万5255円だった。日経225先物(9月限)のナイトセッションは日中比220円安の3万6140円で始まり、その後はロング優勢でプラスに転じると、米国市場の取引開始直後には3万6670円まで買われる場面もみられた。しかし、買い一巡後は下へのバイアスが強まり、中盤にかけて3万5120円まで売られた。終盤にかけては3万5150円~3万5590円処のレンジで推移し、3万5150円とナイトセッションの安値圏で取引を終えた。

 日経225先物は、シカゴ先物にサヤ寄せする形から売り先行で始まりそうだ。先週の下落で52週移動平均線(3万6250円)まで売られた。さらに、ナイトセッションで52週線を明確に下放れている。日足のボリンジャーバンドでは、-1σ(3万5110円)まで売られており、-1σを明確に下放れてくると、一段と下へのバイアスが強まる可能性がある。

 米連邦準備理事会(FRB)のウォラー理事は雇用統計の結果を受け、9月の利下げが適切になるとの見解を示している。今後のデータが大幅な利下げを示唆する場合には、これを支持するとも述べているため、今週も11日に発表される8月の消費者物価指数(CPI)や12日の卸売物価指数(PPI)の結果を受け、米国市場の反応を見極めながらの展開になりそうだ。

 ただし、米失業率が4.2%(前月は4.3%)に低下し予想と一致したことで、6日の米国市場は下落したとはいえ、前月のような波乱の展開は幾分回避できた形である。東京市場でも前回発表時の波乱を警戒していたこともあり、日経225先物は週間で2350円下げていた。ナイトセッションで52週線を割り込んできたものの、-1σまでの下落により、いったんは売り一巡感が意識されてくる可能性はありそうだ。

 まずは-1σ水準での底固めを見極めつつ、ロングのタイミングを探ることになろう。ただし、週末に9月限の先物・オプション特別清算指数算出(メジャーSQ)を控えているため、需給面の影響を大きく受けることになる。3万5000円割れを狙ったショートが強まるようだと、ヘッジ対応の動きにより、-2σが位置する3万3340円辺りが射程に入ってくる点には注意が必要だろう。そのため、オプション権利行使価格の3万4000円から3万6000円のレンジを想定する。

 なお、6日の米VIX指数は22.38(前日は19.90)に上昇した。7月の雇用統計発表後の波乱展開では65.73まで急伸していたこともあって、今回は落ち着きをみせた形である。そのため、ショートは手控えられる可能性があり、ややリスク選好に向かいやすい。

 先週末のNT倍率は先物中心限月で14.03倍に上昇した。値がさハイテク株が日経平均型の重荷となっていたが、米雇用統計を警戒し東証プライムの値下がり数が7割を占めていたため、小幅に上昇した形である。14.11倍辺りで推移する75日線が抵抗線として機能するようだと、NTショートに振れやすいだろう。

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