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【市況】ダウ先物は下落もナスダック100は上昇 米PPIがインフレ鈍化を示す=米国株

米株価指数先物(6月限)(NY時間08:50)(日本時間21:50)
ダウ先物 38673(-79.00 -0.20%)
S&P500 5439.00(+11.50 +0.21%)
ナスダック100先物 19619.25(+122.75 +0.63%)

 米株価指数先物市場でダウ先物は下落しているものの、S&P500、ナスダック100とも上昇。先ほど発表になった5月の米生産者物価指数(PPI)が前日の米消費者物価指数(CPI)に続きインフレ鈍化を示したことで、米株式市場は時間外でポジティブな反応を示している。また、同時刻に発表になった米新規失業保険申請件数も予想を上回り、雇用市場の軟化を示した。

 前日は米CPIとFOMCで忙しい1日となったが、米株式市場はFOMCよりも米CPIのほうを重視している模様。FOMC委員の金利見通し(ドット・プロット)は3月の年内3回から1回に下方修正された。予想通りのタカ派姿勢への変更ではあったものの、市場は年内2回の利下げを高確率で織り込んでいる。

 投資家は、FRBがタカ派姿勢を示しているにもかかわらず、株式市場の回復力への自信を保っているようだ。一部からは「FRBがどう動くかにかかわらず、S&P500は最高値を更新するだろう」との声や、「米インフレ圧力の緩和が投資家を米国市場に回帰させている。米国株は長期的にアウトパフォームすると見ている」といった声も出ていた。

 パウエル議長は今回のインフレ指標を歓迎し、このような報告が増えることを期待している。議長は「米CPIはインフレ軌道に対する自信を深めるのに役立ったが、現時点で利下げを正当化するほどではない」と述べていた。

 FRBはタカ派に変更したものの、年内利下げへの扉は開いたままだ。今週のインフレの下振れサプライズは心強く、FOMC委員の大半が利下げを1回にするか2回にするかで意見が分かれている。そのことから、年内に複数回の利下げを垣間見せるような市場価格設定が続いても不思議ではないといった見方も出ている。

 半導体のブロードコム<AVGO>が決算を受け時間外で大幅高。AI製品の堅調な需要を背景に好調な数字を発表した。1株を10株にする株式分割も発表。

 テスラ<TSLA>が時間外で上昇。同社は本日年次株主総会を開催するが、マスクCEOの巨額報酬を巡って株主の間で意見が分かれているが、これについてマスクCEOは前日遅くに、自身の報酬パッケージの再承認および、デラウェア州からテキサス州への法人登記の移転という2つの主要な株主議案について、現時点では大差で可決される方向だと述べた。これはマスクCEOにとっても同社にとっても朗報と見られている。

 有人宇宙飛行サービスのヴァージン・ギャラクティック<SPCE>が時間外で下落。同社の取締役会が20株を1株にする株式併合を承認した。

 レストランを含むエンターテインメント施設運営のデイブ&バスターズ・エンターテイメント<PLAY>が時間外で下落。前日引け後に2-4月期決算(第1四半期)を発表し、既存店売上高が予想以上の減収となったほか、1株利益、売上高も予想を下回った。

(NY時間09:00)(日本時間22:00)時間外
ブロードコム<AVGO> 1695.14(+199.63 +13.35%)
ヴァージン・ギャラクティック<SPCE> 0.76(-0.09 -10.54%)
デイブ&バスターズ<PLAY> 46.25(-4.10 -8.14%)

アップル<AAPL> 213.85(+0.78 +0.37%)
マイクロソフト<MSFT> 439.50(-1.56 -0.35%)
アマゾン<AMZN> 186.40(-0.49 -0.26%)
アルファベット<GOOG> 178.05(-1.51 -0.84%)
テスラ<TSLA> 189.12(+11.83 +6.67%)
メタ<META> 507.40(-1.44 -0.28%)
エヌビディア<NVDA> 128.78(+3.58 +2.86%)
AMD<AMD> 161.25(+1.01 +0.63%)
イーライリリー<LLY> 869.50(+2.20 +0.25%)

MINKABU PRESS編集部 野沢卓美

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