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【市況】株価指数先物【寄り前】 ヘッジ対応により上へのバイアスが強まる可能性


大阪3月限ナイトセッション
日経225先物 40350 +270 (+0.67%)
TOPIX先物 2741.5 +11.5 (+0.42%)
シカゴ日経平均先物 40330 +250
(注:ナイトセッション、CMEは大阪の日中終値比)

 6日の米国市場は、NYダウ S&P500ナスダックの主要な株価指数が上昇。2月の米ADP雇用統計は民間雇用者数が14万人増加と予想を下回ったほか、1月の全米雇用動態調査(JOLT)で求人件数が886万3000件と前月からわずかに減少した。米長期金利が低下し、直近の下落に対する自律反発狙いの買いが入った。また、米連邦準備理事会(FRB)のパウエル議長は、下院金融委員会で半期に一度の議会証言に臨み、年内の利下げが適切との予想は不変としつつ、インフレに関するさらなる確信が必要との見解を示した。想定通りの内容として市場への影響は限られた。S&P500業種別指数は半導体・同製造装置、食品・生活必需品小売、保険が上昇した一方で、自動車・同部品、小売、電気通信サービスが下落した。

 シカゴ日経平均先物(3月限)清算値は、大阪比250円高の4万0330円だった。日経225先物(3月限)のナイトセッションは日中比40円安の4万0040円で始まり、直後に付けた3万9990円を安値にリバウンド基調が強まった。ほどなくして4万0200円を回復すると、米国市場の開始直後には4万0370円まで上昇した。買い一巡後に4万0250円まで上げ幅を縮めたものの、中盤にかけて再び上へのバイアスが強まると4万0570円まで買われた。終盤に持ち高調整により上げ幅を縮め、4万0350円でナイトセッションの取引を終えた。

 シカゴ先物にサヤ寄せする形から、買い優勢で始まることになりそうだ。3月限の先物・オプション特別清算指数算出(メジャーSQ)を控えて、一時権利行使価格の4万0500円まで上げてきたことで、ヘッジ対応のロングが入りやすいだろう。ボリンジャーバンドの+1σは3万9680円辺りに位置しており、+2σは4万1130円まで上昇してきている。上向きで推移するバンド内での推移を継続しており、昨日は+1σに接近する調整を見せた後に4万円を回復していた。押し目買い意欲の強さが確認されるなか、ロング優位の需給状況となろう。

 メジャーSQを控え、前日の取引も6月限への限月交代に伴うロールオーバーが大半であった。積極的に仕掛けてくるトレードは限られようが、権利行使価格を切り上げてくることで、ヘッジ対応に伴う商いにより上へのバイアスが強まる可能性がある。そのため、権利行使価格の4万0250円から4万0500円のレンジを想定しつつ、4万0375円辺りでの底堅さがみられるようだと、4万0875円とのレンジに移行し、次第に4万1000円台が意識されてきそうだ。

 パウエル議長は7日に上院銀行委員会で議会証言を行うが、サプライズはないとの見方になろう。また、週末に米雇用統計の発表を控え、市場心理を神経質にさせる可能性はあるものの、ADP雇用統計の結果を受けてある程度は織り込んだ形である。

 VIX指数は14.50(前日は14.46)に上昇した。一時14.93まで上昇し、14.70に位置している200日移動平均線を上回る場面も見られた。ただし、結果的には同線に抑えられる形状となったことから、ショートカバーに向かわせる可能性がありそうだ。

 なお、昨日のNT倍率は先物中心限月で14.68倍に低下した。14.70倍辺りで推移しているボリンジャーバンドの+1σを下回ってきており、いったんはNTショートの巻き戻しが意識されやすいと考えられる。SOX指数は2%を超える上昇となるなど、米半導体株が買われるなか、NTロングに傾きやすいところだろう。一方で、3月期末に向けた配当志向の動きが足もとで強まっており、バリュー株物色からTOPIX型への資金流入も意識されやすく、トレンドは強まりづらいとみられる。

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