【注目】話題株ピックアップ【夕刊】(2):メタウォータ、東ガス、キヤノン
メタウォータ <日足> 「株探」多機能チャートより
メタウォーター<9551>が大幅安。24日取引終了後に25年3月期連結業績予想を発表し、売上高を前期比2.7%増の1700億円、営業利益を同9.1%減の90億円とした。3期ぶりに営業減益となる見通しを示したことが嫌気された。配当予想は前期比2円増の48円を見込んだ。同時に発表した24年3月期決算は売上高が前の期比9.9%増の1655億6100万円、営業利益が同14.0%増の99億300万円だった。海外事業やO&M(運転・維持管理)事業、PPP(官民パートナーシップ)事業の業績が順調に推移した。あわせて28年3月期を最終年度とする中期経営計画を発表した。最終年度に売上高2000億円、営業利益130億円、ROE10%以上を目指す方針を掲げた。
■フューチャー <4722> 1,568円 -174 円 (-10.0%) 本日終値 東証プライム 下落率2位
フューチャー<4722>が急反落。24日の取引終了後、24年12月期連結業績予想について純利益を101億5000万円から99億円(前期比7.4%増)へ下方修正すると発表。これが嫌気された。売上高予想については630億円から702億円(同18.3%増)へ、営業利益予想は145億円から146億5000万円(同6.9%増)へ引き上げた。企業経営支援のリヴァンプを連結したことに伴う影響を織り込んだ。
■東京ガス <9531> 3,656円 -387 円 (-9.6%) 本日終値 東証プライム 下落率3位
東京ガス<9531>が大幅安。午後2時ごろ、25年3月期連結業績予想について売上高を前期比0.8%減の2兆6420億円、純利益を同52.9%減の800億円と発表。前期に続き減収減益となる見通しを示したことが嫌気された。ガス原料費調整に伴う売り上げ単価の減少や電力販売量の減少、海外事業の減価償却費の増加が響く見込み。配当予想は前期比据え置きの70円とした。同時に発表した24年3月期決算は売上高が前の期比19.0%減の2兆6645億円、純利益が同39.5%減の1699億3600万円だった。あわせて取得上限1700万株、または400億円とする自社株買いの実施を発表した。期間は5月7日から来年3月31日まで。
■キヤノン <7751> 4,066円 -374 円 (-8.4%) 本日終値 東証プライム 下落率6位
キヤノン<7751>が4日ぶりに大幅反落した。24日の取引終了後に発表した24年12月期第1四半期(1~3月)の連結決算は、売上高が前年同期比1.8%増の9885億1900万円、営業利益が同5.2%減の800億8300万円となった。最終利益は同6.3%増の599億4900万円と増益となったが、通期計画に対する進捗率は約20%と低調で、業績の下振れを警戒した売りが優勢となったようだ。半導体露光装置はパワーデバイス向けを中心に好調に推移した。一方、デジタルカメラ全体では市中在庫の解消に向けて出荷台数を絞ったことなどを背景に減収となった。
■パナHD <6752> 1,325円 -68 円 (-4.9%) 本日終値
パナソニック ホールディングス<6752>が反落。24日の取引終了後、24年3月期の連結業績に関し、最終利益が計画を200億円下回る4400億円(前の期比65.7%増)で着地したようだと発表。業績の下振れを嫌気した売りが優勢となっている。営業利益は計画を400億円下回る3600億円(同24.8%増)で着地する格好となったという。車載電池事業での過去の製造不具合品対応に関する引当金に加え、車載部品関連の事業子会社に関連するのれんの減損損失を計上。持ち分法損益の悪化と構造改革費用の増加もあって、利益が想定を下回ることとなった。半面、円安効果などにより売上高は計画を1000億円上回る8兆5000億円(同1.4%増)で着地したようだとしている。
■山洋電気 <6516> 7,220円 -370 円 (-4.9%) 本日終値
山洋電気<6516>が4日ぶり反落。この日午前11時ごろ、25年3月期連結業績予想について売上高を前期比6.7%減の1053億円、営業利益を同10.3%減の106億円と発表した。前期に続き減収減益となる見通しを示したことが嫌気された。配当予想は前期分を140円から145円に増額した上で、今期は150円を見込んだ。同時に発表した24年3月期決算は売上高が前の期比6.5%減の1129億400万円、営業利益が同12.0%減の118億1100万円だった。半導体関連の需要が低調だったことが響いた。一方、EV用急速充電器や高性能サーバ向けは好調だった。
■ヒューリック <3003> 1,424.5円 -63.5 円 (-4.3%) 本日終値
ヒューリック<3003>が後場に下げ幅を拡大した。この日、24年12月期第1四半期(1~3月)の連結決算を発表。売上高は前年同期比4.4%減の1075億9300万円、経常利益は同33.1%減の212億4100万円となった。経常利益の通期計画に対する進捗率は約15%にとどまった。通期予想の達成を巡る不透明感が意識され、売りを促す要因となったようだ。販売用不動産の売り上げは主に第2四半期(4~6月)以降に計画しているという。オフィスなどの不動産賃貸収入は安定的に推移しており、不動産セグメントについて同社は順調に進行しているとの見方を示している。
■ファナック <6954> 4,455円 -158 円 (-3.4%) 本日終値
ファナック<6954>が急反落。24日の取引終了後、24年3月期の連結決算にあわせ、25年3月期の業績予想を開示した。今期の売上高は前期比6.1%減の7464億円、最終利益は同19.4%減の1073億円を見込む。在庫調整による生産への影響が継続すると想定する。あわせて取得総数1250万株(自己株式を除く発行済み株式総数の1.32%)、取得総額500億円を上限とする自社株買いを発表したものの、今期の業績見通しが嫌気されたようだ。業績予想の前提となる為替レートは1ドル=135円、1ユーロ=150円とした。自社株の取得期間は5月1日から25年4月30日。加えて、発行済み株式総数の0.76%に相当する自己株765万5104株を今年5月31日に消却することも決めた。24年3月期の売上高は前の期比6.7%減の7952億7400万円、最終利益は同21.9%減の1331億5900万円だった。ファナックはこのほか、欧州向けのロボカット製品(ワイヤー放電加工機)について、欧州のEMC指令に基づく整合規格に適合していない形で試験が行われていた疑いが判明したと公表した。社外の有識者による特別調査委員会を設置し、原因究明と再発防止策の策定に取り組む。
■富士古河E&C <1775> 6,550円 -100 円 (-1.5%) 本日終値
富士古河E&C<1775>が4日ぶり大幅反落となった。24日の取引終了後、24年3月期の連結決算にあわせ、25年3月期の業績予想を開示した。売上高は前期比9.3%減の940億円、最終利益は同4.0%減の52億円を見込む。前期は過去最高益を更新していた。加えて、株価は前日に上場来高値をつけていたことも相まって、利益を確定する目的の売りが優勢となったようだ。前期に複数の大型案件があった影響から、今期の受注高は前期比6.9%減の1000億円を見込む。24年3月期の売上高は前の期比17.6%増の1036億4900万円、最終利益は同19.3%増の54億1300万円となり、計画を上振れして着地した。また、同社は前期の配当予想を20円増額したうえで、今期の年間配当予想は前期と同じ190円を計画する。
■櫻護謨 <5189> 2,720円 +500 円 (+22.5%) ストップ高 本日終値
櫻護謨<5189>がストップ高。24日の取引終了後、24年3月期の連結業績について、最終利益が計画の4億1000万円から7億2000万円(前の期比2.3倍)に上振れして着地したようだと発表。更に、年間配当予想を40円増額して90円に見直しており、ポジティブ視された。売上高は計画を19億5000万円上回る133億5000万円(同24.9%増)で着地する格好となったという。第4四半期(1~3月)に官公庁関連の受注が急増し、年度内に納品を実行できたことから、売上高、各利益が想定を大幅に上回ることとなった。前の期の年間配当は株式分割を考慮したベースで25円だった。
株探ニュース