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【市況】株価指数先物【寄り前】 ニュートラルに戻す形のショートカバーが入りやすい


大阪6月限ナイトセッション
日経225先物 38870 +380 (+0.98%)
TOPIX先物 2645.5 +18.5 (+0.70%)
シカゴ日経平均先物 38880 +390
(注:ナイトセッション、CMEは大阪の日中終値比)

 12日の米国市場は、NYダウ S&P500ナスダックの主要な株価指数が上昇。2月の米消費者物価指数(CPI)は、米連邦準備理事会(FRB)がインフレ指標として注目するコアCPIが前月比0.4%上昇(前年同月比3.8%上昇)し、市場予想(0.3%、3.7%程度)を上回る伸びとなった。これを受けて米長期金利が上昇し、相場全体の重荷となる場面も見られた。

 ただし、年内利下げの見方は変わらず、直近で利益確定や持ち高調整が強まっていたこともあり、その後は買い戻しの動きとなった。また、弱い値動きが続いていたエヌビディア<NVDA>など半導体株に押し目買いが入ったことも、センチメントを明るくさせた。S&P500業種別指数は半導体・同製造装置、ソフトウエア・サービス、食品・生活必需品小売が上昇した一方で、公益事業、不動産、電気通信サービスが下落。

 シカゴ日経平均先物(6月限)清算値は、大阪比390円高の3万8880円だった。日経225先物(6月限)のナイトセッションは日中比10円高の3万8500円で始まり、直後に3万8340円まで売られた後は持ち直し、3万8380円~3万8500円辺りで保ち合いを継続。米国市場の取引開始後に上へのバイアスが強まり、3万8890円まで買われた。買い一巡後は軟化し3万8650円まで上げ幅を縮めたが、終盤にかけて再びロングが強まると、一時3万8900円まで上げ幅を広げ、3万8870円とナイトセッションの高値圏で取引を終えた。

 シカゴ先物にサヤ寄せする形から、買い優勢で始まりそうである。直近で調整を強めていたエヌビディアが7%超す上昇となったほか、ナスダック指数は25日移動平均線が支持線として機能する形で反発。さらにSOX指数の上昇率は2%を超えており、東京エレクトロン <8035> [東証P]やアドバンテスト <6857> [東証P]など指数インパクトの大きい値がさハイテク株への支援材料となり、日経平均型を押し上げる展開になろう。

 日経225先物はナイトセッションで開始直後に25日線(3万8400円)を下回ったものの、その後は同線での底堅さが意識されてリバウンドを見せている。同線を支持線としたトレンドのなか、オプション権利行使価格の3万8500円から3万9000円のレンジ推移が見込まれる。ナイトセッション終値近辺の3万8875円の行使価格水準での推移が継続するようだと、3万8875円から3万9375円のレンジに移行するとともに、ボリンジャーバンドの+1σ位置する3万9550円辺りが次第に意識されてくる可能性がありそうだ。

 来週の金融政策決定会合を前に積極的なロングは限られるが、日銀の金融政策正常化への思惑を背景に、日経225先物は7日の4万0340円(6月限)から12日には3万8060円まで調整していた。先回り的なショートも積み上がっているとみられ、ポジションをニュートラルに戻す形でのショートカバーは入りやすいだろう。

 12日のVIX指数は13.84(前日は15.22)に低下した。再び200日線を割り込み、14.11辺りに位置している25日線も下回ってきた。13.43辺りで推移している75日線が意識されてくるなかでショートカバーを強めてくることになり、リスク選好に向かわせそうだ。

 なお、昨日のNT倍率は先物中心限月で14.65倍に上昇した。25日線水準を支持線とした上昇で、一時14.72倍に位置する+1σを捉えた。本日は指数インパクトの大きい値がさハイテク株が日経平均型を牽引するとみられ、+1σをクリアしてくることになろう。リバランス中心ながらNTショートを巻き戻す流れから、NTロングでのスプレッド狙いに向かわせそうである。

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