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【材料】ベルシステム24ホールディングス---24年2月期は既存継続案件の売上拡大や協業によるシナジー案件も堅調に推移

ベル24HD <日足> 「株探」多機能チャートより

ベルシステム24ホールディングス<6183>は10日、2024年2月期連結決算(IFRS)を発表した。売上収益が前年同期比4.7%減の1,487.17億円、営業利益が同23.0%減の114.79億円、税引前利益が同20.7%減の112.25億円、親会社の所有者に帰属する当期利益が同19.1%減の75.45億円となった。

当年度においては、中期経営計画で掲げた「人材(総力4万人の最大活躍)」「型化(データ活用の高度化)」「共創(NEW BPOの領域開拓)」の3つの重点施策を推進することで、持続的な成長の実現を目指してきた。データ活用の高度化においては、コンタクトセンターに蓄積されるVOC(Voice Of Customer)に加えたあらゆる顧客接点のデータを利活用することで、最適なCX(Customer Experience)を一貫して実現するデータマーケティング事業の推進に向け、シンカーを子会社化した。また、コンタクトセンタービジネスの変革に向け、日本マイクロソフト及びグーグル・クラウド・ジャパンとともに生成AIを活用したコンタクトセンター業務の実証実験を共同で実施した。さらに、最先端のAIプラットフォームの開発・提供事業を展開する台湾のIntumit Inc.と、顧客対応の自動化を実現するソリューションの開発・提供と運用連携を目的に、業務提携契約を締結した。NEW BPOの領域開拓においては、Blueshipとともに神奈川県藤沢市のデジタル市役所の実現に向けた「藤沢市コンタクトセンター」を開設し、2023年10月1日より運用を開始した。また、フィンテック事業を展開するナッジとクレジットカード市場向けの新サービス提供に向けた資本業務提携契約を締結し、クレジットカード利用者向けのカスタマーサポートや提携クレジットカード発行先に向けた新たなサービス開発などの検討を共同で進めている。総力4万人の最大活躍という点では、在宅コンタクトセンターの積極的な推進とともに、これまで担ってきた知見を活かし、コンタクトセンター業務の在宅化に課題を抱える企業に対して、最適な在宅化のグランドデザイン設計や具体的なプロセスの策定を行う「在宅業務コンサルティングサービス」の提供を開始した。

CRM事業の売上収益は前年同期比4.5%減の1,481.07億円、税引前利益は同21.0%減の109.85億円となった。前年度からの既存継続案件の売上が拡大した他、伊藤忠商事<8001>及びTOPPAN株式会社との協業強化によるシナジー案件も堅調に推移したもののスポット需要による売上が減少し、売上収益は前年同期比で減収となった。また利益面では収益改善活動による効果等もあったが、高収益のコロナ等国策関連業務が大きく縮小し、税引前利益は前年同期比で減益となった。

その他のセグメントの売上収益は、コンテンツ販売収入が減少したため、同32.0%減の6.10億円、税引前利益は同6.7%減の2.40億円となった。

2025年2月期通期の連結業績予想については、売上収益が前期比2.9%増の1,530.00億円、営業利益が同8.9%増の125.00億円、税引前利益が同8.7%増の122.00億円、親会社の所有者に帰属する当期利益が同6.0%増の80.00億円を見込んでいる。

《SI》

 提供:フィスコ

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