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【市況】米国株半導体集中度問題と新興国ソブリン債務再編問題【フィリップ証券】

■米国株の半導体関連集中度は過去最高~半導体&マグニフィセント7相場転機?

 米国上場の主要な半導体関連30銘柄で構成されるSOX(フィラデルフィア半導体)指数は、生成AI(人工知能)人気沸騰を受けて上昇が加速。米国の代表的株価指数のS&P500に対する倍率は今年3月以降、ITバブル時の2000年3月以来の水準に達した。主要半導体銘柄を含み、金融を除くナスダック上場時価総額上位100銘柄の時価総額加重平均であるナスダック100指数は、米国の景気敏感やディフェンシブ関連も含む代表的30銘柄の平均株価であるNYダウ平均株価に対する比率も同様に、2000年3月以来の水準に達した。

 ITバブル時と比べて割高感は乏しいとしても、半導体関連への物色の偏りが極端に振れていることは否定できない。「ナスダック100先物ショート(売建て)/ダウ先物ロング(買建て)」の好機だろうか。

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■新興国のソブリン債務再編問題~ニューヨーク州議会で2月末法案再提出

 アルゼンチン国家統計局が3/12に発表した2月の消費者物価指数(CPI)は前年同月比276%上昇と約33年ぶりの大幅上昇。保守派の市場原理主義者ミレイ大統領は歳出削減・財政健全化を優先。物価抑制目的の補助金を減らしたことで公共交通料金やエネルギー価格が高騰した。

 新興国ソブリン債の半分(推定8700億ドル)の債券がニューヨーク州法に基づいて発行されるなか、2月末、同州の裁判所でソブリン債(国債や政府機関債)の債務再編の扱いに係る制度変更を目指す法案が州議会に提出された。法案可決かどうかは不透明も、可決されれば新興国の債務が救済される代わりに、ファンドなど民間債権者にとって不測の大きな損失が発生する要因となる。次の金融危機の火種となる可能性もあろう。

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フィリップ証券
フィリップ証券 リサーチ部 笹木和弘
(公益社団法人 日本証券アナリスト協会検定会員、国際公認投資アナリスト)


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